火曜の朝

朝からお客様が多かった。休み明けのせいと思う。
でも、お客様が多いと、とても変な気分になる。
何かがおかしい、と思ってしまう。
分かっていただけるだろうか、この気分。

気分は日曜

朝からいいお天気だ。
日曜日には、日曜日の顔をしたお客さんがいらっしゃる。
おかげで、気分がらくだ。
コーヒーを飲みながら、音楽や映画の話をする。
ぼくは仕事だけど、気分は日曜日。
やはり日曜日はいいね。

Twilight Zone

書きたいことが多すぎる。
迷いに迷って、結局なにも書けない。
土曜日とは、そういう一日である。
という出だしで書きたかったのだが、ウソなのでやめることにした。
今日はヒマな一日だった。
大きな声では言えないが、ヒマな一日には、ある共通点がある。
そういう日には、決まって、ある特定のお客様が現れるのだ。
そう、それは特殊な能力の持ち主と言ってもいい。
それが他のお客様を寄せ付けない能力だといってるのではない。
お客様がいない時間帯を鋭く感知し、来店、滞在するという、稀有な能力なのである。
今日は、特殊能力をお持ちだ、と、ぼくが日頃から目星をつけていたお客様が、3名もいらしてしまった。
結果は予想通りであった。
この世には科学では説明できない、不可思議な領域が未だ残されているのである。

ペーターと狼

どういうわけだろう、いらっしゃるお客さまの顔が明るい。
明日から休みということが関係しているのかもしれない。
ぼくは笑顔に包まれて仕事をしている。
おだやかな日差しの降り注ぐ庭園で水撒きしている気分。
きらきら輝く水滴が、赤や青の蝶になって飛んでいく。
ぼくはいつのまにか口笛を吹いている。
なんの曲だろう。
ぼくは笑いたくなった。
ペーターと狼。
虹の向こうでペーターは狼を追っている。

エスケープ

またまた古い話。
中学生のとき、授業をエスケープして近くの川に行った。
不思議な気分だった。
自由などという、大げさなものじゃないけど、空気の味が違ったのを憶えている。
もちろん、職員室で、ひどくしかられた。
ぼくみたいな生徒が多かったせいで、先生はハゲができてしまった。
先生は本気で心配してくれていたのだ。
悪いことをしたと思う。
5年前、サラリーマンをやめた。
不思議な気分だった。いつもの道が、うそのように輝いていた。
自由などという、大げさなものじゃないけど、空の明るさが違ったのを憶えている。
エスケープ
場合によっては命がけだ。
でも、命が輝くのは、そういうときだ。

とめどない話

あまり見かけなくなったけど、ぼくが子供だった頃は、水道管が壊れ、道が水浸しになることがあった(笑)
地面から噴き出した水が、まるで命あるもののように踊っている。
つい、時を忘れて見入ったものだ。
道を与えられた水は、おとなしい。
水路を流れ、川に注ぎこんで海に帰っていく。
人の魂も行く先を求めて躍動している。
それが健全な状態だ。
ポーという作家が次のように言っている。
「真の告白を試みてみよ。ペンの下で紙は火を吹き、たちまち燃え尽きてしまうだろう」
魂の仕業は、はかりしれなく、とめどない。
また、映画ジュラシックパークに登場する数学者が次のように言っていた。
「生命は常に新たな道を求めつづける」
生命とは、魂とは…
まったく、はかりしれなく、とめどない。

あの5年間

今日は28日。
28という数字には少々思い入れがある。
結婚した時ぼくは28になっていた。
28になるまでの5年間は妙な具合に充実していた。
と、今になって思う。
当時を思い出そうとすると、極端に良い思い出と極端に悪い思い出が背中合わせになったまま、ぐちゃぐちゃに混ざり合って整理が付かない。
なんだったのだろう、あの5年間は(笑)

飛行機雲

Photo_20空は晴れていた。
風もほとんどなかった。
なぁーぁーんも、したくない一日だった。
パンとコロッケを買ってきて、屋上でのんびり昼食をとった。
とても穏やかな一日。ノーミソは仕事を忘れて休止中。
ラジカセから流れるボサノバは、右の耳から左の耳に抜けてゆく。
地球は、ぼくとテーブルと、パンとコロッケとコーヒーを載せたまま、時速10万kmで太陽の周りを回っている。
ふと、ぼくは秒速3センチで顔を上げ、空に飛行機雲があるのを発見した。

迷う

こんな女がいたら、さぞや迷うだろうな、と思わせる、そんな酒を飲んでみたい。と、酒好きだった某作家が書いていた。
なにを迷うのか、そこまでは書いてない。見当はつくけど。
ともあれ、迷うシーンが少ない人生は少々さびしいかもね。