夕焼けの海。赤紫の空に向かってヤシが大きな葉っぱを広げている。どこか南の島かもしれない。この壁紙、windowsに入ってたのをそのまま使ってます。なんにも張ってない人って、いるのかしら。
スコップ
また変なこと書いてると思われても仕方がない。
ぼくは穴を掘るのがとてもうまい。
わざわざ日記にこんなことを書く理由は、備忘として残しておこうと思ったためである。忘れかけていたのだ。「ぼくは穴を掘るのが好きで、とても上手かった」ことを。
そうだ、ぼくは長いこと穴を掘ってない。
智恵子は東京には空がないという。しかし、地面だってほとんど見あたらない。たとえ小さな地面を見つけても、穴を掘ると不審者として通報される。小学生だった頃、ぼくの宝物はスコップだった。日曜日は日の出を待って、スコップとロープを持って山に出かけた。地面に穴を掘って、地下秘密基地を作るためだった。その高い技術は後にアルバイトで確認された。土木工事の現場監督に絶賛されたのである。ストラディバリが演奏者を操るように、ぼくはスコップの傀儡となって無心に穴を掘った。別の言い方をすれば、穴を掘ることでぼくは無心になれた。ここまで書いて思い当たった。地面に限らない。「すべての山を登れ」と、某修道院長が歌ったように、今もぼくはいたるところに穴を掘り続けている。
松竹梅
常連の奥様との会話。
今年の抱負から始まった話がこんな風になった。
「ところであなた、松竹梅の意味、ご存知?」
「知りません」
「嫁ぐ時の心構えなんですよ、松はね、根を横に広げてしっかり張る」
「なるほど」
「竹は、節目節目を大切にする」
「なんとなくわかります」
「梅は冬をじっと耐え、だれよりも早く目覚めて花を咲かす。太陽のように家庭を明るく照らすんです」
「女の人って大変ですね、楽しいことなんかなさそう。男でよかったな」
「そう。ところであなた、熟年離婚って、ご存知?」
今日もまた話は変なほうに向かっていく。
ウサギの穴
わが家は街から外れているので、休日の朝はとても静かだ。この自然な静けさを楽しんでいると、近所から掃除機の爆音が響いてくる。音源は水をフィルターにしたアメリカ製クリーナー。20万近くする弩級掃除機だ。車でいえばV8エンジン搭載のキャデラック。男がフェラリの排気音にシビレるように、主婦たちも舶来クリーナーの爆音にシビレている。のかもしれない。
ところで、掃除機は壁のコンセントから100Vをもらって作動する。コンセントは、穴が二つ開いているだけの単純明快な装置。しかし、これはアリスの世界に通じる不思議の穴なのである。この穴をちょっといじるだけで、爆音掃除機が俄かにオルフェウスの竪琴よろしく天上の音楽を奏でるようになる。というのは冗談であるが、このコンセント、オーディオの世界では深い謎を秘めた枢要な装置であることは今や常識。というわけで、ドライブに行けなかった今日、ぼくはコンセントの改造を始めた。もちろん、音楽を美しく聴くためであって、掃除機はマッタク関係ない。オーディオ専用に配線してあるので専用ブレーカーを落とすだけで工事に臨める。小1時間で作業終了。驚くべき音の変化だった。一般に、思い込みによって音は美しくなる。これを偽薬効果(プラシーボ)という。
さて、夜が来た。いつものように映画を鑑賞することにする。耳を頼りにアンプのボリュームを一番快適なところにセット。ここで、改造結果がプラシーボ効果でなかったことを目で確認。ボリューム位置がいつもより5db上がっている。これは音量を上げてもうるさくないということ。簡単に言うと、音が良くなっている。
うるさい装置にお悩みの殿方、アナの掃除を試してみては。
初ピーマンデー
あしたは休みだ、うれしいな~っ!
そう、わが店の定休日は月曜日。
しかし今夜は、いつもより21%ほど、喜びが薄い。
なぜか。
答え 明日が祭日だから。
ふつう、日曜日の夜、ぼくの顔は自然と緩む。
「サラリーマン諸君、テレビなんか見てないで早く寝たまえ、明日は仕事だぜ、いひひ」
ささやかな優越感に浸っているのだった。暗い…
平日は、どこに出かけても人出が少ない。
例えば当ブログでも話題になった、人気の某温泉だって空いている。
ああ、それなのに。
もし明日が祭日でなかったら、この温泉に行っただろう。
そういえば、友達夫婦も嘆いていたっけ。
「これまで体育の日が結婚記念日だったのに」
月曜日に祭日を移行するなんて、ピーマンの考えそうなことだ。
エーゲ海に行こう
「日本のエーゲ海たー、ちぃーとふうがわりーのー」という題のついた某雑誌記事の写真に目が張りついた。それは瀬戸内海に面した、とある町へシャコとワタリガニを食べに行こう、という話なのである。見よ、皿に盛られたグロテスクな生物を。知らない方もいるかもしれないが、これは川の土手などに生息して草の根などを食し、人の目に触れることなく細々と暮らすつましい虫、「オケラ」である。というのはウソで、シャコである。しかしよく似ているな。
いつかはエーゲ海に行きたい。できたら、村上春樹がそうしたように、エーゲ海の小さな島に渡り住んで、春夏秋冬を味わいたい、と、しばしばぼくは夢想にふけっている。しかし、果たしてその日がくるかどうか不明だ。そこで今年の予定であるが、この瀬戸内海に面した、とある町へシャコとワタリガニを食べに行こう、と思うのである。ぼくはいつでも小さな幸せが好きだ。
くすり
眠れない夜が二日続いた。
一昨日は3時間も寝ていない。昨夜は4時間。
そのせいか、今朝は頭痛、腹痛、耳鳴り、目の痛み、口内炎のオンパレード。しかし、ぼくはめったなことでは薬を飲まない。病院に行くなど、もっての外。
昨日、お客様から、パンやクッキーを頂いた。
どちらも手作り。
ぼくの薬はこれである。手作りのパンやお菓子。
作った人の顔を思い浮かべ、作っている風景を想像しながら食べる。
これが効く。本当に効くんだから。
スタート
今日から仕事なのだった。
起床5時。30分後に家を出た。外は真っ暗。冬の5時半がこんなに暗いとは。点滅している信号を次々に走り抜け、店に着いたのが6時。昨夜は12時に床に就いたものの、なかなか寝付けず、ほとんど眠れないまま朝を迎えた。一週間続いた不規則な生活パターンのせいだ。やれやれ。ドアを開ける。店内の空気は年末のまま。まっさきに機械に火を入れ、ウォームアップ開始。いつでも先に目覚めるのは機械。ぼくはそれを眺めながら集中力を上げていく。今年最初に焼いた豆はキリマンジャロ。15種類の珈琲豆を焼き終えたのが11時。
2006年、珈琲豆の販売開始だ。
Pavlov’s Dog
器用なオレ
今日は「正月休みの間に絶対しなくちゃならんリスト」から、2番目に優先されている項目をクリアすることにした。
その項目とは、昨年秋の台風によって吹き飛んだベランダの天井板の補修工事である。はがれた天井板の残骸をスクレーバーで、きれいに剥がしとり、必要な板のサイズを求め、東開町のしもんそマルヒラに走る。パーフェクトだ。無駄のない計画によって、最短時間で作業は終了。オレって、何でもやるよなぁ。器用貧乏とは、オレのためにあるような言葉だ。