ほのかに甘い匂いが風に運ばれ、あたりに漂う。
なんの匂い?
バナナの匂い。
それは、おとなりの庭に咲きはじめた、バナナツリー。
トロピカルな名前だけど、和名は「唐種招霊木(カラタネオガタマ)」という、なんだか拝みたくなるような厳めしい名前。この木の大木が開聞岳ふもとの「花と香りの店」のハーブ園にある。今頃きっと、甘い匂いを振りまいてるに違いない。今度の休み、行けたらいいな。
3年後のオレ
3年前の4月11日、このブログは誕生した。
読み返してみると、オレはずいぶん変わったよーな気がする。
3年後、オレはどう変わっているのだろう。
この世にいれば、の話だが。
走るヘッドライト
雨の日
アイスクリームな午後
ぼうけんは雨のち晴れだったのだ
ただいま、ぼうけんから帰ってまいりました。
今日はけっこう走ったなぁ。
というわけで、もう寝ます。
おやすみー[E:sleepy]
夜の公園をハシゴする怪しい影
火星は今日も曇りだった
気がついたらぼくはシャワーを浴びていた。そうだった、昨夜はKさんちで花見をしたのだ。ぼくはマタイ受難曲を聞きながら酒を飲んでいた。ぼくは何をしゃべっていたのだろう。あまりしゃべらなかったような気もする。ぼくは酒を飲みながら、第二次世界大戦前夜に録音されたというマタイ受難曲を聞いていた。家に帰ったぼくは階段を上り、ベッドに倒れた。気がつくとぼくはシャワーを浴びていた。窓の外は明るかった。でも曇っている。朝だった。ぼくはシャワーを浴びながら思った。火星は今日も曇っている。シャワーに打たれているとだんだん変な気分になってきた。今にも脱皮しそうだ。ぼくはシャワーを止め、脱皮するのを待っていたが、何も起きなかった。
ある日
裏門のプールの前でぼくは待っていた。そろそろ来る、と思ったとき、小学校の裏にある墓地の細い道を下ってくるものが見えた。木々の間から土煙が上がっている。墓地を下ってくる何かは、ぼくにとって、あまりよいものでない。ぼくは古い約束を憶えていた。逃げようとは思わなかった。やがて現われたのは、この世のものではなかった。それがぼくの前に立ったとき、あたりは急に暗くなった。思わず空を見たが、晴れ渡った空には雲ひとつなかった。目の前のそれは何をするでもなく巻き戻されるように進路を後退し始めた。ぼくはあとをついて歩き始めた。ランドセルを背負った子供たちが歩いて来る中を通り抜け、裏門を出た。学校は高い石の塀で囲まれていて、塀の外は薄暗い砂利道だった。砂利道を南に下りたところに背丈の二倍ほどの石積みの柱があり、風を集めてさびしい音を立てていた。そこを西に折れ、山に向かう細い道に入った。坂に沿って四角い石が並んでいる。石には文字が刻まれており、どれも古く小さく、傾いていていた。曲がりくねった道がまっすぐになり、あたりが開け、腐った花の臭いがする風が止んだ頃、ぼくは遠くに小高い丘があるのを見た。そこだけが周囲より明るく、宙に浮かんでいるように見えた。