1000話

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昨夜は具合が悪くて早く寝た。今朝はなかなか起きれなかった。ぼくは変な夢を見た。夢の中でぼくは20代だった。次々と友人夫婦に会う。くだらない話に花が咲く。彼らも若い。友人たちが口々に、
「君は今いくつなんだ?」
と尋ねる。
ぼくは
「29だ」
とこたえる。
そしてぼくは腕をまくり、友人たちに空手チョップを披露して見せる。
さて、こんなばかな記事を書いてるうちに、今回1000話を迎えてしまった。せっかくだから、すごい記事を書いて読者をビックリさせようと思ったが、やはり書けなかった。

メンソレターム

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仕事柄、毎日コーヒーカップを洗う。すると手が荒れる。特に冬場はキビシイ。なぜか今年は特にひどく荒れてしまった。ハンドクリームなど付けることはないのだけど、今年は2週間ほどお世話になった。メンソレータム。ぼくはずっとメンソレタームだと思っていた。

つくる楽しさ

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暑い夏、海水浴に行って泳ぎ疲れたとき、砂浜に寝転がって砂遊びをする。これがけっこうおもしろい。ハマる。砂山を作って、道路を作り、橋を作ってトンネルを掘る。このトンネルがヒジョーに難しい。山の両側から中心に向かって掘り進み、開通させる。その喜びは、やった人じゃないと分からない。なにもないところになにかを作り出すのって、ほんとにおもしろい。
写真は、某珈琲屋でやってる展示会の手作り粘土作品。
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ナルシスβ

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先週から新しいブレンドコーヒーを開発中なのである。名前はナルシス。深煎りなので、けっこう苦い。試作品を何名かのお客さんに飲んでいただいているが、ウマイと言う方もいれば、首をひねる方もいる。だが、人の評価など、どうでもいい。ぼくが飲んで、うまければ良い。それがナルシスなのだ。夕方、お客様の一群が去り、カップを洗っていると、荒々しい爆音が近づいてきて店の前で止まった。ドアが開き、やがて表れたのは常連のAMさんであった。
「嫁さんにバイクは止められているんだけど、買ってしまいましたよ」
危ないから、バイクだけはダメ、と言われているらしい。
kawasaki W3というバイクだそうだ。
「濃いのをいっぱい飲ませてください」
ぼくはナルシスβバージョンを作った。
「うまいですね、これ」
彼の好みははっきりしている。気に入らないときは何も言わない。
彼とぼくはカーキチなので、車やバイクの話題でひとしきり盛り上がった。ぼくらは車に対する考え方が、驚くほど一致している。コーヒーの好みも。

きな粉日和

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午前中、ぼくの車は遠い砂漠から飛んできた黄色い砂の中を走った。フロントガラスが黄色い粉で染まっていく。そのせいか知らないが、同乗者が途中寄ったスーパーで「そううつだものさんのところで紹介されていた、きな粉のお菓子を見つけた~♪」といって、奇妙なお菓子を買ってきたので、車を走らせながらそれを食べた。ぼくは思った。これをゴビ砂漠のみやげ物屋で売れば名物になるに違いない、と。ゴビせんべい、とか。昼はソバを食った。エビ天ソバ大盛りで1000円。食べながら思った。ソバに1000円払うのは、なんか変だ。1000円あればスシが食えるし。価値観の問題だろうけど。午後はヒョウの中を走った。フロントガラスに白い粒が当たってカチカチ音を立てた。なんだか今日は変な日だった。

はるがきた

はるがきた。ぼくを起こそう。
冬は終わった。
酒の準備をしよう。
北に、東に、南に、そして西に向かって、目覚めたぼくは乾杯する。
音楽を選ぼう、慎重に慎重に。
目覚めたぼくが、夏に向かって歩きだすため。

静かな土曜日

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お客様がいらっしゃるたびに、ぼくはこう言った。
「今日は妙に静かですね」
ほんとに静かなのだ。いったいどうしたんだろう。
ぼくは不思議だった。
お客様との会話が途切れるたび、音楽が終わるたびに室内がシーンとなる。
おかしい。何かが変だ。
いや、おかしいのはぼくかもしれない。
夕方、カウンターに座っているお客様が、腕を組んで寒そうにしているのに気づいた。ぼくはハッとした。暖房を入れ忘れていたのだ。店内が静かな理由はそれだった。
暖房のいらない一日は今年初めて。さすが、三月。

知らないことばかり

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人を知るのは難しい。油で炒めたチンゲンサイはおいしい。でも、どんな花が咲くのか知らない。そんなこと、どうでもいい。おいしければいいじゃないか。
ある日ぼくは店の屋上に上がった。チンゲンサイの花が風にゆれていた。ぼくが食べたチンゲンサイはここで生まれ、育ったのだ。ぼくはチンゲンサイを少し知った。
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ゆめのそら

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夢で見上げた空はうすい青で白い雲が浮かんでいる。風が吹いている。葉っぱも黄色い花も揺れている。ぼくはだれかを探していた。