朝、外に出ると霧雨が降っていた。景色がミルク色に淀んでいる。特にこれといった理由はないのに気分が沈み、何もかもがつまらないことのように思えてきた。こんな風景をどこかで見た。いや、それは風景ではなかった。あの映画。あの映画を流れ続ける通奏低音。そうだ、帰ったらあの映画を見よう。ぼくは少し元気を取り戻した。というわけで、今までそれを見ていました。エル・スール
憧れのチャブ台
ボッケモン世界を行く
まんじゅうは熱かった
The Neverending Story
屋上に出てベンチに座り、いつものように夜空を仰ぐ。オリオンは西に傾き、星空のステージから降りようとしている。BGMはバッハのBWV639。果てしない宇宙には重厚なパイプオルガンの音色がふさわしいのだが、屋上に置いてないので、かわりにぼくが口笛を吹く。北斗七星の横を尾を曳いて星が流れる。あれだけ強く輝きながら、まったく無音。ジェット機はあれよりずっと小さいくせに唸りながら飛ぶ。ぼくの物語にはバッハが流れ、不意に流星が飛ぶ。そしてぼくはときどきつぶやく。ぼくの物語はこんなふうに続く。
ムーミン谷のカバは冬眠から覚めただろうか
二匹の犬
夜、風呂から上がって屋上に出た。遠くで犬が吠えている。それが山に跳ね返って、もう一度聞こえる。すると犬がまた吠える。犬は別の犬が吠えたと勘違いしているらしい。二匹の犬は交互に吠え続けていた。
本に埋もれて
あの時君は若かった。今も若いけど

今日はずいぶん久しぶりでしたね。
びっくりしました。結婚したなんて。2年前?でしたっけ。
しかも出産のために帰って来たなんて。
あのころとなりに座っていた無口なおじさんもきっとビックリするでしょう。うーん、あの頃が懐かしいですね。










