アンプが壊れたので、交換してもらった。
このアンプには、スピーカーコードが7本つないである。
これを全部はずし、アンプを取り替えてつなぎ直す。
オーディオに興味のない人には関心のないことだと思うんだけど、一般にスピーカーコードは太い方が音がいいことになっている。
ぼくが使ってるコードもけっこう太いので、結線はかなり難儀した。
ところで、このスピーカーコード、良い物になると、1メートルあたり10万円もする。
もちろん、1メートル20円で売ってる電気コードでもまったく問題はない。
そう、問題はないのだが。
たぶん、女性には理解できない世界だと思う。
ヌル
彼女の声は耳元でささやいているようであり、はるか遠くから聞こえてくるようでもあった。
なぜそう聞こえたのか不思議だったので、夜遅くまで考えていた。彼女と会うのは久しぶりだ。
交わした言葉は極めて少なかったが、それでじゅうぶんだった。
言葉は心の深いところに沈んでいる。突然、その距離と時間がなくなることがある。
そのむかし、FMチューナーにはヌルメーターというものが備わっていた。
ヌルとはゼロのことで、拮抗する二つの力が等価になった時、メーターはゼロをさす。
この世には同じ人はいないが、ある種同等の力を持つもの同士が向かい合うとき、ゼロの場が生まれるのかもしれない。
魚肉ソーセージ
差入れに魚肉ソーセージの束をもらった。ありそうでなさそな意表を突く差入れ。魚肉ソーセージを手にするのは何十年ぶりだろう。ちょうど腹が減っていたので、端を閉じている針金の輪を歯で食いちぎり、中身をひねり出して食べた。懐かしい味だった。子供の頃は遊び場が山の奥や人気のない海岸だったので、魚肉ソーセージは手軽な携行食として重宝だった。ふと思った。今の子供は何を食って遊んでるのだろう。魚肉ソーセージじゃないよね。
明るい農村
今日から早く起きることにした。
あまり大きな声で言えないのだけど、普段は8時に起きている。
サラリーマンだった頃は、5時半には起きていた。
今朝は7時に起きたんだけど、ずいぶん気分が違う。
早起きはいいですね。目標6時。
ここにいらっしゃる方は何時頃起きてるんだろう。夜更かししてる人が多そうだけど。
エニグマ
ぼくは長い時間鹿児島に住んでいる。鹿児島についてはけっこう知っているはずなのだが。
今朝いらした年配のお客さんが、「へっがでた」とおっしゃる。
え、屁が?
違うのだった。肩から背中にかけて痛い、ということらしい。
例えば「びんたがいて」というのは割と訳しやすい。「びんた」は頭で、「いて」は痛いだ。しかし、「へっがでた」を「背中が痛い」に変換するのは容易ではない。しかも「へがでた」と誤訳させる罠まで仕掛けてある。これはまさに暗号。本当かどうか知らないが、鹿児島の言葉は故意に暗号化されているという。
古いラジオ
コバルトの季節の中で
朝、窓を開けると恐ろしく晴れていた。今日は休み。どこに行こうか。
そういえば昨夜、掲示板に「○○高原に行ったよ~ん」と、だれか書き込んでたなー。
考えるのがめんど臭かったので、コスモスで有名なそこに行くことにした。
ずいぶん昔、一度だけ行ったことがある。そのときぼくは「二度とここに来ることはないだろう」と思った。
そして今日、また来てしまった。300円払ってゲートをくぐる。やっぱり…あの時と同じだ。
とりあえずコスモスの横に座り、持参した珈琲を飲んだ。滞在時間10分。ぼくは狐につままれたような気分だった。不思議でならない。何でここに人が集まるのか。ただの広場じゃないか。
ぼくらはそそくさと次の目的地に移動した。
高千穂岳のふもとにひっそりと佇む御池。その神秘的な色を湛えた湖面にぼくはボートを漕ぎ出した。
二人乗り手漕ぎボートでのタイムトライアル。対岸まで約800m、何分で渡れるか。昨年10月にトライアルしたときは12分45秒だった。
タイムは…
13分40秒。ガ~~ン!
日曜日の朝
「この夏は、なんだか辛かったな」
「え?私もそうだったよ。これって天気のせいかな。それとも火星大接近のせいかな」
「わたしの周りの人も、辛いって言ってる人、多かったな」 …
今日は第三日曜日で休み。
ベッドから起きてメールチェックを済ませ、たまには、と、メールボックスの大掃除を始めた。
いろんなメルマガをとっているが、どれもおもしろくない。波長が合わない。
じゃんじゃん削除していく。
田口ランディのメールボックスの番になった。古いメルマガがたくさんたまっている。
これだけは、いつまでたっても、どうしても削除できずにいる。
彼女のメルマガは1年半前に廃刊になってしまった。
ぼくは身近な友人をなくしてしまったような気がした。
冒頭は、たまたま開いた二年前の彼女のメルマガの一節。
電話の声
このブログは鹿児島のプロバイダ、シナプスというところが運営、管理している。夜の9時頃、ブログのことで解らない点があったので、サポートにメールした。
その30分後、シナプスから電話が来た。「夜分にすみません…」と。
若いおにいちゃんの声。鹿児島弁じゃなかったけど、どことなくローカルな感じが出ててイイ。
メールは便利だけど万能じゃない。必要に応じて電話を使うデジアナ混在のハイブリッドな対応。ぼかぁ~好きだな、こういうの。
電話が疎ましく感じられることは多々あるけれど、人恋しい秋の夜、サポートの声が暖かく感じられた。
元気な人
Mさんは、いつも元気だ。
当店で売ってるハーブの入った塩は彼女から仕入れている。
彼女は多分、ぼくより10年は長く生きている。ようにみえる。
一昨年だったか、ご主人の退職記念に派手な配色のミニクーパーを購入した。
それを駆って、今日も霧島のふもとから思い切りぶっ飛ばしてやってくる。ような気がする。
ぼくは彼女から塩を買い、彼女はぼくから豆を買っていく。
自分用に1キロ、霧島で茶碗を焼いてるT子さんに1キロ。
ぼくは彼女から元気をもらえる。彼女と話すと元気になる。
ぼくもそういう人になりたい、と、いつも思うが、すぐに忘れていつものぼくになる。