long vacation 最終日

090817_01
朝起きると晴れていた。海に行って泳ごうか、と思ったが、やはりドライブに行くことにした。たまには大隅半島もよさそうだな、と思ったが、桜島の灰が派手に降りまくっていそうな予感がしたので今回はやめることにした。なんとなく海に行きたかったので、山を越え、万之瀬川河口の吹上浜海浜公園に出かけた。
090817_02
車を停め、サンセットブリッジへと歩いていくと、ちょうど干潮で、海に向かってどこまでも砂浜が広がっていた。砂浜に降りて写真を撮っていると、水際に近い砂の上を、何か道具らしきものを引きずって黙々と歩いている人が見えた。それはまるで月面を探査する宇宙飛行士のようだった。
090817_003
ぼくは海に向かって砂の上を歩き続けた。いっしょに来たはずのヨッパライ某は、どこかで休んでいるようだ。たぶん、橋の袂にあった東屋だろう。
090817_04
090817_05砂の上を延々と歩き回って満足したぼくは、サンセットブリッジに上がって写真を撮り、その袂にある東屋に行ってみた。そこには今起きた顔のヨッパライ某がいた。腹が減って体が動かなくなり、横になったら寝てしまったという。ぼくは、そこに設置してある小さなタイルを張ったベンチがとても気に入った。
090817_06
まるでグエル公園にあるガウディのベンチのようではないか。
そんなベンチがグエル公園にあるかどうか知らないけれど。
090817_07
腹が減って動けない、ということで、どこかに昼飯を食いに行くことになった。
090817_08
駐車場に向かう途中、廃墟マニアが狂喜しそうな草ぼうぼうの家があったが、これはワザとそうしてあるらしかった。野鳥観察の家、という、野鳥の写真を展示してある家なのだった。
090817_09
車はさらに南下し続け、昼過ぎに笠沙恵比寿にたどり着いた。施設内にある市場食堂というところで、おまかせ定食を注文。新鮮な刺身に、かなり大きな魚の頭のアラ炊きが付いて、しかも、ご飯はお代わりができて、財布に優しいお値段だった。
090817_10

long vacation 四日目

090816_01
トイレに行きたくなって目が覚めた。寝る前に水を飲みすぎるとこうなる。寝室のドアを開けると、まぶしい光に包まれた。どうしてこんなに明るいんだ。時計は朝の6時を指している。ベランダに出てみると、空は雲ひとつない。明るいのは天気のせいだった。ぼくは泳ぎに行くことにした。家族を起こさないよう、そっと準備をし、車を出した。山を一つ越えるとそこは海。海沿いの松林を走るころ、カーステレオからスパイロ・ジャイラのモーニング・ダンスが流れ出した。
090816_02
まだ7時前だというのに、サーファーが二人、波と戯れていた。ぼくは持参したシンコム3号を食べ、屈伸運動をして海に突入した。潜ってみると、かなり濁っている。時々クラゲとすれ違う。水の温度はちょうど良かった。
090816_03
今日は、ケータイで撮りました。

long vacation 二日目

090814_001

明け方、足がつって目が覚めた。おそらく昨日のハードな作業で普段あまり使わない筋肉を使ったせいだろう。時々頭が痛くなるのも同じ原理である。きょうはヨッパライ某の発案で、家族全員で指宿にある某喫茶店に行こう、ということになった。10年振りだ。ぼくが脱サラし、妙な仕事を始め、休日を月曜日に設定したせいで、同じく月曜を定休日とするこの喫茶店に行けなくなってしまったのだ。しかし今日は金曜日なので某店は営業している。ぼくはこの喫茶店に20年以上前から通っていた。

090814_003

ぼくらはこの店のハンバーグ定食とシーフードカレーが麻薬的に好きなのだった。
店に到着し、ドアを開ける。振り向いたマスターは、一瞬、あっ、という顔をし、そして微笑んだ。
覚えてますか?というと、もちろんですよ、という返事。
ぼくは笑いながら、コイツがあの時の子供ですよ、と、娘を指差した。
あれは20年前のある晩、ぼくとヨッパライ某はこの店で食事をとり、勘定を済ませて外に出た。車に乗ろうとしていると、店のドアが勢いよく開き、マスターが血相を変えて飛び出してきた。
「忘れ物ですよ」
ぼくらはベビーキャリーに入れた幼い娘を店に忘れて帰ろうとしていたのだった。

090814_002

ひまわりの丘

ベッドから起きあがり、カーテンを開けると青空が見えていたが、それは夏の青空ではなかった。青い空に白い入道雲が力強くわきあがる夏の青空であれば、迷わず海に行って泳ぎまくるはずだったが、こんな空ではそんな気分にはなれない。雲の形がカッコ悪すぎる。車は珍しく北に向かって走り出した。目指すは、あのソフィアローレン主演の映画「ひまわり」に出てくる某国のひまわり畑に来たような気分にさせるかもしれない、某都市農業センターのひまわり畑。
090803_01
駐車場に車を停め、ドアを開けると、ふとどこからか、あの「ひまわり」のテーマを演奏するピアノのメロディーが聞こえてきた。ような気がしたが錯覚だった。ヘンリーマンシーニによるあの深い悲しみを湛えた美しい旋律は、どこか翳のある男と呼ばれて久しいぼくのテーマにふさわしいといえよう。センターに入ってすぐのところに、目的のひまわり畑はあった。あったのだが、時はすでに遅く、盛りを過ぎたひまわりの花びらは茶色く変色し始めていた。でも、それでよかったのかもしれない。ぼくの記憶の中で永遠に揺れ続けるひまわりは、たぶん、こんな感じなのだから。
090803_02
そのポピュラーな大柄なひまわりの向こうに、見たことのない、やや小振りなひまわりが満開を迎え、風に揺れながら、遠い見知らぬ国の歌を口ずさんでいた。しかし、ぼくの目にはどう見ても彼らはひまわりには見えなかった。
090803_02_2
でも、背後に回ってみると、そのうなじ?の辺りが、まさにひまわりのそれだった。枯れはじめたひまわりを見たせいで、ぼくは少しさびしくなっていた。枯れてうなだれたひまわりは、夏の終わりを告げているようにしか見えなかった。
090803_03
ひまわり畑の横では色とりどりのヒャクニチソウが一面に咲き誇っていた。
090803_04
ヒャクニチソウなんか、どうでもよかった。
でも、その中に黄色い大きな花がひたむきに空を仰いでいるのが見えた。
090803_05
ぼくは見えない糸に引かれる夢遊病者のように、ふらふらとそちらに歩き出していた。
090803_06

カボチャプリンはいつもの味だった

休日の朝は目覚めるのが不必要に早い。しかも一度目が覚めると二度と眠れない。ぼくはなんとか眠る努力をしてみたが無理そうなのでベッドから起き上がり、数日前から咲き始めたアサガオの写真を撮ることにした。昨日の予報では今日は晴れとのことだったが、庭に出て仰ぎ見た空は不気味な灰色だった。雲間から日がさすのを見計らって、透きとおった赤紫の花を撮った。
090727_01
車は南に向かって走り出していた。遠くに青空が見えていたが、やがてそれは灰色の雲に呑み込まれてしまった。車は海岸道路を南に下り、いつしか魚見岳を登りつめていた。わが家の屋上からは魚見岳が見える。ならば、魚見岳からもわが家が見える道理だ、というわけで、北の彼方をじっと見つめてみたが、わが家らしきものは見えなかった。魚見岳を下りて、車は山川漁港の「活お海道」に向かった。前回寄った時は、駐車場が満杯で入れなかったが、今日は空いていた。なにも買う予定はなかったが、手作りウメボシ、漬物、ドラゴンフルーツ(小さいのが2個で300yen)などを買った。
090727_07
そこから一山超えるといつもの某植物園。広いロビーには綺麗な七夕飾りがしてあった。その願いが書かれた札を読んでいると、妙に切ない気分になった。
090727_03
園内をぶらぶら歩いて、西洋庭園に行き、ひまわりのソフトクリームという、黄色いソフトクリームを買って食べた。300yen.
「そうか、これがひまわりの味なのか!」といった説得力には欠ける味だった。
090727_05
某植物園を後にし、開聞岳麓の某ハーブ園に行ってカボチャプリンを食べた。
「そうか、これがカボチャプリンの味なのか!」という、いつもの味だった。
090727_06
家に帰って、某所で買ったドラゴンフルーツを食べてみた。冷蔵庫で冷やし、二つに割ってスプーンで掬い取って口に入れると
「そうか、これがドラゴンフルーツの味・・・なの??」
という、狐につままれたような味だった。
090727_02

日替わり定食はコロッケだった

090713_01
梅雨が明けるとバーベキューの季節だ。ぼくの住んでいる団地も週末の夜になると、どこからともなく、いいニオイが風にのって漂ってくる。そんなわけで、わが家もその日に備え、バーベキューのインフラを整えておくことにした。チェックシートを作り、足りないものをリストアップする。たとえば、木炭2ケース、金網2枚、ランタン用のオイル、ロケット花火、金魚すくいセット、といった具合。チェックを終えると例によって笠沙方面に走った。名目は食材の仕入れ。その前に漁港近くのいつもの店で昼食にした。ここの日替わり魚定食は安くてうまい。おまけに、ご飯のお代わりが自由。1杯でも2杯でも5杯でも10杯でも。
090713_04
黒板のメニューを見ると、今日の日替わりは、なんと、コロッケ定食。ガーン! 笠沙まで来てコロッケを食うのは悲しすぎる。やはり魚じゃないと。というわけで、ちと予算オーバーだったが、安いほうの寿司定食をたのんだ。食事を終え、近くの港町のスーパーで食材を購入、クーラーボックスに氷詰めにしてトランクへ。
090713_02
帰りに吹上浜でブラックモンブランを3本食べ、正円池で季節はずれのホテイアオイを眺めた。

シリの皮が少しムケた午後

090608_01
車が目的地に着いたとき、時計は1時をまわっていた。
090608_02
とにかく腹が減っていたので、湖畔にある食堂で昼食にした。その店の前には、そうめん流し機も並んでいて、そのうち数台がスタンバイしていた。
090608_03
以前、ここで食べた時、鯉のあらい定食がおいしかったので、今日もそれを頼んだ。注文すると、おかみさんが大きな網を持って店の前の生簀に向かう。店は質素だけど、ここの定食は一級品だ。ほんとにおいしかった。
090608_04
腹がふくれたので、いつものようにボートに乗ることにした。
090608_05
目立ちたい年頃の某F少年なら、きっと派手なピンクのミッシー号を選ぶであろうが、
090608_06
ぼくはもう十分に大人なので、目立たない、ふつうの手漕ぎボートを選んだ。
090608_07
湖の中央付近にボートを停め、ぼくは湖の深さを想像した。この湖の水深は、その大きさの割にけっこう深く、100m近くある。あのジャック・マイヨールによる素潜りの世界記録が105m。ほんとうに深い。
090608_08

スイカモード

090601_01
天気もいいし、ぼくは霧島にボートを漕ぎに行くつもりでいたのだが、それをヨッパライ某にいうと「わたしは魚が食べたい」というので、車は山を越え、信号を左折して坊津方面へと走りはじめた。いつもならポットにコーヒーを詰めて出かけるのだが、今日は海に面した某レストランにも寄ってみよう、ということで、コーヒーの準備はしなかった。片浦にある魚料理店に着いたのが昼前だった。ぼくは地魚定食、ヨッパライ某は寿司定食を頼んだ。運ばれてきたお膳を見ると、ぼくの頼んだ分にはスイカが付いていた。
090601_02
昨日書いたとおり、ぼくはまだスイカを食べる気分になっていない。だからといって残すのももったいないので、期待せずに食べた。
うまい! そして懐かしい。
その時ぼくの中のナニかがカチッと反応した。夏だ。夏のスイッチの一つがONになった。ぼくはもっとスイカを食べたくなった。いや、食べなくてはならない。今やスイカは、ぼくのココロのご飯になったのだ。家に帰ったらさっそく箱から出し、すぐに冷やそう。
090601_03
店を後にし、食後のコーヒーを飲むために海に面した某レストランに向かった。駐車場に車を停めてドアの前に立つと、なんだか様子が違う。ドアが新しくなっている。それに、あのひどく読みにくい手作りの看板がない。どうやらリニューアル中らしい。ということは、休みなのだろうか。そういえばドアの下に「準備中」の札が落ちている。呼んでも返事がないので、デッキのほうに行ってみると、屋根に梯子がかかっている。屋根のペンキ塗りをやっているのだろうか。そうか、ペンキが切れたので買いに行ったのだろう。ぼくはそう思うことにした。
090601_04
とにかくコーヒーは飲めそうにないので、ぼくは引き返すことにした。某海浜公園でしばらく遊んだ後、車は帰路に就いた。まだ2時半だった。帰るのがいつもより早いのは、早くスイカが食べたかったからだ。
090601_05
家に帰り着くと、ぼくはスイカの入ったダンボール箱を開け、顔を出したスイカのアタマをコツコツたたき、音の低いほうを箱から取り出した。ああ、なんという美しく立派な果実。ぼくはまずその天上なるデザインを称え、撫で回し、そしてほおずりした。

魚肉ハンバーグな休日

090525_01

天気もいいし、風もさわやかだ。こんな休みの日には、ぬるめの温泉にでもつかって、道端の花でも見ながらポチポチ歩いて、腹が減ったら青空の下でニッスイの魚肉ハンバーグが入った弁当を広げる、みたいな一日を過ごすのが良いかもしれない。みたいな結論に達した。カメラには最近お気に入りの古いレンズをくっつけることにした。このレンズで撮ると人も風景も適当にボケてくれて、アナログっぽい写真が撮れるのである。

090525_02

まず、予定通り某温泉に到着。外湯につかって、空を見ながらぼーーっとしていると、体のほうも、「ん? 今日は休日らしいぞ。じゃあぼくもぼーっとしよ~」という感じで、ぼーっとしてくる。

090525_03

身もココロもぼーっとしてきたところで、温泉を後にし、車は山をひとつ越えて某植物園に着いた。

090525_04

園内を歩いていると、あちこちでアジサイが咲いている。
梅雨も間近だ。

090525_05

ニッスイの魚肉ハンバーグにマヨネーズをかけたのが入った弁当を広げる。ぼくがかつて日本人らしい日本人だったころ、弁当に魚肉ソーセージや魚肉ハンバーグが入っていると涙が出るほどうれしいものだった。ような気がする。

090525_06

魚肉ハンバーグ弁当を食って、園内をぶらつく。サーロインステーキクラスの贅沢な休日とはいえないが、今日もいい気分だ。

初夏の日差し、空は秋色

090518_01
デジイチに古いレンズをくっつけて、ドライブに出かけた。
090518_02
古いレンズだから、ピントは手で合わせる。時間はたっぷりあるので、のんびりとピントを合わせる。遅いからといって、だれも怒ったりしない。風の音、鳥の声、川の流れる音。今日は、いつもとコースを変え、ダムの横を通って南九州市の岩屋公園に走った。
090518_05
川のそばのベンチでランチタイム。パンに手作りリエットをはさんで食べる。珈琲はもちろん、某珈琲店の珈琲。
090518_06
アサーッ! なわけないか
090518_03
このはし、渡るべからず。
090518_04
崖になにか彫ってある。
090518_07
帰りに、中山インターチェンジ近くの園芸屋さんでアイビーゼラニウムというのを買った。
090518_08