知ったかぶり男は今日も行く

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昨日は一日中雨だったが、今日は朝からスカッと晴れている。いわゆる、絶好のサボリ日和だ。サラリーマンの頃はよく仕事をサボったものだった。だが、自分で仕事を始めた今も、よくサボる。こんな天気のいい日に仕事をするなんて。というわけで、お客様がいなくなると、カメラ片手に店から抜け出す。店に戻ると、中でお客さんが待っていることもしばしば。これでいいのだろうか。ぼくが社長だったら、そんな社員は首にする。今日も、外で写真を撮って店に帰ると、お客さんがちょうど中に入ろうとしているところだった。
「あ、ちょうどよかった、あの花の名前を知ってたら教えてください」
と、ぼくは言い、お客さんを連れ、となりの家の向こう側に咲いている黄色い花のところに行った。
「モッコウバラ、ですね、これは」
彼女は、にこやかに言った。
「へぇ~、詳しいですね」
ぼくは言った。じゃあ、これ知ってますか?と、隣の家の玄関に咲いている花を指差した。
「なんでしょうね、分からないわ」
彼女は首をかしげた。
「これはオガタマといって、バナナの匂いのする花なんですよ」
ぼくは得意になって言った。
ふーん、と言って、彼女は花に顔を寄せた。
「ほんとだ、いいにおい」
「俗に、バナナツリーって言うらしいですよ」
このまえ憶えたばかりの知識であったが、ずっと昔から知っているような口ぶりでぼくは言った。ぼくはいろいろ知っているフリが得意なのだ。ところで皆さんは、下の写真の右側にある青い花を知っているだろうか。もちろんぼくは知っている。去年の今頃、変な名前で覚えにくかったのを必死で覚えたのだ。知ったかぶりはけっこう大変なのである。
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ぼうふら

玄関の脇に置いてある手水鉢にボウフラが20匹ほどいる。
ちゃんと数えたわけじゃないが、多分、それくらいいる。
ひまがあれば、ぼくはボウフラを見ている。
ボウフラはおもしろい。あの動きがすごく良い。
もし、欲しければ、分けてあげてもいい。
きっと、あなたも気に入るだろう。
(店まで取りに来られる方に限ります)

A spoon full of sugar

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昨日は天気も良く、ちょっともったいなかったけれど、家で本を読んでました。家人が雑用で外出してたので、読書の合間に乾いた洗濯物を取り込み、布団にカバーをかけたり、洗濯物をたたんだりしてました。音楽をかけながらやると、なかなか楽しい仕事です。でも、たまにやるからおもしろいのであって、毎日気持ちよくやれるか、というと、ぼくには自信がありません。洗濯物をたたみながらぼくはフト思いました。親が子に教えなくてはならないことは色々あるだろうけど、楽しく毎日の仕事を片付けるための呪文を教えておかないと、子供は辛い人生を送るだろうな、と。それは、たとえば、子供の前で、おもしろそうに、楽しそうに、まるで魔法をかけるように、おいしい料理を作ったり、パリッとアイロンをかけたり、上手に買い物をしたり、器用に針仕事をしたり、テキパキと洗濯物をたたむ、といったことじゃないかな、と思ったのです。
映画、メリーポピンズで、彼女はこういってました。
In every job that must be done, there is an element of fun.
しなきゃならない全ての仕事には楽しみの要素があるのよ。

天井の穴

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ビールで酔っちまったぜ
最近、めっきり弱くなっちゃって。
ほらあそこ、穴から光がもれてるように見えるけど、月なんだ
ねえ、ここ、寒くないし、いい気分だよ。君も飲みにこないか
え? テレビ見てんの? サイテー
え、テレビ見ながらビール飲んで、窓から月見てる?
バーカ

ぼくの焚火

無性に焚火をしたくなるときがある。
今日がそうだった。なんというか、
自分の中で、なにかが乾いてしまった感じがして。
たぶん、海に行って、ずっと波の音を聞いていればよくなる。
いつもはそうしているのに、ひと月くらい海に行っていない。
雨の中で焚火をしたことがある。
頭が空っぽになって、交響曲を聞いているような感じだった。
いつかまた、雨の中で焚火をしたい。
この前、庭に穴を掘って、人の目に触れないように焚火をした。
穴の中でめらめら燃えている炎を見ていたら、
へんな言い方だけど、ぼくは何かにつながった。
ぼくはぼくでなくなり、すべてがぼくになった。
焚火がしたい。
ぼくが死んだら、ぼくはぼくの体を大きな焚火で燃やしたいと思う。

ケナゲなオレ

ここ数日、疲れている。新しいお客さんが多いせいだと思う。常連のお客さんとは友達のような感覚で話すので、あまり疲れない。でも、新しいお客さんとはそうはいかない。とても気を使う。今の時期は新しいお客さんが急増する。たぶん、異動のせいだ。新しいお客さんのほとんどが、新しい職場の方の紹介でいらしている様子だから。昨日に引き続き、今日も多かった。というわけで疲れている。疲れているのに、まじめにブログを書くオレって健気。昨日はサボったけど。

あなたに会うために生まれてきた

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白い箱から出てきて、きみはぼくと初めて対面した。
「はじめまして。誕生日おめでとう」
きみは微笑んで、ぼくにそう言った。
ありがとう。
ぼくはうやうやしくお辞儀をした。
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去年に引き続き、Oさんの手作りケーキで誕生日を迎えた。去年はずいぶんたくさんのろうそくを立てた。今年は若くなった分、ろうそくも少なくなった。