風が気持ちよかったので、屋上でぼんやりしていた。
海のほうから雲が流れてくる。
ずっと見ていると、それはときどき、ぼくの好きな形に変化した。
ぼくはそれに名前をつけた。
イッシーダンゴ
ラドン
キンギョ
モーリシャス諸島
帝国
帝国は、威圧感のある、とても大きな雲だ。
それが近づきながら、刻々と変化していく。
左側が長く延びて首になり、恐竜になって、首がちぎれた。
ちぎれた首はいつの間にか消えてしまった。

さなぎ

090913_01
花壇に植えてあるサンショウの葉がすべて散っていた。たぶん、水不足のせい。骨だけになった枝の端で何か動いたような気がして見てみると、アゲハの幼虫だった。空気の抜けたゴム風船のように小さくしぼんでいる。彼の未来は明るくなさそうだった。他にいないか、ぐるりと見てみると、さなぎが一個、枝にぶら下がっていた。
090913_02

たまにはいいこともアル

人が撮った写真を見るのが好きだ。好きな写真家も何人かいる。そんな写真家が撮った写真を眺めながら、ぼくもこんな写真を撮りたいな~、と、ため息をつく。一週間ほど前、ある写真家のブログを見ていたら、今度、写真の撮り方の本を出します、という記事があって、著者サイン本を5名のみなさまにプレゼント、とのことだった。ぼくはめったにそういうのには出さないのだけど、ためしに応募してみた。そしたら今日、当選しました、というメールが届いた。わ~い
090910_01

「そううつだもの写真展」のご案内

当ブログにもリンクさせていただいている「そううつだもの」のあやさんが写真展を開きます。フツーの写真とはどこか違う。いや、フツーに見えないのは見る側の問題にすぎない。なにを言ってるの、私にはフツーに見えるわよ。ちがう、この写真に意味を見出そうとしてはいけないんだ。言ってるだろ、君はいつも考えすぎなんだよ。ブツブツ…
 「そううつだもの写真展」
期日:2009年9月17日(木)~2009年9月19日(土)
場所:cafe遊野家 さん
2009090722080344c

カゲロウ日記

090907_01
数日前、ぼくが使っているプロバイダーのスタッフブログに興味をひく記事があった。それによると某所の某洞穴にアリジゴクがいるのだという。アリジゴクなんて、ぼくが子供のころは床下をちょいと探せば見つかるものだったが、最近見かけない。そんなわけで、急にアリジゴクを見たくなったので、某洞穴に行ってみることにした。地図を調べてみると、ぼくの家から某洞穴まで、さほど遠くない。コーヒーをポットに詰め、車は北に走り出した。山を一つ越え、曲がりくねった坂を下っていくと、思いがけずマンガ日本むかし話に出てくるような、のどかな田園風景がひろがった。都会育ちのぼくは感動して車を降り、思わず何枚も写真を撮ってしまった。そこに一人乗り電気自動車に乗った老人が通りかかったので、某洞穴はどこかと聞くと、そこの坂を下ったところだ、という。
090907_02
そこの坂を下っていくと、右手に真っ赤な鳥居が見えてきた。そこが駐車場なのだった。鳥居をくぐって狭い林道を降りていくと、小さな川が流れている。橋を渡ると今度は上り坂だ。
090907_03
坂を上っていくと、なぜか道の両脇に仁王像が立っていた。その足もとに置かれている貝殻は貝塚のものだろうか。
090907_04
さらに上っていくと、それらしい洞穴が見えてきた。
090907_05
洞穴には苔むしたつくばいが二つあって、天上から滴り落ちてくる雫で満たされていた。
090907_06_2
その、ポチャン、という音が、洞穴に涼しげに響き、まるで水琴窟。ぼくは神社仏閣には興味がないので、すぐにアリジゴクを探し始めた。
090907_07
探すまでもなく、いたるところに小さなクレーターが口を開けており、その上をハンミョウが軽やかに飛んでいる。ぼくはスリ鉢のそばに座り込んで、じっと、その底を見続けていたが、アリジゴクは姿を現さなかった。ぼくが子供だったら、アリを捕まえてきてスリ鉢に落とすだろうが、そんなかわいそうなことはできない。かも。
090907_08
ぼくはアリジゴクをスリ鉢からほじくり出すことにした。ご存知のように、アリジゴクはウスバカゲロウの幼虫だ。(ウスバカ・ゲロウではなく、ウスバ・カゲロウです)幼虫の時はアリを貪り食うが、成虫になって短い命を全うすると、地面に落ちてアリに運ばれる。自然の営みは無駄がなく潔い。うすっぺらなセンチメンタルなど入り込む余地がないほど清清しい。ナンチャッテ
090907_09
腹が減ったので、江口浜の蓬莱館で食事をとることにした。食堂は相変わらず混んでいて、10分くらい待たされた。いつものように安いほうの寿司定食をたのんだ。
090907_010
食事を終え、売店で野間池のタカエビと江口浜で取れたツキヒガイを購入。蓬莱館横の公園で、しばらく海を眺めてから帰路に就いた。
090907_011
海の上の、一見ゴミのようにみえるものを拡大↓
090907_012
元気だね~

夏の抜け殻

夏は去り、いまは秋。
夏以上に暑いけれど、夏はもうここにいない。
いまは、暑い秋。
その証拠に、写真に写った風景に夏の面影はない。
090906_01

蝉の夢

夕方、駐車場を歩いていると、枯葉に混じって蝉が二つ落ちていた。近くのケヤキを見上げると、幹に蝉がとまっている。はねはボロボロ、近寄ってもピクリともしない。夢を見ているのか、死んでいるのか
090905_01