裏門のプールの前でぼくは待っていた。そろそろ来る、と思ったとき、小学校の裏にある墓地の細い道を下ってくるものが見えた。木々の間から土煙が上がっている。墓地を下ってくる何かは、ぼくにとって、あまりよいものでない。ぼくは古い約束を憶えていた。逃げようとは思わなかった。やがて現われたのは、この世のものではなかった。それがぼくの前に立ったとき、あたりは急に暗くなった。思わず空を見たが、晴れ渡った空には雲ひとつなかった。目の前のそれは何をするでもなく巻き戻されるように進路を後退し始めた。ぼくはあとをついて歩き始めた。ランドセルを背負った子供たちが歩いて来る中を通り抜け、裏門を出た。学校は高い石の塀で囲まれていて、塀の外は薄暗い砂利道だった。砂利道を南に下りたところに背丈の二倍ほどの石積みの柱があり、風を集めてさびしい音を立てていた。そこを西に折れ、山に向かう細い道に入った。坂に沿って四角い石が並んでいる。石には文字が刻まれており、どれも古く小さく、傾いていていた。曲がりくねった道がまっすぐになり、あたりが開け、腐った花の臭いがする風が止んだ頃、ぼくは遠くに小高い丘があるのを見た。そこだけが周囲より明るく、宙に浮かんでいるように見えた。
“ある日” への3件の返信
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「天国」を見たんですか[E:sign02]
それとも、「夢」ですか!?
お久しぶりです↑(^^_)ルン♪
相変わらずのご様子で安心しました(笑)。
今日は、隣の公園で[E:cherryblossom]祭りが開催されるので、朝から出店の方々は、開店の準備におほわらはです。
☆かずさん、リンク先の「そううつだもの」さんの記事のマネをして、ぼくも夢を綴ってみました。なんだか奇妙な情景ですよね。最後に出てくるのは天国なのかな。
☆chikako~♪さん、ぼくはあいかわらずですよ。そして元気です。chikako~♪さんちのそばの桜、きれいでしょうね[E:shine] 店の近くを流れる川の河畔に植えてある桜は七部咲きといったところ。天気が悪いので、花見はちょっとつらいかも[E:cloud] 先ほどいらしたお客さんの話では、青シートを広げてあったそうです。風邪ひきそう(笑)