2時半ごろ、ビニール袋を二つ提げて、船乗りのオッチャンがやってきた。オッチャンは店の常連さんなのだけど、若いころ貨物船で世界中をまわっていたというので、ぼくは「船乗りのオッチャン」と呼んでいる。ビニールの中身は、ひとつが中華料理店をやっている中国人の友だちからもらった手作りキムチで、もうひとつは、鹿児島アリーナで拾い集めてきたというギンナンだった。ぼくはこの手作りキムチが大好きなので、時々分けてもらっている。オッチャンがカウンターの前に立つと、それまで店を満たしていた上品なコーヒーの匂いは瞬時に吹き飛び、キムチとギンナンの猛烈なガス臭が店に充満した。さいわい店にいたのは金曜日の豆腐屋だけだった。
話は変わるが、店の駐車場の彼岸花が、もうすぐ満開だ。

JAPANデザイン
ぬけがら
ためいき
アートの森に行ってきた

某コーヒー店は、祝日だろうがなんだろうが、月曜日は定休日。霧島アートの森は同じく月曜日が休館日だが、祝日は開いている。
と、いうわけで、アートの森で開催されている「ヤノベケンジ展」に行ってきた。
入場料はちょっと高めだったけど(といっても、800円)、かなり楽しめた。天気が良かったので、芝生のきれいな、野外展示場を時間を忘れてブラブラうろついた。作品を見るのも楽しいが、作品を眺めている人を観察するのもおもしろい。やがて観察するのにも飽きてきて、アートの森をあとにした。車はえびの高原に向かっていた。
高原が近づくにつれ、道路わきに停車中の車が目立ってきた。何事かと思ったら、野生のシカが道路端まで出てきていて、それを車を停めて写メしているのだった。ぼくはシカには興味ないので、さっさと通り過ぎた。えびの高原の土産物店にはいると、宮崎県知事のイラストの入ったのぼり旗やポスター、商品群に圧倒された。イヤ~、これはすごい。鹿児島の土産物店では見たことない風景だった。あたりまえだろうけど。

クロガネ
秋ざれ
金曜日の男

第三の男という映画があったが、どんな内容だったか忘れてしまった。金曜日の男、という映画を知っているだろうか。ぼくははまだ見たことがない。たぶん、そんな映画はない。今日取り上げた金曜日の男、は映画ではなく、川辺町の某豆腐屋の異名である。これはぼくが勝手につけた名前で、この豆腐屋が必ず金曜日に来るのでそうなった。ぼくは彼の豆腐しか食べないことにしている。と、いいたいが、そんなことはない。彼の豆腐が近くで売っていないから、しょうがない。しかし、彼の作った豆腐がうまいことは事実である。今日も5丁買ってしまった。











