師匠との対話

070808_01「あの海の写真、いいね」
うん、表面の細かいところまで写ってて、ぼくも気に入ってる。
「あのマスターの表情もいいね」
そう?
「気持ちが伝わってくる」
でも、あの顔、スケベそうだね。
「あはは」
ねえ、あの写真はどう?
「うーん」
やっぱりダメかな。
「うん」

大掃除開始

070807_01来週の月曜から水曜日までの三日間、お店は休みだ。いわゆるひとつの「盆休み」である。毎年、盆休みの第一日目は大掃除に充てている。コーヒー豆を焼く機械を分解し、煙突はブラシで掃除する。大掛かりな作業なので一日で済まない。へたをすると丸二日かかってしまう。たった三日間の夏休みが二日になり、一日になり、最悪パァになる。それはある晴れた日に小さな恋を失うのと同じくらい悲しい。そこで今日みたいなヒマな日は、接客の合間を見ながら拭き掃除などの軽作業を済ませていく。あくまで接客の合間、なのだが、いらっしゃるお客様によっては拭き掃除をしながらの接客になる。

特殊相対性理論

070805_01ぼくはイスにすわって本を読んでいる。店にはだれもいない。だれのためにでもないピアノが流れていて、ぼくは変化が起こるのを待っている。それはたとえば、さきほどお客様がくださったコニャック入り手作りの生チョコが、ぼくのためにすばらしくおいしく変化する、といった類だ。もちろん、生チョコの味が変化するわけではない。ぼく自身が変わるということ。ぼくが変われば生チョコも変わる。生チョコが変わっても世界は変わらない。

夏祭りの頃

070804_02土曜日は仕事なのだけど、平日と違って、なんだかうれしい。気分は半ば、休みモードなのだ。豆を焼き終わって外の空気を吸うために駐車場に出ると、空の高いところで太陽が一人ギンギンにがんばって輝いている。ぼくは雲の写真を撮るのが好きなので、いい雲は出てないかな、と、ぐるりと空を見まわしたが、どれもイマイチであった。とりあえず店のビルの写真を一枚撮った。写真左に写っているステンレスの太いパイプが当店の煙突である。12月24日の深夜、サンタクロースはここから進入する。070804_01店に戻るとすぐに、お客様が次々にいらっしゃった。お客様でにぎわった店が静かになりはじめたころ、常連のAさんがいらっしゃった。彼女はいつも遠いところから1時間以上かけてコーヒー豆を買いにやってくる。休みの日しか来れないので、たくさん買っていく。今日は港祭りがあるそうで、道路が混雑する前に急いで帰るのだという。彼女を紹介してくれたお客様は、目の澄んだエキゾチックな美人だったが、一年前に結婚して以来、店に来ない。
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Aさん、見てるけ~
ケータイからだと、写真は見れないみたいだよ
パソコンで見てね~

こんな日

070802_01南の海からUSAGIがやってくる。地球はおもしろいね。宇宙のまん中にあって、いつもスポットに照らされている。ぼくは1億5000万キロの彼方から白く渦巻く雲を突き抜けてきた光で、くらい本を読んでいる。

August_47月は終わる。
そして8月がはじまる。
8月のために7月はある。
夏の旅はまだ続く。

まだらの紐

070728_01夏になると決まって読みたくなる本がある。
それは「シャーロック・ホームズの冒険」
何度読んでも飽きないから不思議。
「まだらの紐」とか。
暑い夜に読むとナカナカいいんだよね。

36度の日々

070727_01_2暑い夏は暑い。
あたりまえだ。
店のクーラーは27度に設定している。27度だって、けっこう暑いのだけど、なにせ外が36度もあるので、店の中は北極のように涼しい。ような気がする。そんな暑い午後3時、常連のTさんがやってきた。ハワイにでも行ってきたのか、ずいぶん焼けている。
「どこでそんなに焼けたの?」
ぼくはまじめな顔で聞いた。
「グランド」
彼女は言った。
070727_03_2
「ワイルドに焼けてるね。記念に写真とってやろうか?」
「うん」
というわけで、ぼくは何枚か写真を撮った。
ウェブにのせてもいい?
「いいよ」
最近、字を書くのが億劫だ。
だから写真でスペースを埋めている。
そんなわけで、写真だらけのブログはしばらく続く。かもしれない。