松竹梅

常連の奥様との会話。
今年の抱負から始まった話がこんな風になった。
「ところであなた、松竹梅の意味、ご存知?」
「知りません」
「嫁ぐ時の心構えなんですよ、松はね、根を横に広げてしっかり張る」
「なるほど」
「竹は、節目節目を大切にする」
「なんとなくわかります」
「梅は冬をじっと耐え、だれよりも早く目覚めて花を咲かす。太陽のように家庭を明るく照らすんです」
「女の人って大変ですね、楽しいことなんかなさそう。男でよかったな」
「そう。ところであなた、熟年離婚って、ご存知?」
今日もまた話は変なほうに向かっていく。

初ピーマンデー

あしたは休みだ、うれしいな~っ!
そう、わが店の定休日は月曜日。
しかし今夜は、いつもより21%ほど、喜びが薄い。
なぜか。
答え 明日が祭日だから。
ふつう、日曜日の夜、ぼくの顔は自然と緩む。
「サラリーマン諸君、テレビなんか見てないで早く寝たまえ、明日は仕事だぜ、いひひ」
ささやかな優越感に浸っているのだった。暗い…
平日は、どこに出かけても人出が少ない。
例えば当ブログでも話題になった、人気の某温泉だって空いている。
ああ、それなのに。
もし明日が祭日でなかったら、この温泉に行っただろう。
そういえば、友達夫婦も嘆いていたっけ。
「これまで体育の日が結婚記念日だったのに」
月曜日に祭日を移行するなんて、ピーマンの考えそうなことだ。

エーゲ海に行こう

Photo_12「日本のエーゲ海たー、ちぃーとふうがわりーのー」という題のついた某雑誌記事の写真に目が張りついた。それは瀬戸内海に面した、とある町へシャコとワタリガニを食べに行こう、という話なのである。見よ、皿に盛られたグロテスクな生物を。知らない方もいるかもしれないが、これは川の土手などに生息して草の根などを食し、人の目に触れることなく細々と暮らすつましい虫、「オケラ」である。というのはウソで、シャコである。しかしよく似ているな。
いつかはエーゲ海に行きたい。できたら、村上春樹がそうしたように、エーゲ海の小さな島に渡り住んで、春夏秋冬を味わいたい、と、しばしばぼくは夢想にふけっている。しかし、果たしてその日がくるかどうか不明だ。そこで今年の予定であるが、この瀬戸内海に面した、とある町へシャコとワタリガニを食べに行こう、と思うのである。ぼくはいつでも小さな幸せが好きだ。

くすり

眠れない夜が二日続いた。
一昨日は3時間も寝ていない。昨夜は4時間。
そのせいか、今朝は頭痛、腹痛、耳鳴り、目の痛み、口内炎のオンパレード。しかし、ぼくはめったなことでは薬を飲まない。病院に行くなど、もっての外。
昨日、お客様から、パンやクッキーを頂いた。
どちらも手作り。
ぼくの薬はこれである。手作りのパンやお菓子。
作った人の顔を思い浮かべ、作っている風景を想像しながら食べる。
これが効く。本当に効くんだから。

スタート

今日から仕事なのだった。
起床5時。30分後に家を出た。外は真っ暗。冬の5時半がこんなに暗いとは。点滅している信号を次々に走り抜け、店に着いたのが6時。昨夜は12時に床に就いたものの、なかなか寝付けず、ほとんど眠れないまま朝を迎えた。一週間続いた不規則な生活パターンのせいだ。やれやれ。ドアを開ける。店内の空気は年末のまま。まっさきに機械に火を入れ、ウォームアップ開始。いつでも先に目覚めるのは機械。ぼくはそれを眺めながら集中力を上げていく。今年最初に焼いた豆はキリマンジャロ。15種類の珈琲豆を焼き終えたのが11時。
2006年、珈琲豆の販売開始だ。

Pavlov’s Dog

Kenken
きょうで正月休みも終わり。
時計は夜の9時を回ってしまった。
今日は早く寝ないと、明朝5時起きである。
ああ、ぼくの気分は限りなく不透明に近いブルーなのだった。仕事が嫌いなわけではない。早起きも苦にならない。しかし、気分はブルー。
ん?待てよ?なんでだろう。考えてみると不思議である。長かったサラリーマン時代に固定化した条件反射的不幸感か。
休日が終わる→憂鬱。ブルーな気分。
まずいな。こりゃなんとかせにゃいかんかも。

器用なオレ

今日は「正月休みの間に絶対しなくちゃならんリスト」から、2番目に優先されている項目をクリアすることにした。
その項目とは、昨年秋の台風によって吹き飛んだベランダの天井板の補修工事である。はがれた天井板の残骸をスクレーバーで、きれいに剥がしとり、必要な板のサイズを求め、東開町のしもんそマルヒラに走る。パーフェクトだ。無駄のない計画によって、最短時間で作業は終了。オレって、何でもやるよなぁ。器用貧乏とは、オレのためにあるような言葉だ。

元旦

新しい年になった。
といっても、いつもと変わらない。ただ、腹の調子が悪く、頭も痛い。何をしていたのかよく思い出せない。午前中はコーヒーを飲みながらぼんやりしてた。午後から夜にかけては、音楽を聴いたり映画を観たり。
正月らしい充実した一日だったと思う。

大晦日

昨日のお店に引き続き、今日は家の大掃除。
ぼくはまず台所の換気扇に着手した。
わが家の換気扇は、一般的なプロペラが回るタイプじゃない。
特殊なファンの前面に、油を吸着するための金属フィルターが3枚並んでいる。これに油がガムのようにへばりつき、一般のレンジ用洗剤ではビクともしない。
そこで、プロ用の洗剤を使う。50度の湯で割った、怪しく揺らめく青い液体に、油まみれのフィルター静かに浸す。待つこと2時間。
見事に落ちる。こする必要などまったくない。アッパレである。
この洗剤に出会うまで、ぼくは半日をこのフィルター掃除に費やしていたのだ。うっかりしてると人生はこのように消耗していく。
次にぼくは風呂場の掃除を始めた。壁のタイルに洗剤を吹き付けながらタワシでこする。跳ね返った洗剤が服につくので、寒い中、パンツいっちょで作業を続けた。これがよくなかった。
夕食に殻つきのカキを蒸したのとナマガキが出た。カキは大好物なのだが、ぼくは3回に1度の割合で当たる。今日は当たる可能性が高い。先ほどの風呂掃除で風邪をひきかけていたのだ。しかし、すでに手が勝手に動いてカキはぼくの口に運ばれつつあった。30分もしないうちに強い寒けと吐き気がぼくを襲った。ぼくは布団にくるまり、病魔が過ぎ去るのをじっと待っていた。

気をつけなくちゃ

夜遅くまで映画を観てた。
サウンドオブミュージックと、ディープブルー。
ディープブルーは初めて観たんだけど、ぼくはネイチャーものが好きなのでおもしろかった。サウンドオブミュージックは、あるシーンだけ観たくなって観始めたら、結局全部見てしまった。映画を観終わって部屋から出ると、シーンとしている。みんな寝てしまったのだった。いつものくせで寝る前に冷蔵庫を開ける。雪崩を起こしそうなくらい、食い物が詰め込んである。いつもの3倍はある。そうだ、正月がやってくるのだ。
正月は要注意だ。3~4キロはあっという間に増える。体重の話だ。特に煮豆が危ない。大きな鍋で作るのだけど、ほとんど全部ぼくが食べる。ぼく以外の連中はあまり食べないのだ。みなさんも十分お気をつけください。
特にダレとはいいませんが。