
たくさんの矢印が風に吹かれて好き勝手に回っている。
ぼくの行き先なんて、まったく無意味だと言いたげに。
そんな、ぼくの朝。
オーディオのスイッチを入れ、あの曲を探す。
スカボロー・フェア
歌詞の意味はさっぱり分からないけど。
でも、これを聞いてると、矢印が、遠い空の向こうを指す
岩のアーチ
スピーチバルーン
風に揺れるススキ

風に揺れるススキを見ようと、えびの高原に出かけてみた。行ってみると、確かにススキは風に揺れていたが、まだまだ二分咲き、といったところだった。

ヨッパライ某が腹が減ったというのでソバ屋に行った。窓際に髪を短く切った男がジョッキにビールを注いでいる写真があったので、これはもしかしてイチローか?とヨッパイ某にきくと、そうだ、という。ぼくは納得がいかず、これは合成で顔だけイチローじゃないのか、というと、テレビでもこんなふうにビールを注いでいるよ、といった。

続けてぼくはきいた。イチローは、なにイチローなの?苗字はないのか? するとヨッパライ某は、え?苗字って…そうだよね、ただのイチローじゃないよね。なんだろう、と考え始めた。

結局分からず、母親に電話してきいた。すると鈴木であることが判明した。ぼくはそれを聞いて笑った。イチローの親はオレよりひでえな。鈴木イチローだなんて、山田タロー並みじゃないか。

夕食はぼくの発案により、ソーメンであった。食事をしながら、昼は何を食べたの?と娘がきいた。ソバだというと、昼にソバを食べて夜にソーメンというのはおかしい、と主張した。確かにそうだな、とぼくは思った。食事が終わるころ、突然ヨッパライ某が得意になっていった。イチローの苗字知ってる?すると娘は言った。オオタ!オオタ・イチロー。ここはなんだか異次元のような家だな、と思った。
ココロは燃えているか
くもの糸
店の玄関に小さな水槽が置いてある。水槽には水草しか入れなかったが、いつの間にかメダカが泳ぎはじめた。しかも2匹。もちろんそれはタレスの説によるのではなく、水草にメダカの卵がついていたためだった。今朝、いつものようにメダカの様子を見に行くと、水槽のふちにハエトリグモが陣取り、じっと中を覗き込んでいた。見ると、水面を2mmほどのチビメダカがうろついている。まさかそれを狙っているのではあるまい、と思いつつ店の準備に戻った。開店の時間になったので玄関の照明を点けに行った。水槽を見ると、先ほどのクモが浮いていた。やれやれ、と指ですくうと、元気よく跳ねてどこかに消えた。それからしばらく後、お客さんが帰ったあと玄関に行くと、先ほどのクモがまた水槽のふちから中を覗き込んでいた。まさかまた飛び込む気じゃないだろうな、と思いつつ、店に戻った。数時間後、水槽を見に行くと、やはりヤツは浮いていた。ぼくはうんざりしてそれをすくい上げ、水槽から離れたところに逃がしてやった。
夜の回転音
存在の軽さ
夏にさよなら
楽しかった夏も、あっという間に過ぎた。明日から9月。
9月もまだまだ暑いけれど、もう夏じゃない。
明日の朝は新たな気分で目を覚まそう。
生まれ変わったように







