ムーミン谷の雪は融け始めただろうか。暑い夏は疲れる。そして寒い冬はもっと疲れる。久しぶりに某温泉に行ってみた。湯船に浸かり、ぼんやり空を眺める。空はとっても青かった。
Because the sky is blue, it makes me cry.
Because the sky is blue.港の某旅館で昼食。カツオのたたきとエビフライを注文
植物園のベンチでホカ弁を食べよう、とヨッパライ某が提案したのだったが、寒かったらツライと思った。でも、行ってみるとベンチは暖かかった
実の生っている木を見ると無性に蹴りたくなる。しかし、この木の幹には鬼の金棒みたいに鋭いとげがびっしり生えている。いやな木だ
岡林信康のあの歌。とても暗い。それを思い出すぼくも暗い
川端康成の桜が咲き始めていた
だんだん好きになってきた花
池は寒かった
変な夢からやっと目覚め、ふとんから頭を出すと時計は9時を指していた。カーテンを引くと夢のつづきのような暗い空が墨絵のように渦を巻いていた
車は雨の中を北に向かった。北は寒い。しかも冬。ムーミンもきっと冬眠中だろう。寒い中を遊ぶときは寒い気分で遊ぶ。シューベルトの冬の旅の主人公のように。無理に暖かい気分になろうとするとあとで反動が来るのだ
何も考えずに車を運転していたら山の頂に座した火山湖にたどり着いた。湖の上空は青空が広がっていたが、冷たい北風が吹いていた
何も考えずに運転していたつもりだったが、本当は違った。今朝、なんとなく梅の花が見たくなり、この湖畔に梅が植えてあったのを思い出したのだった。梅は咲いていた。だが、一輪だけだった
歩いている人は一人もいなかった。冷たい風が吹いているだけ
目に映る景色も寒いものばかり
落羽松
ミモザはまだだった
北北西に進路をとってみた
今年最初の定休日。このまえ南に走ったので、今日は北に向かった
昼食は最近オープンしたという、なんとかマグロ館で一番安かったマグロ丼にした
さらに北に走っていくと「ちかび展示館、入場無料」という案内板が目に止まった。ちかびとはなんなのか、案内板には何の説明もない。でも、タダだから行ってみることにした。なぜか入り口で署名を求められる。中に入ると科学館によくありそうな模型が並んでいたが、なんといっても展示室の一番奥に設けられた、サンダーバード秘密基地を髣髴する豪快な展示スペースに目を瞠った。これでタダとは安すぎると思った。かも
さらに走っていくと、砂浜があった。砂浜を見ると歩きたくなるという病気なので、さっそく歩いてみた
なかなかいい砂浜だった
帰りに、前から一度行ってみようと思っていた、今はなき南薩鉄道の某駅跡にある、給水塔を見に行った。手前に見えるのは線路の枕木
給水塔と、それに続くプラットホーム
給水用の蛇口
A LONG VACATION 5日目
ブルーグレイ
だれもいない海
梅干がなくなったので、山の向こうの道の駅みたいなところに買いに行った。ヨッパライ某が買い物をしている間に、近くの小学校あとに写真を撮りに行った。
どこで昼ごはんを食べるか迷ったが、結局いつもの漁港近くの店に行った。ぼくは安い方の寿司、ヨッパライ某は日替わり定食のカンパチのみぞれ煮、というのにした。このみぞれ煮が予想外にうまく、ぼくもそれにすればよかったと後悔した。
海沿いのくねくね道を走り続けた。ぼくはくねくね道がとても好きだ。
くねくね道を海に下り、あの海辺のレストランに行った。今日はコーヒーを持ってこなかったので、ここでコーヒータイム。
入ってみると例によってだれもいなかった。勝手にあがって海側のデッキでくつろいでいると、店の中で物音がした。
コーヒーをたのんだら手製の石釜で焼いたチーズパンをくれた。ヨッパライ某が年を聞くと、75歳だという。ぼくは信じなかったが本当かもしれない。
いま、法面を開墾してマンゴーやらなんやら植えているらしい。いつになったら食べさせてもらえるのだろう。
フツーの人だったらやらんでしょう。というと、フツーの人はやらんだろうね、と笑った
だれもいなかった。
AND WINTER CAME
ぼくの車は南に向かって走っていた。雨が降っていたが、気にならなかった。海に向かうため右折しようとすると、あたりにコスモスが咲いていた。
家を出るときヨッパライ某が、はい、おこづかい、と言って2000円くれたので、ぼくはそれでエビ定食を食べようと思った。2000円にぎって漁港近くの食堂に入ると、「本日の日替、カンパチのあら炊き630円」となっていたので、2分くらい悩んだあげく、それにした。これが実にうまかったので、思わずご飯のお代わりをした。
海に面した美術館の屋上で、ポットのコーヒーを飲んでいると、冷たい風が吹きはじめ、激しい雨になった。
美術館を後にし、海沿いのカーブを走っていると、いつのまにか雲は流れ去って太陽が照ってきた。
いつもの変なレストランはあいかわらずそこにあったが、看板がかっこよくなっていた。
今日はコーヒーを持参していたので、店には入らなかった。道路から店をうかがうと、マスターがなにやら忙しそうに歩き回っていた。見つかるとまずいと思い、音を立てないように車に戻った。