曇り空が何日も続くと、カラータイマーが赤になったウルトラマンのような気分になる。ウルトラマンは気ままにM78星雲に戻るが、ぼくらは地上の人なので待つしかない。午後から晴れるという、ハズレてばかりの天気予報を信じて南薩へ出かけた。ふいに指宿スカイライン沿線上にある「記念すべき場所」へ行ってみよう、ということになり、有料道路に入った。記念すべき場所とは、千貫平PAのことである。なにが記念なのかというと、10年前、ぼくはここのがけを上っていて、つかんだ岩もろとも高所から落下したのである。家族とソーメン流しに行く途中だった。家人たちには「かすり傷だ」と言って、そのままソーメン流しに行ったのだが、指が動かず、ソーメンがつかめない。変だな、と思いつつ、帰路につこうとしたら、車のクラッチが踏めない。おかしいなと思いつつ帰宅し、ケガをしたところにオロナインを塗りこんで就寝。翌朝、手と足が痛くて目が覚めた。しかたなく行きつけの整形外科へ行くと、いきなり院長に「おまえはバカか」といわれた。手の指と足を骨折していたのだ。即入院。40日間不自由な生活を強いられるハメになったのだった。友人たちは大いに喜び、ラジオに「こんなバカがいます」と投稿、それが採用されて放送局から黄色いTシャツが送られてきた。なべて友人とはこういうものである。話がそれてしまったが、天気予報もたまには当たる。午後から気持ちよく晴れてきた。フラワーパークも、きっと人出が多いだろうと心配したが、行ってみると大変少なかった。園内の陽だまりでポットに詰めたコーヒーをのんびり飲んだ。太陽が暖かかった。ぼくの太陽電池はどんどん充電されていった。ぼくにとって、お日様がどれだけ大切なものか、今日は身に沁みてよくわかった。感謝。
写真は今日の夕日です。
元旦
新しい年になった。
といっても、いつもと変わらない。ただ、腹の調子が悪く、頭も痛い。何をしていたのかよく思い出せない。午前中はコーヒーを飲みながらぼんやりしてた。午後から夜にかけては、音楽を聴いたり映画を観たり。
正月らしい充実した一日だったと思う。
大晦日
昨日のお店に引き続き、今日は家の大掃除。
ぼくはまず台所の換気扇に着手した。
わが家の換気扇は、一般的なプロペラが回るタイプじゃない。
特殊なファンの前面に、油を吸着するための金属フィルターが3枚並んでいる。これに油がガムのようにへばりつき、一般のレンジ用洗剤ではビクともしない。
そこで、プロ用の洗剤を使う。50度の湯で割った、怪しく揺らめく青い液体に、油まみれのフィルター静かに浸す。待つこと2時間。
見事に落ちる。こする必要などまったくない。アッパレである。
この洗剤に出会うまで、ぼくは半日をこのフィルター掃除に費やしていたのだ。うっかりしてると人生はこのように消耗していく。
次にぼくは風呂場の掃除を始めた。壁のタイルに洗剤を吹き付けながらタワシでこする。跳ね返った洗剤が服につくので、寒い中、パンツいっちょで作業を続けた。これがよくなかった。
夕食に殻つきのカキを蒸したのとナマガキが出た。カキは大好物なのだが、ぼくは3回に1度の割合で当たる。今日は当たる可能性が高い。先ほどの風呂掃除で風邪をひきかけていたのだ。しかし、すでに手が勝手に動いてカキはぼくの口に運ばれつつあった。30分もしないうちに強い寒けと吐き気がぼくを襲った。ぼくは布団にくるまり、病魔が過ぎ去るのをじっと待っていた。
気をつけなくちゃ
夜遅くまで映画を観てた。
サウンドオブミュージックと、ディープブルー。
ディープブルーは初めて観たんだけど、ぼくはネイチャーものが好きなのでおもしろかった。サウンドオブミュージックは、あるシーンだけ観たくなって観始めたら、結局全部見てしまった。映画を観終わって部屋から出ると、シーンとしている。みんな寝てしまったのだった。いつものくせで寝る前に冷蔵庫を開ける。雪崩を起こしそうなくらい、食い物が詰め込んである。いつもの3倍はある。そうだ、正月がやってくるのだ。
正月は要注意だ。3~4キロはあっという間に増える。体重の話だ。特に煮豆が危ない。大きな鍋で作るのだけど、ほとんど全部ぼくが食べる。ぼく以外の連中はあまり食べないのだ。みなさんも十分お気をつけください。
特にダレとはいいませんが。
仕事納め
明日から約一週間休み。
日本は寒いので、明日からアフリカに出かけることにした。
という人もいるかもしれないが、ぼくはやはり日本に留まるつもりだ。
何をしようか。
「お正月は何をするんですか」
今日は、お客さんがいらっしゃるたびに聞いてみた。
圧倒的に多かった答えは、「家でごろごろする」
であった。
しかし家でごろごろするのも案外疲れるものである。
そこでぼくは提案したい。
まず、コタツを準備する。持ってない人は買う。5000円くらいで売っている。
次に、トランプとミカンを準備する。持ってない人は買う。
子供やヒマそうな人を集め、トランプを開始。
1ゲームにつき、百円賭ける。お金持ちは1000円賭けてもよい。
金のない者同士でやる場合は、負けた人にシッペをかます。
いかさまの得意な人は子供らを相手に賭場を張り、お年玉を巻き上げるのも一興。子供には正月の懐かしい思い出になるだろう。
ところで、5000円で買ったコタツは夏場はちゃぶ台として使えるので重宝する。子供になめられてる親は、時々これを夕飯もろとも思い切りひっくり返すと尊敬されるかもしれない。
上を向いて歩こう
今朝、ゴミを出しに外に出たら、空一面に見事なウロコ雲。ウロコ雲って、冬だったっけ?それにしてもきれいだったなぁ。ぼくと同じように空を見上げた方も多かったようで、春さんは写真に撮ってらっしゃった。
ぼくも撮ればよかったなぁ。
ウヒヒヒ
年末のある一日
その日は毎年、必ず一回やってくる。
そしてその日が今日だった。
ぼくは、その日を特別に「年賀状を作る日」と、呼んでいる。
あまりおおっぴらに言わないほうがいいのだが、「苦痛の一日」である。
ぎりぎりにならないと、なにもしない、という性格が災いしている。
とにかく、はじめることにする。
まず年賀はがきを買ってくる。
いつものプリンターのほかに、もう一台プリンターを出して、机に置いて並べてみる。
プリンターのホコリを、きれいに拭いたりする。
なんとなく半分以上終わったような気分になるから不思議だ。
図書館に行っただけで、勉強をしたような気になる、あれと同じだ。
はがき裏の図案を考える。ずっと考える。
いらない紙の裏にいろいろ書いてみる。
だめだ、いいアイデアが浮かばない。
部屋を変えて同じことをする。浮かばない。
それでも考える。考える。考えた!だめだ。
コーヒーを淹れる。考える。浮かばない。
時は流れる。もう夕方だ。少し浮かんできた。いけるか。
えーい、これでいけ!
パソコンに向かってレイアウト開始。
よーし、なかなかいいぞ。
二台のプリンターを使ってプリント開始。
あーっ、もう夜の11時じゃん。終わらない。ひどい一日だ。
終わったのは午前1時でした。
万歳!
心配無用
何をバカなことやってるんだろう。と、思うことはしょっちゅうだ。
自分で思うだけならまだ手の打ちようがある。
しかし、すでに人からもそう思われていることは、ほぼ確実だ。
たとえば、これなんかもそうだ。またこんなことを書いている。
書くだけならいいが、ネット上に広げている。
発表の場を持ちたいという欲求が強いのだ。
いわゆる自己顕示欲というやつである。
実は、だれだってバカなことをやる。
これを読んでるあなただってそうだ。
なぜならバカでないこと、という普遍性を持った基準なんてないのだ。
ある達人に「バカのフリをしてるほうが人生楽だぞ」と教わった。
いうまでもない。心配無用。
年末突入
買いだめのお客さんが急に増えはじめた。いつもの2~3倍買っていかれる。人気のあるコーヒー豆は、お昼には売切れてしまった。年の瀬なんだなぁ。明日からは、かなり多めに焼いておかなくては。というわけで、毎年のことだが、うちの店は年末にかけて急にいそがしくなる。こういう忙しい時期に、のんびり遊びに出かけるやつもいる。
「よう、オヤジが死んだくらいで電話なんかするなよなー」
といって、妹夫婦はハワイに飛んでいった。