太陽が弱くなって夏が終わるように、ぼくのなかで何か弱っていく。なにかそこにぼんやりと見えてくるのだけど、なにか新しいものが現れるのではなく、なくなった何かの跡が見えてくるだけ。
夜のサボテン
店のお隣の家には、とても大きなサボテンが植わっている。おととい見たら花が咲いていた。ぼくが写真を撮っていると、奥さんが出てらして「花は夜に咲くんですよ。夜中に撮った写真があるから、メールで送りましょうか」とおっしゃった。ぼくはお願いした。「よかったら、このサボテン、あげましょうか」ぼくは欲しかったので、「ぜひください」と言った。ご主人が切り取ってくださったサボテンは、50センチ以上あり、ずしりと重くて片手では持てなかった。「10日間くらい干してから植えてください」とのことだった。何年くらいで、屋根まで届くサボテンになるのだろう。想像すると、とても愉快だ。ぼくの夏は、こうしてさらにステキなものになっていく。
以下、奥さんがメールで送ってくださった、夜のサボテン。
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さそり座
師匠との対話
大掃除開始
特殊相対性理論
夏祭りの頃
土曜日は仕事なのだけど、平日と違って、なんだかうれしい。気分は半ば、休みモードなのだ。豆を焼き終わって外の空気を吸うために駐車場に出ると、空の高いところで太陽が一人ギンギンにがんばって輝いている。ぼくは雲の写真を撮るのが好きなので、いい雲は出てないかな、と、ぐるりと空を見まわしたが、どれもイマイチであった。とりあえず店のビルの写真を一枚撮った。写真左に写っているステンレスの太いパイプが当店の煙突である。12月24日の深夜、サンタクロースはここから進入する。店に戻るとすぐに、お客様が次々にいらっしゃった。お客様でにぎわった店が静かになりはじめたころ、常連のAさんがいらっしゃった。彼女はいつも遠いところから1時間以上かけてコーヒー豆を買いにやってくる。休みの日しか来れないので、たくさん買っていく。今日は港祭りがあるそうで、道路が混雑する前に急いで帰るのだという。彼女を紹介してくれたお客様は、目の澄んだエキゾチックな美人だったが、一年前に結婚して以来、店に来ない。
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Aさん、見てるけ~
ケータイからだと、写真は見れないみたいだよ
パソコンで見てね~