走るヘッドライト

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かなり古いが、井上陽水の歌にこういうのがある。
「昼寝をすれば夜中に眠れないのはどういうわけだ」
ぼくは思う。それはあたりまえじゃないか。
だったら、これはどうだ。
「夜中に車を走らせると元気になるのはどういうわけだ」
ぼくは夜中にドライブすると元気になる。
へたな薬よりよく効く。
どうしてなのかわからない。

雨の日

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雨の日は憂うつだ。
オレは棚から魔法のポットを下ろし、その側面をこすった。
すると白い煙とともにターバンを巻いた魔人が現れた。
「はい、ご主人様。なにか御用で」
「バーロー、用があるから呼んだんじゃねえかバーロー」
オレは機嫌が悪かった。雨の日は憂うつだ。
「はい、ご主人様。なんなりとお申しつけください」
「晴れた海岸通りをオープンカーでブッ飛ばしたいぜ、バーロー」
次の瞬間、オレはポルシェカブリオレでコパカバーナの海岸線を走っていた。

アイスクリームな午後

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急に暖かくなって
白い花が日差しを浴びてキラキラ。
なまぬるい風が、やわらかい若葉をゆすって
ジャスミンの甘い匂い。
なんだか、ウキウキ
というより、ムズムズ。
ちょっと熱っぽい
ぼくはアイスクリームをしゃくっている。

火星は今日も曇りだった

気がついたらぼくはシャワーを浴びていた。そうだった、昨夜はKさんちで花見をしたのだ。ぼくはマタイ受難曲を聞きながら酒を飲んでいた。ぼくは何をしゃべっていたのだろう。あまりしゃべらなかったような気もする。ぼくは酒を飲みながら、第二次世界大戦前夜に録音されたというマタイ受難曲を聞いていた。家に帰ったぼくは階段を上り、ベッドに倒れた。気がつくとぼくはシャワーを浴びていた。窓の外は明るかった。でも曇っている。朝だった。ぼくはシャワーを浴びながら思った。火星は今日も曇っている。シャワーに打たれているとだんだん変な気分になってきた。今にも脱皮しそうだ。ぼくはシャワーを止め、脱皮するのを待っていたが、何も起きなかった。

ある日

裏門のプールの前でぼくは待っていた。そろそろ来る、と思ったとき、小学校の裏にある墓地の細い道を下ってくるものが見えた。木々の間から土煙が上がっている。墓地を下ってくる何かは、ぼくにとって、あまりよいものでない。ぼくは古い約束を憶えていた。逃げようとは思わなかった。やがて現われたのは、この世のものではなかった。それがぼくの前に立ったとき、あたりは急に暗くなった。思わず空を見たが、晴れ渡った空には雲ひとつなかった。目の前のそれは何をするでもなく巻き戻されるように進路を後退し始めた。ぼくはあとをついて歩き始めた。ランドセルを背負った子供たちが歩いて来る中を通り抜け、裏門を出た。学校は高い石の塀で囲まれていて、塀の外は薄暗い砂利道だった。砂利道を南に下りたところに背丈の二倍ほどの石積みの柱があり、風を集めてさびしい音を立てていた。そこを西に折れ、山に向かう細い道に入った。坂に沿って四角い石が並んでいる。石には文字が刻まれており、どれも古く小さく、傾いていていた。曲がりくねった道がまっすぐになり、あたりが開け、腐った花の臭いがする風が止んだ頃、ぼくは遠くに小高い丘があるのを見た。そこだけが周囲より明るく、宙に浮かんでいるように見えた。

二人で仕事

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店で一人で仕事をしていると、お客さんが何人いても、店で仕事をしているのは、ぼくただ一人だ。あたりまえだけど。今日は某雑誌のK氏が取材に来てくれた。すると、店の中で仕事をしているのは二人になった。ぼくは彼の記事が、読者にとって、おもしろくなるように努力する。もちろん、彼も同じだ。同じ目的に向かって仕事をする二人。二時間の間だったけど、とても楽しかった。

メタボリックシンドローム予防は

昨日はエイプリルフールだった。毎年のことだけど、この日はけっこうダレる。まず第一に、ぼくの周りにはぼくを引っ掛けようとする連中がウヨウヨしている。以前ぼくにだまされた友人たちが逆襲を掛けてくるのだ。電話が鳴るたびにびくびくする。次に、ネットを徘徊していると、ウソの記事が待ち構えている。意外な記事に出くわしたとき、「どうせウソだろう」と思ってると本当だったりするのが困る。
さて、昨日、いつものようにネットを巡回していると、某ブログにおもしろい記事が上がっていた。それは、メタボリックシンドローム予防は「デブ狩り」の危険をはらんでいる、というものだ。ぼくはその問題にはさほど関心がなかったのだけど、その記事にあったyoutubeのビデオがとてもユニークだったので、ここに貼り付けてみたというわけ。

ある決心

朝起きた瞬間から、ぼくはとても悲しかった。どうしてぼくは嘘つきなのだろう。ぼくはだれにでも平気で嘘をつく。このブログに書いてることだって、ぜんぶ嘘だ。するとあなたはこういうだろう。なんだ、そんなこと、いわなくたって分かっていたよ。そうか、あなたはそこまでいうのか。冷たい人だ。ああ、もうだめだ。もうこの社会では生きていけそうにない。ぼくは醜いアヒルの子といわれつつも本当は白鳥なんだと信じていたニワトリのように悲しい。でも、希望を捨てたわけじゃない。まだ間に合うかもしれない。ぼくは今、心に決めた。もう嘘をつくのはやめよう。