灯台

今日も休み。よく晴れている。昼前、花を持って、墓参りに行った。小さな墓地だけど、とても静かで景色がいい。人影はなかった。石に刻んだ母の年が若すぎて、いつも変な気分になる。ぼくはいつ来ても、二人の子供に何もいわなかった。子供たちも何も聞かない。今日は少しだけ話した。長女は来年二十歳なのだ。
「ここには母の骨がある。それだけだ。ぼくは骨には興味がないけど、これはぼくと母との関係だ。君たちにとっては、おばあちゃんの墓だから、来たい時に来ればいい。強制はしない」
二人は黙って聞いていた。
夜、屋上から海のほうを眺めていたら、彼方で小さな明かりが明滅していた。灯台らしかった。10年以上、この場所から海を眺めていたのに、気づかなかった。

大掃除

060813
きょうから休み。なのだけど、例年通り、店の大掃除。掃除は嫌いじゃないし、接客がないので気分は楽だ。焙煎機自体の分解掃除は数日前に済ませたので、煙突掃除から開始。めったに開けることのない排煙用の窓をあけ、シャツを脱ぐ。外の風が心地よい。アドレナリンを分泌させるためにワグナーのタンホイザー序曲をかけた。音楽があれば、掃除はグンと楽しい作業になる。柄の長い、専用のブラシで煙突の中のススを落とす。掃除をしていると、次々とお客様がいらっしゃる。これも毎年のことだ。残っていた珈琲豆も、午前中にほとんど売切れてしまった。雑巾がけも気持ちよい作業だ。結果が目に見える作業は気分がいい。BGMはワルツをチョイス。ステンレスポットをすべて洗い終わった時、時計は4時を指していた。家に帰り、屋上で夕焼けを眺めながらビールを飲んだ。筋肉痛が心地よかった。

Bom

明日からお盆。お盆の由来は「bom」、つまり、爆発という意味の梵語である。わけがない。しかし、ぼくは仏教徒ではないので、何もしない。しかし、休むのは好きなので、三日休むことにした。しかし、三日ぐらいじゃハワイにもいけない。たぶん、行ったとしても、笠沙のブルUNOくらいだろう。しかし、あそこはよく準備中の札がかかってるからなぁ。電話していくことにしよう。というわけで、ここで問題。ぼくは何回「しかし」といったでしょうか。

恋をするように音楽を聴く

Haruki_01最近おじゃまするようになった某ブログに次のようなくだりがあった。
ところで自分の考える「音楽」も、彼が書いているように「過去の個人的体験の記憶がなければ、人生は耐え難いまでに寒々しいものになり、だからこそ恋をし、恋をするように音楽を聴く」という一説に集約されているような気がした。
村上春樹『意味がなければスイングはない』を読んでの感想だ。
「恋をし、恋をするように音楽を聴く」
実は、昨日ぼくはこれと似たようなエントリーを上げようとしていた。ぼくは恋をするように海に出かけ、恋をするように星空を眺めている。自分でもバカじゃないかと思うのだけど、海や空に向かって「おまえは信じられないくらい美しいな」って語りかけるし、星空に「おまえはすごいよ、死ぬほど好きだ」ってつぶやいている。じっさい、そういう気持ちがあふれてくるのだから、しかたない。おそらく、ぼくは狂っている。でも、恋してるぼくは恋してないアナタより幸せかもしれない。
p.s.
Fさん、いつもオモシロイ本を貸してくださってありがとう。ヒヒヒ

トカゲとぼく

わが家の庭にはトカゲがいっぱいいる。
トカゲと言っても、いわゆる銀トカゲではなく、カナヘビ。
今朝、玄関に腰掛けてると、いつものようにトカゲがやってきた。
首をかしげ、片方の目で、じっとぼくを見ている。
ぼくは試しにテレパシーを送ってみた。
「なに見てんだ、ばか」
反応はなかった。

不思議な音

今夜は満月だったのだろうか。とても明るい月が出ている。ビールを飲みながら月を見ていたら、月と、その周りの雲がみるみる大きくなってきた。怖くなって目をつむった。目を開けるともとの月に戻っていた。海の上に浮かぶ雲が、それはとても平凡な形の雲なのだけど、たおやかで美しかった。北の方から吹いてきた風が、缶ビールの口で不思議な音をたてた。

岩に染み入るセミの声

朝早くからクマゼミがうるさく鳴いている。メスを呼ぶためだそうだが、色気もクソもない。「ジャージャージャージャー」明らかにぼくの存在を無視している。ヒグラシというセミがいる。松林を好むようで、吹上砂丘付近でも「カナカナ」という特有の声を耳にする。こいつは感心なやつだ。あの声はココロが和む。ショパンのノクターンに似た趣があって、感傷的な気分を誘う。ツクツクボウシという小さなセミがいる。こいつは大嫌いだ。ツクツクボーシ、ツクツクボーシ、ツクツクボーシと忙しく鳴く。訳すとこうだ。「ほらほら、もう夏も終わりだ、終わりだ、終わりだー」キンチョールをぶっかけたくなる。

天気晴朗なれど

Hukiage_05空は晴れ渡っていた。指宿スカイラインを走り、山を越え、信号を曲がり、松林を抜けた。鹿児島は山を越え、信号を曲がり、松林を抜けると、たいてい海に出る。台風が近づいているという。天気晴朗なれど波高し。しかし、波はほとんどなかった。実は、きょうは初体験の日なのである。ウフ。昨夜、某量販店で、ついに度付きゴーグルを買ったのだ。2000円出して、173円の釣り。Hukiage_06_2海にメガネは似合わない。これでメガネともオサラバである。前回は、泳いでる時に足がつったので、ちょびっと準備運動をして海に入った。もちろん、ゴーグルをつけて。おー、これは快適だ。海の中がバッチリ見える。見てはならないものまで見えそうだ。ウヒヒ。しかし、なぜか今日は生物の影が薄い。いるのはフグやハゼ、カニ、クラゲの幼生など。つまらん。Hukiage_04今日は一人で来ているので、あまり深いところでは潜らないことにした。喜んで泳いでいると、水上バイクがやってきて、沖を行ったり来たりはじめた。エンジンの音がうるさい。興ざめである。いつものように海に浮かんで、波の音、青い空、白い雲、波間を渡る風を楽しんでいると、ブワワ~~~ッとやってくる。ぼくは叫んだ。うるせぇこのやろう、こっちに来るんじゃねぇ!(うそです)
文句を言う勇気もないので、いつもより早く帰ることにした。
Tako_01

標準レンズ

Smc12
写真を撮るのが好きなお客さんがけっこう多い。ぼくも好きなので、写真やカメラの話になると、営業時間が過ぎても話し続けることがある。今日は、写真好きの常連のお二人と、写真やカメラの話で盛り上がった。ぼくはデジイチは持たないので、この写真もコンデジで撮った。ぼくは明るい標準レンズが好きだ。上の写真はフィルムカメラ用のレンズなので、今は使ってないけど、もう一度このレンズで、いろんなものを撮りたいと思う。

射手座

天の川は射手座付近で大きな広がりを見せるが、これは言うまでもなく銀河系の中心の膨らんだ部分(バルジ)が射手座の方向にあるためだ。今夜の月は、この広い流れに気持ちよさそうに浮いている。丸みを帯びはじめた、色っぽい上弦の月。雲と月のせいで星の数は少ないが、白鳥座とベガ、アルタイルははっきり見える。酒を飲みながら屋上で寝転がっていたら、いつの間にか寝てしまった。いつものことだけど、目が覚めたとき、ぼくはあわてた。
ここはどこだ!