データベース

仕事柄、毎日、何処の誰か知らない人と顔を見合わせ、口をきく。ほとんど口をきかない人もいる。
笑ってる人、沈んでる人。怒ったように、むすっとしている人。
その顔、声、風体は、一定の条件でまとめられ、ぼくの記憶システムにデータベース化されていく。
例えば、「声の大きな人」で、検索をかけると、たちどころに10人の顔が浮かぶ。
「美人、色っぽい」でand検索をかけると5人。
「教育熱心」では、数名の顔が浮かぶほか、ネット上でおしゃべりする方のハンドル名までヒット。
「ヒマ人」で検索。
ぼくが浮かんだ。

syntax error

「ニューシネマパラダイス劇場版と船上のピアニストを借りてきて」と、ヨッパライ某にメールした。「ニューシネマパラダイス劇場版」は置いてないとのこと。これは意外だった。「船上のピアニスト」のほうは、そもそもそんなタイトルの映画はなく、店員が機転を利かせて「戦場のピアニスト」を渡してくれたという。「戦場のピアニスト」は既に鑑賞済み。ぼくは「海の上のピアニスト」を「船上のピアニスト」と間違って記憶していたのだった。ぼくの頭のファイルシステムはエラーが多い。

雨の庭

今日は一日雨が降り続いた。
青い空。雨の庭。
どちらが悲しいか。
青い空。
「悲しいほどお天気」というユーミンのアルバムのせいかもしれない。
雨の庭。
ドビュッシーの曲にそういうのがある。
村上春樹の「ノルウェイの森」
彼は当初、「雨の中庭」というタイトルで書き始めたらしい。
微熱があるようだ。
もう寝ます。
サヨナラ

失敗

月曜は定休日で休み。朝起きて、しばらく屋上でぼんやりしていた。天気はいいのに、白々とカスミがかかっている。メリケンコのようなアルコール分子があてどもなく空中を漂っているように見える。いや、それはぼくの頭の中だった。せめて休みの日くらいは有意義に過ごしたい。きっと、だれだってそう思うだろう。しかしぼくはしくじった。昨晩、寝る前にvodkaを飲みすぎた。ぼくは今日を捨ててしまった。

ともだち

ぼくは男だから、男友達については特別な計らいなしに付き合えるのだけど、女友達だとそういうわけには行かない。
というか、女友達なんて存在するのだろうか。異性の友達ってありうるのだろうか。
磁石のSとNは引き合う。くっつかないようにするためには、逆の力で均衡を保たなくてはいけない。
女友達とうまくやってる男たちは自然にそういう力を発生させているのだろうか。無理はないのだろうか。
と、ビールを飲みながら考えるヒマなオレ。

ストレス解消法

たいしてストレスなんてなさそうなのに、ストレスがたまってる感じがする今日この頃。
こんな時はどうするか。
あまり時間がないときはビデオを見ます。
何度も見た、結果がわかってるビデオ。安心なので。
今日もなぜかストレスがたまってる。
というわけで、このあとビデオを見ます。
「インディジョーンズ、失われたアーク」
みなさんは、どうしてますか。

キャンドルサービス

Photo_35月に納戸の大掃除をした。そのとき、ほこりをかぶった巨大なロウソクが出てきた。それは、結婚式のときに点火した、メモリアルキャンドルであった。毎年、結婚記念日に火を灯さないといけないという、あれである。見ると、4の数字で止まっている。多分、3回はマジメに火をつけたのだろう。
5月に大掃除をした際、手の届くところに置いた。
今日は結婚記念日。キャンドルも燃えている。
今からビールで乾杯です。

松茸の夜

あれは○○年前の今日、11月2日の夜の出来事だった。ぼくは友人たちに誘われて天文館のあるお店にでかけた。そこはテンプラを目の前で揚げて食べさせてくれる店だった。「今夜は俺たちのオゴリだからじゃんじゃん食え」といいながら友人たちはぼくのために高そうなものばかり選び、次々と注文した。ふと見ると、こんがり揚がったマツタケが目の前で湯気を立てている。ぼくはマツタケを食べるとジンマシンが出る。友人たちはそれを知らない。明日はぼくの結婚式なのだった。四国からわざわざ来てくれた友人もいる。ぼくは困った。20代の金のない友人たちが、ぼくに高価なマツタケをおごってくれたのだ。これを食わねば男がすたる。まだ若かったぼくはそう思った。ぼくは思い切ってマツタケを口に入れた。あの時のどを下りていったマツタケのイヤな感触をぼくは忘れない。一時間もしないうちに全身にジンマシンが噴出した。顔は風船のようになった。夜も遅く、病院もしまっている。ぼくは後悔したが、後の祭りだった。明日の結婚式は中止しよう、という話が親戚の間でちらほら出始めた。今思えば、救急車を呼んでもおかしくない状態だった。深夜2時頃だったと思う。ジンマシンは峠を越え、徐々に引いていった。一番心配したのは友人たちだった。かわいそうに。
と、いうわけで、明日は結婚記念日なのです。

島うた

朝、珈琲豆を焼いているところに注文の電話があった。
奄美大島でお店をされているご婦人からだった。
彼女の声は、ゆったりとして、たおやかだ。
彼女と話していると、天気のいい日に、縁側に腰掛けてお茶を飲んでるような気分になる。
数日前、奄美大島に出張されてたKさんから、朝崎郁恵さんという方が歌う島歌のCDをいただいた。
どうしてそうなるのかわからないが、その歌声は耳にではなく、直接頭の中に聞こえてくる。(聞いてみたい人は鷹師店で聞けますよ)
遠い海の向こうから聞こえてきた電話の声。ゆったりとして、たおやかだ。
きっとそれは、島歌がはぐくんだ声にちがいない。