大掃除はまだ終わっていなかった

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台所の換気扇の清掃はぼくの担当だ。わが家の換気扇は、扇風機のようなプロペラがない。代わりにハツカネズミの回転車が入っていて、それが高速で回転する。もちろん、ネズミが回すわけではない。その前面には金属製の特殊な網が三枚並んでいて、それが気化した油を冷却、液化し、キャッチする仕掛けだ。080102_02この金属パネルとハツカネズミにへばり付いた油は、ふつうの洗剤ではまったく落ちない。特別な液体洗剤を50℃の湯で薄め、それに15分浸す。と、コスることなく、ザマーミロ、という具合にキレイさっぱり落ちる。はずだったのだが、パネルはきれいになったものの、ハツカネズミは固形物が厚くこびり付いたままだ。パネルは毎年清掃するが、ハツカネズミの掃除は2回ほどサボった。毎年やっていれば、こんなことにはならなかったのだ。めんどうなことになった。洗剤をつけ、ハブラシでこすってみたが、ビクともしない。ぼくは作戦を練った。台所に立ち、一心不乱にハブラシでこすり続けるのは修行僧の世界である。ぼくにはまだ早い。それに、既に洗剤によって油分は取れているのだから、洗剤は不要のはず。となると水も不要だ。ぼくは台所から日当たりの良い縁側に場所を移した。そしてハブラシをステンレスのヘラに持ち替え、再び作業を開始した。音楽はドアーズをチョイス。ぼくはステンレスのヘラで固着物を削り取っていった。思った以上に良く取れる。いい気分だった。しかし、それは思いのほか時間のかかる作業だったのである。
中略
時計は午後3時を回っていた。作業を開始したのが午前10時。なんという時間の無駄であろう。正月に、こんな時間の無駄遣いをして良いものだろうか。ぼくはヘトヘトだった。茶碗一杯分くらいの削りカスができていた。080102_03ぼくの大事な時間はカスに変換されたのだ。なんだか捨てるのが惜しかった。だれかこの削りカスを買ってくれないか。安くてもいい。そうすれば少しは報われるだろう。(実際、捨てきれず、肥料になるかもしれないと思って木の下に埋めた)作業終了後、昨年末からの続きで、水漏れの栓を取り替えた手水鉢を定位置に戻し、ホテイアオイを浮かべたのだった。

反省の日はゴルゴ31なのだった

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今日は12月31日。今日で2007年も終わりなのだった。この一年を振り返ってみると、(毎年のことだが)反省する事柄の多さとその分量に圧倒され、食欲がなくなる。鬱になる。ところで今日の天気はひどかった。風が強く、雨が降ったり、晴れたり曇ったり、アラレが降ったりやんだり、であった。そんなわけで、恒例の年末大反省会(通称ゴルゴ31)は来年の天気の良い日に順延することにした。
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とにかく今日は天気が悪すぎる。こんな暗く寒い日に反省なんかしたら、冬の旅人になったまま帰って来れなくなるかもしれない。で、何をしてたか、ちゅうと、玄関の前に置いてある手水鉢の排水栓を取り替える作業を始めてしまったのだ。普段、この手水鉢にはホテイアオイが浮かべてあり、季節になると涼しげな花を咲かせてくれる。で、なぜ排水栓を取り替えるかというと、排水口からの水漏れがひどくなってきたから。鉢を横倒しにし、木の栓を抜く。排水口をハブラシで掃除し、新しい栓をする。という簡単な作業なのだが、今回は水漏れを完全に防止するため、栓の周りをコーキング剤で埋めることにした。そのため、排水口の周囲が乾くのを待たねばならない。と、いうわけで、今日の作業は排水口の掃除でオシマイ。

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その後、蛍光灯のカバー、エアコンのフィルターの洗浄、動きの悪くなったサッシの鍵の分解掃除、グリスアップなどを終えた。いわゆる大掃除。気分はすっかり年末だ。日が暮れかかったころ、郡山町の親戚の家に、正月用の餅をもらいに行った。その家の居間には箱火鉢がおいてある。さっそく炭で焼いた餅をごちそうになった。餅が焼けていく様子を眺めるのが、これほど楽しいとは思わなかった。餅もスバラシク美味しかった。ぼくもいつかは箱火鉢を家に置きたい、と思った。
ダラダラ書いてたら、もうこんな時間。そろそろソバを食う時間だ。
来年もよろしく!

パーペキな12月30日

今日は店の大掃除。店内の掃除はもちろん、珈琲豆を焼く機械と煙突を分解して中のススを払う。けっこうハードな作業なので、繊細なぼくはかなり疲れてしまう。その大掃除を終えると実はもう一仕事待っている。例年どおり、それは年賀状書き…なのだ。だれも知らないと思うが、ぼくは12月30日を「年賀状を書く日」と呼んでいる。ものの、これが30日中に終わったためしがない。しかし、今年は違った。とっくの昔に年賀状は書き終え、投函済みなのである。今年の仕事はこれで本当に終了だ。実にパーフェクトな12月30日であった。
ふっ、まさか今頃必死に年賀状書いてる人なんて、いないよね。
では、ぼくは今から風呂に入って寝ます。
みなさん、眠いときは早く寝たほうがいいですよ。

今日でおしまい

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今日は仕事納め。いつもより早く店に出かけ、珈琲豆を焼いた。朝早くから予想を超えるお客様がいらっしゃって、昼過ぎにはほぼ完売となってしまった。珈琲を買えずに帰られたお客様も多く、たいへん申し訳なかった。明日は店の大掃除。焙煎機械を分解し、煙突を掃除します。
写真は、お客様から頂いたハーブの苗。

good night

昨夜は某焼肉店で、普段、めったに食わない上等な牛肉を食べた。すると、夜中に腹が痛くなって、ほとんど眠れなかった。おかげで今日は、フラフラしながら仕事をした。というわけで、もう寝ます。オヤスミなさい。

回転

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冬至を過ぎて、心なし、日差しが力強くなったような気がする。でもそれは、たぶん、気のせいだろう。そう、ほとんどなにもかもが気のせいだ。 ぼくの人生は、季節がそうであるように、ぐるぐる回転しているのだろうか。ブランコのように同じところを往ったり来たりしてるのか。もちろんぼくは、そんなことを本気で思っていやしない。スパイラルしながら、往ったり来たりしながら、まっさらな空間をどんどん新しく生まれ変わりながら突き進んでいる。と思う。それも気のせいだろうけど。

村上春樹のパスタ

村上春樹の本に登場する主人公はスパゲティーをゆでるのがうまい。ことになっているような気がする。主人公がスパゲティーをゆでると、ぼくもスパゲティーを食べたくなって、数時間後、あるいはその日、少なくとも数日中にスパゲティーをゆでることになる。実をいうと、ぼくは村上春樹を知る、ずーっと前からスパゲティーをゆでるのがうまいのだ。だから、ぼくのスパゲティー好きは村上春樹とは一切関係ない。でも、ぼくは時々、村上春樹の作ったスパゲティーを食べてみたくなる。村上春樹としゃべろうとは少しも思わないのだけど。

○○才です

午後、いつもの高校生がやってきた。彼は珈琲に夢中だ。そして彼の珈琲に対する目はナカナカのものである。彼と話しているうちに、なぜか、こんな話になった。
「ぼくはもう○○才だけど、今でも、もっとおもしろい仕事はないか、探してるんだ」
すると彼は目を丸くし、
「ええっ?○○才 !?」
「ん?いくつだと思ってた?」
「親と同じくらいかと…」
「お父さんと?」
「はい」
「へ~、おとうさん、いくつ?」
「○○才です」
ふっ、ぼくより7つも下ではないか。なかなか見どころのある高校生だと思い、めったに人には貸さない珈琲の専門書を貸してあげたのだった。