air

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たくさんの矢印が風に吹かれて好き勝手に回っている。
ぼくの行き先なんて、まったく無意味だと言いたげに。
そんな、ぼくの朝。
オーディオのスイッチを入れ、あの曲を探す。
スカボロー・フェア
歌詞の意味はさっぱり分からないけど。
でも、これを聞いてると、矢印が、遠い空の向こうを指す

岩のアーチ

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お客さんからお借りした「鹿児島県の歴史散歩」という本を読んでいたら気になる地名が出てきた。ネットで調べても分からず、家に帰って地名辞典で調べてみたけど、やはり分からなかった。辞典をケースに戻そうとして、ふと、そこに描かれた絵に目が留まった。諸国六十八景 薩摩坊津。今まで気に留めなかったのだけど、そこに坊津で見たことのないものが描かれている。巨大な岩のアーチ。こんなのが坊津にあるとは知らなかった。今度坊津に行ったら見てこなくちゃ

風に揺れるススキ

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風に揺れるススキを見ようと、えびの高原に出かけてみた。行ってみると、確かにススキは風に揺れていたが、まだまだ二分咲き、といったところだった。
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ヨッパライ某が腹が減ったというのでソバ屋に行った。窓際に髪を短く切った男がジョッキにビールを注いでいる写真があったので、これはもしかしてイチローか?とヨッパイ某にきくと、そうだ、という。ぼくは納得がいかず、これは合成で顔だけイチローじゃないのか、というと、テレビでもこんなふうにビールを注いでいるよ、といった。
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続けてぼくはきいた。イチローは、なにイチローなの?苗字はないのか? するとヨッパライ某は、え?苗字って…そうだよね、ただのイチローじゃないよね。なんだろう、と考え始めた。
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結局分からず、母親に電話してきいた。すると鈴木であることが判明した。ぼくはそれを聞いて笑った。イチローの親はオレよりひでえな。鈴木イチローだなんて、山田タロー並みじゃないか。
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夕食はぼくの発案により、ソーメンであった。食事をしながら、昼は何を食べたの?と娘がきいた。ソバだというと、昼にソバを食べて夜にソーメンというのはおかしい、と主張した。確かにそうだな、とぼくは思った。食事が終わるころ、突然ヨッパライ某が得意になっていった。イチローの苗字知ってる?すると娘は言った。オオタ!オオタ・イチロー。ここはなんだか異次元のような家だな、と思った。

くもの糸

店の玄関に小さな水槽が置いてある。水槽には水草しか入れなかったが、いつの間にかメダカが泳ぎはじめた。しかも2匹。もちろんそれはタレスの説によるのではなく、水草にメダカの卵がついていたためだった。今朝、いつものようにメダカの様子を見に行くと、水槽のふちにハエトリグモが陣取り、じっと中を覗き込んでいた。見ると、水面を2mmほどのチビメダカがうろついている。まさかそれを狙っているのではあるまい、と思いつつ店の準備に戻った。開店の時間になったので玄関の照明を点けに行った。水槽を見ると、先ほどのクモが浮いていた。やれやれ、と指ですくうと、元気よく跳ねてどこかに消えた。それからしばらく後、お客さんが帰ったあと玄関に行くと、先ほどのクモがまた水槽のふちから中を覗き込んでいた。まさかまた飛び込む気じゃないだろうな、と思いつつ、店に戻った。数時間後、水槽を見に行くと、やはりヤツは浮いていた。ぼくはうんざりしてそれをすくい上げ、水槽から離れたところに逃がしてやった。

夜の回転音

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わが家の前は20年間、空き地だった。それが今年5月ころに分譲農園となり、そのいくつかが売れ、畑になった。空き地が畑になっただけのことで、ぼくの生活になんら影響はなかった。しかし最近、いままで聞いたことのない怪しい音が、夜ごと聞こえてくるようになった。カラカラカラカラ、と、なにか空っぽの物体が回転する音だ。なんだろうと思って見てみると、ペットボトルの風車が畑に突き立ててあり、それが風に吹かれて悲しげな音を立てているのだった。何なんだ。

存在の軽さ

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あなたは愛する相手を理解しているだろうか。
もしそれを確信していても、それは錯覚の可能性が高い。
それが男女間の愛であれば、なおさらのこと。
そして、もしあなたが男であれば、99%、勘違いを起こしている。
ぼくはこの本を読んで、その思いを強くした。
知らないほうが幸せなことは多い。
でもその幸せは偽物

夏にさよなら

楽しかった夏も、あっという間に過ぎた。明日から9月。
9月もまだまだ暑いけれど、もう夏じゃない。
明日の朝は新たな気分で目を覚まそう。
生まれ変わったように

遠い渚

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あの日に帰りたい。とは思わないけど、ぼくの中にいる少年が恋焦がれるように、いつまでも見つめていると、なんとかしてあげたくなる遠い日の渚