黄色い炎の

初めてランプを買ったのは中学2年の時だった。なんに使うかといえば、洞窟や廃屋の探検、深夜の天体観測に使うのだった。センダンは双葉より芳し、というが、その頃既にぼくは暗い所が好きだったのである。そのランプは日本製で性能がよかった。というのは、こぞってマネをした友人たちのランプは中国製だったが、炎の形が悪く、暗かったのである。ぼくは一人優越感に浸った。幸せだった。ぼくは夜毎そのランプに火を灯し、部屋の明かりを消して音楽を聞いた。今思えば、ずいぶんシャレたマネをしていたものである。電気で灯る明かりは安全で便利だけど、生命感がないんだな。都市化とは管理できないものを排除していくことだろうけど、命(タマシイ)を排除したらなんもならんよね。人は生きるために生きてるんじゃないから。