彼女のスイッチ

今日もぼんやりしている。風邪が治らない。
「顔色が優れないようですが」
珈琲を買いにいらした女性のお客様が心配そうにおっしゃった。
「風邪がなかなか治らなくて、ごほっごほっ、ううぅ…」
ぼくはいかにも苦しげに返事をした。すると彼女の目はふいに輝きを増し、梅干を入れたお茶だの、某メーカーの薬が効くだのといった話を微に入り細をうがって強く説き始めた。そして、いつもより多く珈琲を買って帰られた。かわいそうに思われたのだろう。図らずもぼくは彼女のスイッチをONしてしまったらしい。それは母性というスイッチ。

ガオー

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今日は定休日。曇り空。でも、午後から天気は持ち直し、さわやかに晴れてきた。雨のあとの青空は澄んでいて気持ちがいい。風邪もだいぶ治まり、頭もスッキリしてきたので、庭の植木の剪定をすることにした。070423_02_2伸び放題になっている木の枝を片っ端から切りまくっていると、裏庭で変な物体を発見した。それはヤツデの若葉であった。かなり不気味である。これを見て浮かんだのが、アレ。あの物語。下水道が普及していなかったそのむかし、各家庭のトイレはドボン式であった。便器を覗きこむと、そこには暗く果てしない暗黒世界が広がっていたのである。そこでこういう物語が生まれた。トイレで紙がなくて途方に暮れていると「赤い手~、青い手~、どれがいい~?」という声が、便器の奥から聞こえてくるのである。それに答えると、便器の中から答えた色の手が伸びてくるというのだ。しかしどう考えても、あそこから出てくる手は茶色いと思うんだけど。
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今日もフラフラ

昨日からフラフラしているのは風邪のせいだ。ぼくはデリケートなので風邪をひきやすい。節約のため、普段は脳の出力を50%に抑えてすごしているが、風邪をひくと、いきおいその出力は10%程度にまで下がる。ぼくは薬が嫌いなので余程のことがない限り服用しない。が、明日は定休日だ。休日に風邪をひいて過ごすのは情けない。しかたなく薬を飲むことにした。めったに薬を飲まないので、やたら効く。くらくらする。

誘われてフラメンコ

070421いい天気だ。春らしさが戻ってきた。半袖でいらっしゃる女性のお客様もいる。sexy. 土曜の午後は案外ヒマだ。ぼくは駐車場に出て喫茶店の花壇を眺めていた。甘い匂いがあたりに漂っている。見上げると、入り口の支柱に沿ってジャスミンの花が咲いている。となりにも青と白の花が咲き、これもまた夜の香水のように甘ったるい匂いを放っている。
キミたちはヒマそうにぶらぶらしているボクを誘っているのか?
なんだかフラフラする土曜の午後。
(ところで、この写真の花の名前、なんだっけ)

ココロの冬

やっと暖かくなった。ここ数日の天気はいったい何だったのだろう。ぼくはまるで白夜の薄明の下、シベリアのツンドラ地帯を背を丸め、あてどもなく彷徨う放浪者のようだった。あまりの寒さに、もう少しでぼくは野垂れ死にするところだったのである。ぼくにとって寒さは呪いである。寒いとぼくの心は、柔らかくもその実ヒヤリと冷たい、ロッテ雪見大福のように芯まで冷え込んでしまうのだ。そう、ぼくは呪われているのかもしれなかった。しかし、いわれのない呪いはやってこない。ぼくにかかった呪いとは…。原因が分かれば呪縛を解く手がかりになる。白雪姫の呪いは毒リンゴ。王子のキスで解ける。美女と野獣も似たようなものだ。それはハリウッド的、単純なハッピーエンドである。ぼくはフランス映画が好きだ、というフリをするのが好きだが、フランス映画は概してハッピーエンドにならない。どこか難解で複雑、まるで不幸にこそ人生の奥義が隠されているといわんばかりに暗くひねくれ、ハッピーエンドは程度が低いとでも言いたげなイヤな終わり方をする。場合が多い。一方ぼくには複雑でわかりにくいものを高級とみなし、好もうとする逆行的傾向がある。自虐的なのだ。そうだ、それが呪いなのだ。ぼくは冬を憎みつつ、その奥底では愛しているのかもしれなかった。

天然の味

 彼は、あの約束を忘れてはいなかった…
夕方、友人Fが、天然の牡蠣をビニール袋に詰めて持ってきた。仕事をサボって取ってきたのだという。天然の牡蠣は潮が引いた後の岩に張り付いているので、ハンマーなどで引っぱたいて外す。さっそくビニール袋から一個取り出し、水で洗って食べてみた。う、うめぇ。天然のせいか、身がきゅっ、と締まっている。もう一個食べてみた。う、う、う、めぇぇ…。ちなみに、ぼくはよく牡蠣に当たる。ふつう、一度牡蠣に当たると二度と牡蠣には近づかないといわれている。それほど牡蠣の当たり方はキビシイ。それでもぼくは食べ続ける。店からの帰り道はルンルン気分であった。今夜の夕食はカキフライ。ぼくの大好物はカキフライ。
ぼくは揚げたての牡蠣にレモンをじゅっと絞ってかぶりついた。
・・・・
わーっぜうめかったど

ぶるぶる

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寒さでテンションが急降下。震えてます。誕生日ということで、気分転換にデスクトップの背景を変えてみました。

宇宙の彼方へ

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BOSTON。このバンドをご存知の方はもう少ないかもしれない。ファーストアルバム、幻想飛行/ボストンは、すばらしいアルバムだ。More than a feeling(宇宙の彼方へ)をはじめ、どの曲も未だ、まったく古臭さを感じさせない(リンク先で試聴できます)。このアルバムが発表された当時、ぼくは19才だった。 ジャケットをよく見ると分かるのだが、炎を吹き出して飛行しているのはギター型宇宙船。あのころのぼくは、宇宙旅行に憧れていた。あれから何年経ったのだろう。宇宙に飛び立つ夢はもはや消えてしまったのだろうか。
昨夜はOさん夫妻をわが家にお招きし、沖縄料理を食べながら楽しいひと時を過ごした。Cake_01ぼくは奥様手作りのステキな誕生ケーキをいただき、キャンドルの炎を一息で吹き消した。
その夜、ぼくはケーキ型宇宙船に乗って、宇宙の彼方に飛び立つ夢を見た。炎の数が多いほど、遠くに飛べるに違いなかった。

ぼくの夏

明るい朝、かがやくアスファルト。
夏を意識せずにいられない。
なにか聞こえる。なつかしい音。
久しぶりに聞いた。ぼくのエンジン。
何年も眠っていた、ぼくのエンジン。
ギヤをローにいれ、クラッチをつなぐ。
動いた。壊れてなかった。
動き始めた、走るためのエンジン。

検索ワード

ここ数日googleからのアクセスが急増している。なぜか。ある検索ワードで当ブログが引っかかるせいである。その単語は「おそそ」。試しに「おそそ」で検索をかけると、トップページに「生活の記録」の文字が浮上する。原因は数日前の記事。当ブログにリンクしてもらっている「Bura Bura」のrogiさんは「ブラジャー」でアクセスしてくる人が多いと嘆いていたが、なぜかぼくは素直にうれしい。