夢の分析

河合隼雄の本にハマっている。とにかくオモシロ怪しい。彼が扱っているのはユングの深層心理学なのだけど、読み始めると、なんだか狐につままれているような、イヤ~な気分になる。一見、デタラメ風。かなり胡散臭い。戯言の世界をさも本当のように論じているフシがある。しかし、ウケる。ぼくの少年的好奇心を甚く刺激する。少年時代、後ろめたさを覚えつつ覗いたサーカスの見世物小屋。その薄暗い覗き窓の奥には、親の因果が子にたたったとされる、三本足の女、あるいは鬼のようなツノのある男、などが潜んでいた。一方、河合隼雄の本に登場するのが、無意識という人類未踏の地に潜む、アニマ、アニムス、そして影。無意識とは、その言葉自身が定義している通り、言葉やイメージとして捉えることのできない、意識できない領域だ。心の深層にあるとされる。広辞苑には「夢・催眠・精神分析によることなしには捉えられない状態で、日常の精神に影響を与えている心の深層」とある。彼の本を読み始め、「無意識」に興味を持ったぼくは夢に注意を払うようになった。夢によって、無意識の世界を探索できるらしいからだ。じつは今朝方、夢を見た。最近、夢を見なかったので、チャンスと思い、すぐに分析を開始した。会社勤めをしてた頃の上司が現れ、にこやかな顔で、ぼくをなじるのである。彼はぼくの夢には初登場であった。はたして、このことが意味するのは…。ぼくは通勤途中の車の中で考え続けた。しかし、しっくりくる分析結果は得られなかった。店に着き、いつものようにコーヒー豆を焼いていると…
「よお、久しぶりだな、元気してるか?」
どこかで聞いた声…夢で聞いた声だった。
現れたのはなんと、夢でぼくをなじった上司だったのである。
最近ぼくは狐につままれることが多い。

“夢の分析” への2件の返信

  1. ☆スプーンさん、UFOで何時ご帰還を?~~~(笑)
     宇宙人が懐かしかったでしょう( * ^)oo(^ *) クスクス

  2. いやー、ぼくはいつも、うれしはずかし朝帰りの、よみがえりです(笑)
    河合隼雄さんは、ユング心理学を徹底して解釈しようとしてるんですね。だから、UFOなど、一般に超常現象として扱われる事象も自然に登場する。学生の頃、ユングにハマってると変人扱いされたものでした。ぼくも遠ざかってたのですが、今は違うんですね。河合隼雄の本が、世にこれだけ広く受け入れられているのがその表れだと思います。ユング心理学は科学者の目から見るとオカルティックに見えるんですが、真理を探究していくと、どうしても手持ちの道具では突破できそうにない壁にぶち当たる。そこをうがつのが、ユングのような、科学的手法に拘泥せず、自分の脳をひとつの道具として、まるで手で井戸を掘るように探求していく人たちなんだと思います。これは実におもしろいことだと思います。同じことを、作家の村上春樹も行っているように見えます。彼は職業的科学者じゃありませんが、求めているものは同じだと思います。彼の手法は「物語」です。彼もそのうち、あたりまえのように、現実と同列にUFO、そしていずれ宗教を語りだすのではないかと思います。ハイブリッド科学とでもいえそうな、新しい科学が始まりそうな予感がします。

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