青紫の花

海からの帰り、車を走らせているとヨッパライ某が叫んだ。見て見て、あれなに? 大きな木に青紫の花がいっぱい咲いている。車を停めてみると、どうやら桐の花のようだ。「その昔、女の子が生まれると桐の木を植えたものだ」という話を聞いたことがある。桐は早く育つので、成長した桐でタンスを作り、嫁入り道具として持たせたのだという。

もしかしてこの桐、女の子が生まれたときに植えたのかな

その日はスペシャル

姫路城に行ったら桜が満開で幻想的でしたよ、と、店のお客さんに話したところ、とてもうらやましがられた。姫路城に行ったことのあるお客さんが意外と多いのには驚いたけれど、桜が満開の時に行った方は今日の時点ではいない。ふっ、なんだかうれしいぜ

コーヒーを飲んで美術館に行った

月曜の朝。濃くて苦いコーヒーが飲みたかったけど

美術館を歩く。ぼんやり庭園を眺めていたら、眼差しの涼しい、よその国の女の子に声をかけられた。写真を撮ってもらえませんか? 一人旅らしかった。物語はこんなふうに始まることもある

その建物にはひどく巨大なロープがぶら下がっていた。材料はワラのようにみえる。どうやって作ったのだろう。しばしアタマをひねったが、わからなかった。わからなくても困ることはないのだけど、やはり気になる

参道沿いの、あの旅館にも行ってみた。写真で見たとおりだった。それだけのことだけど。境内は満開の桜が強風にあおられ、花吹雪状態

さくらを見たあと砂漠を歩いた

電車は北に走っていた。川を渡り、トンネルを抜け、街の中を疾風のように走る。桜がいっぱい。どこまで走っても桜が満開

バスに乗り換え、なんとかという城に着く。桜が満開

お皿を数える幽霊で有名な井戸。真昼なので、ちっとも怖くなかった。写真中央にあるのが井戸

いつかは行きたいと思う。星と風と、砂しかない、あの砂漠

飛行機で不時着したら、そこには井戸があって、目の光るヘビがいてキツネがいる。キツネはぼくにこう言う。君は友だちだから教えてあげる。大切なものは目に見えないんだ

夜桜

ネコに引掻かれた空

夕食後、近くの公園をブラブラ

写真を撮っていると、遠くからキコキコという変な金属音が近づいてきた

補助輪付きの幼児用自転車をオバさんが必死にこいで走り抜けていった

春なのにお別れですか

夕食後、パソコンを開いてメールチェックをしていると、背後から何者かが急速に接近してきた。
ぷぅぅーーーーーん
奴だ。
おもむろにゴルゴ13の顔で立ち上がったぼくは洗面所の棚からヤツ専用の武器を手に取り、部屋に戻った。かわいそうだが奴には消えてもらう。背後からやってくる敵には容赦しない主義なのだ。