気がついたら、ぼくは温泉に浸かっていた。
そうだ。
ぼくは今朝、ぼくを疲れさせているスイッチを選んで、全部offにした。
そしたらぼくは、ほとんどしゃべらなくなった。
ひろい植物園をぼくは歩いた。
園内を飛んでいたウスキシロチョウ♂
沖縄より南にしかいないはずだけど。 迷蝶かな?
バジル2世
憎きバッタがプランターのバジルを食い荒らすので、庭のプランターを二階のベランダに移した。半月ほど前のことである。ベランダに積み上げたブロックの上に載せておいたら、さっそくそこにネコが乗って、落ちた。仕事から帰って水をやろうとベランダに出てみると、プランターはお椀を伏せたような悲しい姿になっていた。ぼくは泣く泣くプランターを起こし、あたりにこぼれた土をかき集め、くしゃくしゃに折れ曲がった3株のバジルを元のように丁寧に植えなおした。
ぼくはネコをしょっ引いて、顔を思い切り左右に引張ってやろうと思ったが、ネコがプランターとともに落ちるさまを想像したら思わず笑いがこみ上げ、そんな気分は吹き飛んでしまった。このネコは先日も二階の網戸を駆け上り、弾みで外れた網戸とともに一階の駐車場に落下したのである。ぼくはぐちゃぐちゃに折れ曲がったバジルをあきらめていたのだが、毎日水を欠かさず与えていると、見よ、生え際や折れ曲がって水平になった茎から立派な茎が何本も立ち上がり、以前の数倍もの葉を茂らせたのだ。ところで今日は、知覧町の特攻基地に行った後、腹がへったので某そうめん流しに行ってきた。空いた席に座ると、そこはバベルの塔に似た左利き用そうめん流し器のあるテーブルであった。ぼくは新しくできたメニュー、「ハーブ焼定食」というのを食べた。ハーブ焼きとは、ローズマリーをまぶして塩焼きにしたニジマスのことであったが、とてもうまかったのは言うまでもない。
以下、2006年3月 6日の記事「バベルの塔」から貼り付けました。
↓ ちなみに、ふつうのヤツ ↓
A LONG VACATION 2日目 未知との遭遇
はやくもLONG VACATIONは2日目に入ってしまった。数日前の予報では曇り一時雨とのことであったが、朝から思い切り晴れていた。そんなわけで、車は山を超えて海に向かっていた。行き先は笠沙にある例の海辺のレストラン。なぜそこに行ったかというと、お盆でも開いているかどうか気になったからである。行ってみると開いていた。しかも客が多い。少し意外であった。コーヒーを飲んで、次の目的地に走った。実をいうと今日の本当の目的は開聞山麓のハーブ園でハイビスカスシャーベットを食べることだったのだ。店に着いたのが4時。閉店は5時とのことだったが、ペルー風リゾットがセットになっているAランチを頼んだ。まだ昼ごはんを食べていなかったのだ。シャーベットは思ったとおり、とてもうまかった。ぼくはしみじみと食べた。これでぼくの夏も終わりである。ハーブ園を後にし、近くの某植物園に向かった。
この植物園では現在、「竹とうろうの夕べ」というイベントをやっていて、夜の10時まで園内をぶらつくことができる。ぼくは「竹とうろう」には興味がなかったが、夜中に園内をうろつけるのには興味があった。日が沈む頃、開聞岳が望める広場に行ってみたが、夕日はもう沈んだあとだった。せっかくなので写真を撮っていると、山頂付近を銀色に光る球形の物体が移動している!飛行機にしては小さすぎるし…。そうだ、アレはいわゆるひとつの、UFOだ!
ぼくは無我夢中でシャッターを切った。
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北北東に進路をとれ
朝起きたら晴れていた。家を出たのが6時半。某国営ラジオを選局すると、昭和を髣髴とさせるあの番組をやっていた。特に聞く義理はないのでメモリープレーヤーに切り替え、TAKANAKAをかけた。山を超え、松林を抜けるとそこは海である。満潮であった。なんだか、いつもの海とは違う感じがした。チューニングがなかなか合わない。いつもなら海とぼくの波長はすぐに同調するのだが、今日はうまくいかない。海を眺めながらぼんやりしていると、遠くから役場の出納係みたいなおじさんがこちらに歩いてくる。通り過ぎてくれないかな、と思ったが、ぼくの横で立ち止まって、おもむろに海に向き直り、「今日はうねりがありますねー」とか言った。そっと横目で見ると、サザエさんに出てくる波平によく似ていた。なんとなく時空に乱れが生じ、そこだけ昭和にタイムスリップしたような変な雰囲気になった。おじさんは200字くらいしゃべるとUターンして戻っていった。ぼくは何気なくおじさんの足元を見た。影があるか確かめたのだ。しかし、ちゃんと影は付いていた。ぼくは顔と肩にサンオイルを塗り、ゴーグルをかけて海に入った。泳ぎ始めると、妙な違和感がある。なんだかおかしい。水が濁っているせいもあるのだけど、いつもと違う変な感じがする。ぼくはすぐに陸へと引き返し、海から上がってタオルで髪や体を拭いた。これといった理由はないのだけど、今日は泳ぐのは止めることにした。せっかくここまで来たのだし、すぐに帰るのはもったいなかったので、浜辺を走り回っているカニとしばらく戯れた。コンデジを持ってきていたので、それで何枚か写真を撮った。時計を見ると10時だった。
来た道を引き返し、山を超え、高速道路を飛ばして家路を急いだ。この時間なら、まだどこか遊びに行けそうだ。ICを下りて、坂を上っているとき、ケータイが鳴った。息子からだった。「今すれ違ったよ」という。ホームステイでアメリカに行く息子をヨッパライ某が空港に送るところだったらしい。「ぼくは今から霧島にドライブしようと考えてたんだけど」というと、「じゃあ、引き返してくる」という。息子の荷物をぼくの車に載せ変え、ぼくはコンデジをデジイチに取り替えて、空港に出発した。空港で息子を降ろし、車は霧島へと向かった。いつものようにえびの高原のレストハウスに行くと、建物がリニューアルされてきれいになっていた。今日は「夏休み、わくわくランチ」という新しいメニューができていたので、それを食べた。簡単にいうと給食のような味だった。高原をうろついていると、だんだん人が増えてきて騒がしくなったので、静かなところに行こう、ということになった。人気がなくて、閑散としている所。それは高千穂の麓、御池であった。ボートを借り、きょうはのんびりと漕いだ。いつものようにタイムトライアルをするには暑すぎる。
サマーカンカン
指宿に向かう海岸通りを気持ちよく走っていると、突如、前を走っていた車が路肩の砂塵を巻き上げ始めた。ぼくは真夏でも車のクーラーを使うことがない。カンカン照りの焼けたアスファルトの上を、窓を全開にして走る。クーラーのボタンというのは飾りなのであって、押してはいけないのだ。男の美学とはそういうものである。
前の車がモウモウと砂を巻き上げ始めたので、あわててぼくは窓を閉めた。すると車内はたちまちサウナ状態になり、まずい状態になった。しかたなく、ぼくはあのボタンを押した。海岸通りをしばらく走っていると、左前方に魚見岳と知林ヶ島が見えてきた。今日はいつになくはっきり見えて美しい。まるでぼくを呼んでいるようだ。ぼくはハンドルを左に切って、魚見岳へと向かった。久しぶりにのぼる魚見岳。展望台からの眺めはすばらしかった。左手に小さく見えるのは桜島。
魚見岳をあとにし、ぼくはいつもの某植物園に車を走らせた。時計は12時半を指している。炎天下、園内をうろついてる人はだれもいない。ホースを握った係りの人が、あちこちで水をまいている。のどが渇くせいで、氷水を入れてきた水筒も、すぐに空っぽになった。園内を歩いていると、かなり高いところを甲虫が飛んでいくのが見えた。その独特の飛び方はタマムシだ。
手の届くところにとまったら捕まえようと思い、目で追ったが、林の向こうに飛んでいってしまった。青い空に白い入道雲。すっかり夏だ。とてもうれしい。帰り、エントランスホールの前に植えてあるビロウの上を、タマムシが飛んでいくのが目に入った。タマムシは樹上をくるりと旋回し、近くのビロウの葉にとまった。
しかし、ずいぶん上のほうで、ぜんぜん手の届かないところだ。そう、欲しいものはなかなか手が届かない。
コパカバーナの夏
今日は「海の日」とかいう祝日であった。月曜日が定休日のぼくとしては、どちらかというと迷惑な日なのだった。ぼくは原則的に日曜日や祝日には外に出ない。どこに行っても人が多いからだ。しかし、朝起きて空を見上げると、晴れている。ぼくは原則的に、よく晴れた日にはドライブに出かけることにしている。そんなわけで、車はいつものように山を超え、海に向かっていた。白い入道雲が、山のあちこちからピョコンと頭を出している(カワイイ)。なんて気分のいい日なんだろう。昼ごはんにはまだ早かったので、亀ヶ丘に上ってみた。丘の上では、何人かの人が集まって空を飛ぶ準備をしていた。風が少し強いせいで、飛びにくいようだったが、頃合を見て、音もなくふわりと飛び立って行った。行き先は中国だろうか。腹が減ってきたので、来た道を引き返し、海岸道路沿いにある越路浜食堂というところに行ってみた。魚のてんぷらと刺身の定食を頼んでみたが、大変おいしく、満足した。月曜日も開いているようだし、次からはここに来よう。
コーヒーを飲みたくなったので、某海辺のレストランに向かった。開いているかどうか心配だったが、開いていた。店にはいると、店の奥の席に怪しげなオジサンが数名集まって、こそこそとソーメン流しをやっていた。もしかすると新しいメニューを研究中なのかもしれない。メニューといえば、道路際の看板がリニューアルされていた。今までにないメニューが書き加えられている。
しかも、その文字列はアナグラムになっていて、メニューの配列を写真右のように変えると「コパカバーナ」の文字が浮き上がる仕掛けになっている。ような気がする。海の見えるデッキでコーヒーを待っていると、そこにマスターがやってきた。「そのTシャツ、カッコイイですね」というと、
「これはね、ブルースハープをするナントカという人がナントカカントカ…」みたいなことを説明してくれたのだが、ぼくはすぐに忘れてしまった。「マスター、そのTシャツ、よく似合うから写真に撮らせてよ」というと、「いいよ、できた写真はキレイな人に見せてやってね」と、なんかわかりにくいことを言った。帰ろうとすると、「パン、いるね」というので、「いるいる」というと、焼きたての手づくりレンガ焼パンを4個もくれた。マスターは本当はいい人なんだとぼくは思った。コパカバーナ・レストランを後にし、銀河ライダーを見に、風車村に行ってみた。ここは、なぜかとても好きな場所なのだ。2年前の銀河ライダーは、銀河ーイダ…、になっていた。
タコ病
朝の海は気分がいい。砂丘にも、海にも、だれもいない。ぼくはゴーグルをつけて泳ぎはじめた。ここのところ雨が降らないせいか、水が澄んでいる。少し沖に出たところで、クラゲに出あった。クラゲと遊ぶのは退屈しない。動きがユーモラスだし、形もヘンテコでおもしろい。しばらくクラゲと遊び、再びあてどもなくユラユラ泳いでいると、海底でナニか白く光るものが見えた。貝殻かな、と思って潜ってみると、タコノマクラだった。まずい。タコノマクラを手にすると、ぼくはあのビョーキが出るのだ。タコノマクラを指に挟み、スナップを効かせ、10メートルくらいピュッと飛ばす。着水を見届け、ダッシュ。途中から潜水し、タコノマクラが海底に着地する前に手のひらでやさしく受けとめる。見失ったり、タコノマクラを海底に着地させてしまったら負け。投げたディスクを犬に空中キャッチさせるゲームがあるけど、あれと同じ。カモ。学生のころに思いついた遊びなのだけど、今でも海に行くとこれをやってしまう。今日も無我夢中でやってしまい、気がついたら2時間以上やっていた。なんでこんなにハマるのか、自分でもよくわからない。なお、浅いところでやると、タコが早く海底に着地してしまうし、深すぎると、深追いして危険です。天気の悪い日や、水がにごっている日には向きません。タコが見えないので。
今日はコンデジで撮りました。
ムスクの謎
正円池のホテイアオイを眺めたあと、ひっそりした吹上浜公園を通りぬけ、松林の中を歩いて海へと向かった。時計を見ると、ちょうど12時。太陽は真上にあった。セミの声に包まれながらしばらく歩いていると、ふいにエロティックな匂いがぼくの鼻をくすぐった。それはムスクの匂い。なんで、こんなところでムスクが匂うのだ。ジャコウジカ?ジャコウネコ? まさか。ぼくはあたりを見回した。もちろん、何もいない。セミがうるさく鳴いているだけ。ぼくは再び歩き出した。すると、またもや草いきれに混じって夜を思わせる悩ましい匂いが。??? ぼくの頭はクエスチョンマークでいっぱいになった、と、目の前を、大きな黒いアゲハが横切った。ジャコウアゲハのオスだ。もしや。ジャコウアゲハのオスは、ムスクの匂いがするんじゃなかったっけ。そう、それが名前の由来じゃなかったか。でも、これほどに鮮明な匂いを発するものなのか。道をそれ、下生えの繁茂する林に分け入って行くと、ジャコウアゲハのメスが藪の中を器用に飛び回っていた。たまに草の葉にとまるようなので、行って見てみると、それはヤマイモに似た蔓性の植物で、ジャコウアゲハの幼虫が食べるウマノスズクサの仲間らしかった。どうやら産卵している様子。
下の写真は二週間前に撮ったジャコウアゲハのメス。
ぼーっと海を見ていた午後
ぼくは海に向かっていた。峠を超え、道が下りになったあたりから青空が見えてきた。港のそばの魚料理店で昼食をとったあと、海に面した某美術館に向かった。美術館の屋上で塀にもたれ、なにも考えず、ぼーっと海を眺めながらコーヒーを飲んでいた。すると、美術館の中庭で、なにやら大声がする。屋上から、中庭の人に「なにかあったんですか?」とたずねると、受け付けのご婦人と、棒を持ったオジサンがぼくを見上げ「ヘビが出たんですよ」と言った。おもしろそうなので行ってみると、パティオ横の厨房に据えてある冷蔵庫の後ろにヘビが逃げ込んだとのこと。冷蔵庫の隙間から奥を覗き込んだが、何も見えない。
「冷蔵庫を引っぱり出しますから、よく見ててください」
ぼくは棒のオジサンにそう言うと、満身の力を振り絞って冷蔵庫を引きずり出した。
「いた!」オジサンは叫んだ。見ると、1メートルくらいのアオダイショウが壁際で体をクネらしている。ぼくはオジサンの棒を借りてヘビを引っ掛け、中庭に放り出し、靴で頭を押さえつけてビニール袋に入れた。「これ、どうします?」というと、オジサンは「こちらで処分します」と言って、ヘビ袋を受け取った。やさしそうなオジサンだったので、山に帰してあげたかもしれない。ぼくは再び屋上に上がり、コーヒーを飲みながらぼんやり海を眺め、体にエネルギーが戻ってくるのを待った。風邪は治ったものの、体調がなかなか戻らない。ぼくのカラータイマーはまだ点滅し続けている。今日は定休日を利用し、体調を戻す目的でドライブしているのだった。美術館の帰り、吹上浜にも寄ってみた。砂丘にはハマゴウやノブドウが広がっており、ノブドウは満開だった。そのみすぼらしい花にジャコウアゲハがたむろしている。花のそばでじっとしていると、彼女らは恐れずに寄ってくる。ぼくのシャツの柄が花に見えたのかもしれない。しばらくすると、ぼくは彼女らと同じ絵の中にいるような、幻想的な気分になった。それはエミール・ガレのガラス器「日本の夜」に描かれている不思議な蛾の群れの中のよう。
50円の金魚
きょうは定休日。久しぶりに南薩方面に出かけることにした。もし雨だったら、映画、「THE BUCKET LIST(棺おけリスト)」 を見に行くつもりだったが、予報どおり、朝起きると晴れていた。一時間後、ぼくはいつもの海岸通りを走っていた。左手にはいつもの海が広がっている。
チョイスしたBGMは、TAKANAKAの古いアルバム。久しぶりに見る海はとても大きく感じられた。海の景色と匂いが、ぼくの気持ちをみるみる軽くしていく。それは頭痛にノーシンが効くのによく似ている。いつもの植物園に着いたのは昼前だった。植物園には目的があった。数日前、ロビさんのブログで、ジャカランダが咲きはじめたことを知ったので、それを見るため。
去年行ったときは、落ちたジャカランダの花が、青いカーペットを敷いたように通路を覆っていた。今日はまだほとんどがツボミだった。ジャカランダの並木道の手前で、ヤマボウシが満開だった。清楚でとても美しい。田中一村の作品で一番好きなのが「白い花」なのだけど、それはヤマボウシが好きだからかもしれない、と思った。
ジャカランダの並木道を抜け、大きな花壇を過ぎると松林がある。そこに置いてあるベンチがすてきだ。座ってコーヒーを飲んでいると、頭上で風の音が聞こえる。この植物園は人工的なものだけど、ちょっと探せば、遠い昔の風や波の音が聞こえる場所がいくつかある。ベンチに腰掛け、目をつむると、遠い風の音が聞こえてくる。レストランで食事をとって、近くの屋内庭園に向かった。入り口の石垣でトケイソウが満開だ。
トケイソウの英名はパッションフラワーだが、その由来はキリストの受難(Passion)だ。同行のヨッパライ某に、花の形状と名前の由来の関係を説明すると、え~っ!と言って絶句した。庭園を出て、空を見上げると、太陽のまわりに虹色の輪ができていた。先日の環天頂アークを思い出す。ちょうど飛行機雲が地平に伸びていて、まるでイカロスの墜落のようだった。帰りに「ムー大陸」に久しぶりに寄ってみたくなって、曲がりくねった細い道を登った。
が、突き当りの朱色に塗られたエキゾチックな門に「工事のため、しばらく休みます」という貼紙がしてあった。しかたなく、近くの某怪獣池でソフトクリームを食べることにした。一口食べると、そこに口が現れた。何か不満があるような口だったが、何も言わなかった。某怪獣池を後にし、右手に海を見ながら走っていると、ふいに「しなくてはならないリスト」にのせている、あることを思い出した。
それは「金魚を買うこと」なのだった。玄関横の手水鉢にボウフラが湧いているのだが、その手水鉢の中は、今やスターウォーズ・クローンの逆襲に出てくるクローン製造基地に匹敵する勢いで次々と吸血蚊が生産されている模様なのである。対策用にメダカを一匹お客様から頂いたのだが、まったく歯が立たない。車は某ホームセンター横のペット売り場に向かっていた。買おうと思っているのは、黒のデメキンだ。
なぜ黒かというと、近所のネコが水を飲みに来るので、ネコに見つからないように、という配慮である。デメキンを探して店内をうろついていると、それらしいのが泳いでいる大きな水槽が見つかった。しかし、その価格を見て、それこそ目が飛び出た。380円!ぼくは20円くらいだろうと思っていたのだ。安い金魚を探して店内をうろつきまわる二人。
だが、20円の金魚は見つからず、棚の下の目立たないところに「金魚50円。自分では選べません」と書いた札が貼ってある水槽を発見した。黒が欲しかったが、贅沢は言ってられない。「これください」と言って、5匹買った。250円。そういえば、某怪獣池のソフトクリームも250円だったっけ。