盆休みが終わった。仕事だ。
5時半起床、朝から豆を焼き続ける。今日は10種類以上焼かねばならない。
豆を焼きながら、いつの間にか「およげ!たいやき君」を口ずさんでいる。サラリーマン時代からの変なクセだ。
焼き終わってコーヒーを飲む。選んだのはモルプレミアム。フルーティーで香ばしい。
あ、秋なんだな、と思った。
盆が過ぎると時の流れは一段と加速する。
あっという間に秋が通り抜け、クリスマスソングが流れ始める。

ESP

盆休み三日目。
今日で休みも終わり。とても悲しい。
最後の夜らしく、屋上でバーベキューをすることにした。
バーベキューなどというと聞こえはいいが、近所の地鶏屋で買った安い鳥刺し、スーパーで買った安い豚のバラ肉、冷蔵庫にいつまでもがんばってる余った野菜などを炭火であぶって食うだけのことである。
しかし、炭火で焼くと何でもうまくなるから不思議だ。
炭の燃え盛る七輪と材料を屋上のテーブルに置き、ビールを注ごうとしたところで大粒の雨が降り出した。
しかし、雨が降ったくらいで気落ちするぼくではない。すぐに作戦変更、屋内に七輪を持ち込み、バーベキューを続行することにした。
が、材料を屋内に運び込んだところで雨がピタリと止んだ。
というわけで、再び屋上で行うことになった。
乾杯を済ませ、いい気分で肉などを焼いていると、またもや雨。
しかし、数滴降っただけで止み、以降、二度と降ることは無かった。
この年になって少しは雨をコントロールできるようになったようだ。

馬の目

盆休み二日目。東京の義弟が来るとのことで、家にいた。
自分でたてたコーヒーを飲みながら、店のステンレス容器を洗う。
音楽とうまいコーヒーがあれば、単純な作業もけっこう楽しい。
義弟は昼前にやって来た。
昼食はわが家の家族4人と冷やしそうめんを囲んだ。
帰りの飛行機まで時間があるとのことで、映画を観ることになった。
観たのは数日前録画した「シービスケット」。
シービスケットとは、古き良き時代のアメリカに実在した競走馬の名前だ。
競馬場でのレースの模様は、カメラも良く、すばらしく迫力があった。
大きな画面とHiFiなオーディオがあるとかなり楽しめるはずだ。
思ったとおり、脇役ではあるが本物の騎手が出演していた。
体から滲み出るリアリティーが相手役の虚構を際立たせてしまう。
特に目の表情がいい、と思った。馬の目を思わせる。
長年、馬と付き合っていると、こういうやさしい目になるのかもしれない。
「映画って、いいですね」つぶやくように言って義弟は帰っていった。

エビ天

大掃除が終わると予定通り松元町の某ソバ屋に行った。
ここのソバに載ってるエビ天はとても大きく、揚げ立てでうまい。
というわけで、ぼくはエビ天ザルの大盛りを頼んだ。
ヨッパライ某は生ビールさえあればソバは何でもいいという感じでエビ天。
娘はエビ天おろしソバ、息子はエビ天ソバ大盛りを注文。
四人でテーブルを囲んでソバをすすっていると、パリーンという大きな音が店内に響いた。
となりのテーブルの誰かが茶碗か何か落としたのだった。
店内は一瞬にして静まり返り、緊張が走った。
その時、店にいたそれぞれの人はどんなことを思ったのだろう。
なぜかぼくの脳裏にはパリーンという破砕音のオシロ波形が浮かんでいた。

大掃除

明日から3日間、お店は休み。
でも、明日は店の大掃除をするので、体は仕事モードのままだ。
いつものパターンで工程を進めると、午前中に煙突掃除と棚の掃除が終わる。
昼飯は買ってきたホカベン。
機械の分解掃除や残りの作業が済すむころ、日が暮れ始める。
大掃除終了後は、いつものように松元IC近くの某ソバ屋に行く。
これが大体8時ころ。

赤とんぼ

あさってからお盆。
盆には物故者が帰ってくる。
赤とんぼに化けて帰ってくるという。
ほのぼのとしたいい話だ。
でも本当だったら困る。

男の世界

お盆が近づいてきた。
お盆にはお店の大掃除をする。
珈琲を焙煎する機械も分解し、ススを落とす。
プロ用の機械というのは、とても頑丈に作ってあるので重い。
それを、ヒイヒイ言いながら分解し、スクレーバーとブラシで掃除する。
数年前までは、機械の分解掃除と煙突掃除を一日で済ませていた。
しかし、去年から機械の分解掃除は先にやっている。
暇な時間に、部分ごとに少しずつ分解、掃除、組み立てを終わらせていくのだ。
煙突掃除は服が汚れるので一気に行う。
ねじ回しや、スパナといった工具を使うのだが、なかなか楽しい作業だ。
たぶん、女性には分からない世界だと思う。

みんなのうた

録画してあった、映画「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」を観た。
登場プレイヤーたちの中心年齢は90歳くらい。
すげぇ年寄りばっかりだ。しかし、へたすると、ぼくより若いかも。
同タイトルのCDはお店でも時々聞いているのだが、スペイン語なのでさっぱりわからなかった。
映画では曲が流れると日本語字幕が出る。とてもいい詩ばかりで、目からウロコが落ちる思いだった。
それはとても身近で具体的な内容。それをあの世が近くなった老人がのびのびと歌う。
彼らにとって大事なのはモノではなく、異性、友達、街、国、そして音楽。
思ったことをそのまま声に出して歌う。ただそれだけ。わざとらしさのない、風のような音楽だった。

老人と海

今日は朝から休み。久しぶりのカンペキな休みである。丸一日好きなように使える。
と、いうわけで南に向かって車を走らせた。
国民休暇村の階段状になった防波堤でぼんやり時を過ごす。
老人のように海を見つめていると、ずいぶん昔ここで花火をしたことを思い出した。
海に老人は付き物だが、花火と老人は結びつかない。あたりまえだが、あの時はもう帰って来ない。
昼ごはんは知覧の「そば道楽」で食べた。ぼくはなぜか「そば道場」と記憶していた。
251_1 帰り、ナフコでカキ氷機を購入。590円。
夕食後、小豆と練乳でさっそくかき氷を作った。
息子には「これは5,900円もしたんだから壊すなよ」と注意した。
すると「2,980円ぐらいじゃないの」と、正しそうな意見を言ったので、「ほう、よくわかったな」と褒めてやったらうれしそうだった。
ヨッパライ某にも「あんたは酒を飲んで炊事をするから、コレを洗うときは気をつけるように」
と、中のステンレスの刃を見せて注意した。

日曜日の朝

昨夜飲んだワインのせいで、なかなか起きれない。
8時前だというのにまだベッドの中。ぼくはまだ寝ていたい。
寝室のドアを開けると朝日が差し込む。
そう設計したので、天気のいい朝はそうなる。
ぼくより先に起きた人がドアを開け閉めするたびに、部屋が真昼のようになる。
開いたドアの方で人の声がした。「8時だよ」
ぼく専用の目覚ましは、人の声である。
そういうふうに人生を設計したつもりなので、そうなる。