君はチョコベーを見たか

心を閉ざしていると迷い込む。心のフタは日に日に重くなる。気がつくと、どこもかしこもフタだらけ。フタを管理するのはむなしい。突然ぼくは思い立ち、フタを取る作業を始めた。ひとつめのフタは潜水艦のハッチみたいだった。深夜、友と一緒に長い呪文を唱えると、ハッチのハンドルが音を立てて回りだした。友と一緒にハッチの外に出た。空が明るくて目が眩んだ。青い空に自分の影が映っていた。

左23度に軌道修正します

朝起きると予想通り月曜日。外は曇っていた。気温は24度。とても眠い。シャワーを浴びたのが午前3時だった。オトコにしろオンナにしろ、親しい友とくだらないテーマで真剣に話していると、ふいに、小さな島影があらわれ、遠い水平線の彼方で揺らめくことがある。その島がどういう島で、自分に何をもたらすか、なぜかぼくは知っている。ぼくは左23度に軌道修正した。

気ままにイイ夜

仮に、ぼくにとってアレが一番オモシロイとすれば、深夜、気の合う友人とくだらね~話をするのは4番目か5番目くらいにオモシロイ、といえる。どういうことを話すのか。たとえば、オンナのパンツの色について400字詰め原稿用紙2~30枚くらい、大真面目に話す。今夜はDog-58さんと、映画を見たり音楽を聞いたりしながら、ウンコについて約一時間、延々と熱く語り合った。などと書くと本気で信じられてしまいそうなのがコワイ。ウンコにしろ人生にしろフリフリパンツにしろ、どれも同等に愛おしい。真剣に愛してやれば、向こうだって愛してくれる。バカみたいに愛することは、カンタンそうで難しい。そんなわけで、オンナにしろオトコにしろ、バカみたいなつき合いは続くのだった。

雨音

雨が降り出したのかな。
ぼくはお客様の肩越しに窓の外をうかがった。雨は降ってなかった。
あ、雨。
また外を見る。降っていない。おかしいなぁ。
理由は後で気づく。カウンターに座ってたお客様のせい。
彼女は髪をぬらし、いつも雨の中を歩いてる。

ひとりの人を理解するのに、どれくらい時間がかかるだろう。どこの国のことわざだったか忘れたが、自分を知るには一生かかるという。ぼく自身、自分を知らない。ただ、たとえば、なんとなく東に向かっているらしい、とか、明るいところを目指しているようだ、というようなことは解る。死んだ人はもう人ではない。人は静止できない。あてどもなく地上をめぐる風は空気だけど、瓶詰めの空気を風と呼ばないのに似ている。風を吹かせるものはなんだろう。人が森羅万象の一部なら、それが理解するということだ。

夢は夜開く

Shop_01あいかわらずぼくはマヌケだった。きのう、調子にのって、ホームページのリニューアルオープンを1週間後と宣言してしまった。締め切りを設定すると、それがプレッシャーになる。ぼくはプレッシャーにヨワイ。昨夜も1時半まで、アーでもないコーでもないと頭をひねっていた。やれやれ。とりあえず、トップページは、このブログと同じように3ペインでいくことに決定。
表題の「夢は夜開く」は、エディタにDreamweaverを使ってるのでそうしました。

夏至

クーラーが効いてるので店の中はち~とも暑くなかったが、外はずいぶん暑かったらしい。昼ごろ、ぼくもちょっと外を歩いてみたら、タイルに反射した強烈な太陽の光に目が眩み、ヨロめいてしまった。ぼくが吸血鬼だったらサヨナラを言う間もなく灰になっただろう。実に切ない話だ。せめて、あの人とあの人とあの人には、さよならを言っておきたい。ところで、こういう日は決まってお客様が少ない。そこで、突然ぼくは一大決心をした。某珈琲店のホームページのフルチェンジに着手することにしたのである。5年以上ほったらかしのあのHP。あらためて見直してみると、いいかげんに作ったせいかケッコウ見づらい。よーし、たまには本気で仕事をしようじゃないか!
なーんちゃってね。
一週間後をお楽しみに。ウヒヒ

通せんぼ

薄暗い道を歩いているとき、ふいに見知らぬ装いの男が目の前にあらわれ、通せんぼする。彼はぼくの目を覗き込んだまま、にわかに微笑み、百年の知己のように語りかけてくる。本を読んでいて、おもしろい言葉に出会った瞬間がこういう感じだ。というわけで、いま読んでる詩集の中で出会ったおもしろい言葉を。
「人生の熱烈な瞬間において人が実感する思い」

風とビール

オレンジ色の夕日がパソコンの画面に当たってます。きれいだな。いままで屋上でビールを飲んでました。ビールの汗って、べとつくんだよね。キーボードをたたいていると、腕が机にペタペタする。いいなぁ、夏って、ほんとにセクシーだなぁ。こんなことを書くのもビールのせいに違いないな。あとできっと消したくなるんだよね。ところで、今日は休日。どこにも行かず、家にいました。あけた窓から、とてもいい風が入ってくるので、昨夜アミュで買った詩集を読んでました。とてもいい気分。女の子みたいでしょ?

回転する島

Andromeda_01_1休みの朝はぼんやりしている。カップにコーヒーを注いだ。カップを覗きこんだら、黒い渦ができていた。中心に何かあるような気がして、スプーンで突っついてみる。なにもない。ぼんやりしているからアホなことをする。ぼくらのすむ宇宙には、なにとなにがあるんだろう。光と闇。エントロピーが支配する中にあって、渦には求心的なモチベーションがある。意思かもしれない。明け方も近い深夜、東の空にアンドロメダが見える。豆粒ほどの雲はアンドロメダ星雲のバルジだ。見たことのある方なら思わずうなずくだろう、あれは小さな雲に見える。ぼくは銀河系という島のはずれから、それはそれは遠い過去、230万年前の島を眺めている。