録画してあった、映画「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」を観た。
登場プレイヤーたちの中心年齢は90歳くらい。
すげぇ年寄りばっかりだ。しかし、へたすると、ぼくより若いかも。
同タイトルのCDはお店でも時々聞いているのだが、スペイン語なのでさっぱりわからなかった。
映画では曲が流れると日本語字幕が出る。とてもいい詩ばかりで、目からウロコが落ちる思いだった。
それはとても身近で具体的な内容。それをあの世が近くなった老人がのびのびと歌う。
彼らにとって大事なのはモノではなく、異性、友達、街、国、そして音楽。
思ったことをそのまま声に出して歌う。ただそれだけ。わざとらしさのない、風のような音楽だった。
老人と海
今日は朝から休み。久しぶりのカンペキな休みである。丸一日好きなように使える。
と、いうわけで南に向かって車を走らせた。
国民休暇村の階段状になった防波堤でぼんやり時を過ごす。
老人のように海を見つめていると、ずいぶん昔ここで花火をしたことを思い出した。
海に老人は付き物だが、花火と老人は結びつかない。あたりまえだが、あの時はもう帰って来ない。
昼ごはんは知覧の「そば道楽」で食べた。ぼくはなぜか「そば道場」と記憶していた。 帰り、ナフコでカキ氷機を購入。590円。
夕食後、小豆と練乳でさっそくかき氷を作った。
息子には「これは5,900円もしたんだから壊すなよ」と注意した。
すると「2,980円ぐらいじゃないの」と、正しそうな意見を言ったので、「ほう、よくわかったな」と褒めてやったらうれしそうだった。
ヨッパライ某にも「あんたは酒を飲んで炊事をするから、コレを洗うときは気をつけるように」
と、中のステンレスの刃を見せて注意した。
日曜日の朝
昨夜飲んだワインのせいで、なかなか起きれない。
8時前だというのにまだベッドの中。ぼくはまだ寝ていたい。
寝室のドアを開けると朝日が差し込む。
そう設計したので、天気のいい朝はそうなる。
ぼくより先に起きた人がドアを開け閉めするたびに、部屋が真昼のようになる。
開いたドアの方で人の声がした。「8時だよ」
ぼく専用の目覚ましは、人の声である。
そういうふうに人生を設計したつもりなので、そうなる。
海日和
午前中は忙しかったが、午後からは猛烈にヒマだった。
あのひと、このひと、そのひと、某新聞社の取材、ポツリ、ポツリ、ポツリ…
数えることができるくらいの人数であった。
外はとってもいいお天気なのだった。ぼくが休みだったら吹上浜で泳いでいるだろう。
つまり、健全な老若男女達はカーステレオにチューブのCDを突っ込んで海に出かけたのである。
スローなブギにしてくれ
もうすぐお盆だ。
夏も終わりが近い。
ぼくの中では始まったばかりの夏なのに。
なんでこんなに時が過ぎるのが早いのだろう。
もう少しスピードを落としてくれないだろうか。
トリップ
家に帰り、屋上に上がって杏仁豆腐にウォッカを入れて食っていた。
変だ。何かがおかしい。不安だ。
日はとっくに落ちて、暗い空をちぎれ雲が流れている。
いつもなら西から東に流れる雲が今日は逆に流れているのだった。
不安の原因はそれだった。
ビデオを逆回しに見ているような感じ。
時間が逆に流れ出したと思った。
おうちに帰ろう
今日はスムースに店じまいが出来たので、早く帰ることが出来た。
黄昏時の道路はどこか非日常的なムードに包まれている。
子供が歩いているが、暗くてその表情は読み取れない。
切絵がうごいているような錯覚を覚える。
家に帰りつく数キロ前にトンネルがあり、そこを抜けると急に気温が下がる。
緩やかな坂を下り、そしてのぼる。やがて幕が上がるように西の空が開ける。
ぼくは宵の明星に向かってアクセルを踏み込んだ。
進ぬ!虫老年
夕食を終えて時計を見ると9時40分になろうとしていた。
今から映画を観るとなると準備を含め、終了するのは0時をまわったころだ。
というわけで、家族で映画を観るのはやめにした。
映画以外にも録画したものはたくさんある。ぼくは一人でプロジェクターの前に座った。録画した中から某国営放送の「マレーシアの巨大昆虫」というのチョイス。長崎に住んでるナントカと言う虫好きのオッサンが現地のガイドとともに森林奥深く分け入っていく。
出た。まずは巨大ナナフシの登場。でかい!30cm物差しくらいの大きさだ。オッサンはその化け物のような虫を顔に這わせて喜色満面である。体中に鋭いトゲのあるナナフシもいる。見るからにアブナイいでたちだ。さすがのオッサンも触らないだろうと思ったら、むんずとつかんだ。いててて!オッサンは飛び上がった。アリも出た。やはり巨大である。おっさんは臆することなくつまみ上げる。が、当然のように噛まれ、いててて、と叫ぶ。カメラがズームアップすると指から血が出ている。
オッサンはさらに森林の奥へと進んでいく。
先生の逆襲
今日は休みだったが、3時半から高2の息子の三者面談があるとのことで、休み気分に浸るわけにはいかなかった。
いつもなら海に向かってひたすら走っている時間、ぼくは天文館の本屋とレコード屋をぶらついていた。
本屋ではしばらく立ち読みし、雑誌を買った。レコード屋ではボサノバのCDを買うつもりが、そばにあったスチールドラムのCDに目が移り、そのまた横のslack key guitarというCDに目が行ってそれを買った。
どこか見晴らしのいいところでアイスクリームを食べたくなったので城山の展望台に上がり、100円のモナカを買って食べた。3時半が近づいた。三者面談は校内の図書館で行われた。順番を待つ間、書架にあった村上春樹のアフターダークを読んだ。順番が来た。先生と話すのは苦手なので黙っていたのだが、ぼくがつまらないことを言ったせいで先生は猛然としゃべりだした。前の親子が20分くらいで終わったのに、なかなか終わらない。「実はクラスにもう一人変わったおとうさんがいて…」と、先生が話しかけたところで図書館の先生が「もう閉めますから」と注意した。5時半になろうとしていた。
雨のコーヒー
今日も朝から雷雨
古いものは疎ましいといいながら、今日は1969年に流行った歌謡曲のCDをかけた。
これが実に雨の情景に似合うのであった。
不思議だ。
いや、不思議ではなかった。理由があった。
聞いてみると当時ヒットした歌謡曲には「雨」というワードが使われている曲が多いのだった。
雨は嫌いじゃないが、続くと飽きる。