エビスから来た男

今日もI氏は、やってきた。今日は赤いシャツの友人を連れてやってきた。
「彼にココの豆を買わせようと思ってね」と、にやついた。
「今日はお客さんはどうですか?」
「来ないよ、まだだれも来ん」
「ふーん」と、眉根にシワを寄せ小首をかしげる。
心配顔を作ったつもりなんだろうが、どうみてもうれしそうだ。
彼がカウンターにいる間はお客様は少ない。来ない。
しかし、彼が帰ったあと、お客様が次々といらっしゃる。
疫病神なのか福の神なのか。