進ぬ!虫老年

夕食を終えて時計を見ると9時40分になろうとしていた。
今から映画を観るとなると準備を含め、終了するのは0時をまわったころだ。
というわけで、家族で映画を観るのはやめにした。
映画以外にも録画したものはたくさんある。ぼくは一人でプロジェクターの前に座った。録画した中から某国営放送の「マレーシアの巨大昆虫」というのチョイス。長崎に住んでるナントカと言う虫好きのオッサンが現地のガイドとともに森林奥深く分け入っていく。
出た。まずは巨大ナナフシの登場。でかい!30cm物差しくらいの大きさだ。オッサンはその化け物のような虫を顔に這わせて喜色満面である。体中に鋭いトゲのあるナナフシもいる。見るからにアブナイいでたちだ。さすがのオッサンも触らないだろうと思ったら、むんずとつかんだ。いててて!オッサンは飛び上がった。アリも出た。やはり巨大である。おっさんは臆することなくつまみ上げる。が、当然のように噛まれ、いててて、と叫ぶ。カメラがズームアップすると指から血が出ている。
オッサンはさらに森林の奥へと進んでいく。