エビ天

大掃除が終わると予定通り松元町の某ソバ屋に行った。
ここのソバに載ってるエビ天はとても大きく、揚げ立てでうまい。
というわけで、ぼくはエビ天ザルの大盛りを頼んだ。
ヨッパライ某は生ビールさえあればソバは何でもいいという感じでエビ天。
娘はエビ天おろしソバ、息子はエビ天ソバ大盛りを注文。
四人でテーブルを囲んでソバをすすっていると、パリーンという大きな音が店内に響いた。
となりのテーブルの誰かが茶碗か何か落としたのだった。
店内は一瞬にして静まり返り、緊張が走った。
その時、店にいたそれぞれの人はどんなことを思ったのだろう。
なぜかぼくの脳裏にはパリーンという破砕音のオシロ波形が浮かんでいた。

大掃除

明日から3日間、お店は休み。
でも、明日は店の大掃除をするので、体は仕事モードのままだ。
いつものパターンで工程を進めると、午前中に煙突掃除と棚の掃除が終わる。
昼飯は買ってきたホカベン。
機械の分解掃除や残りの作業が済すむころ、日が暮れ始める。
大掃除終了後は、いつものように松元IC近くの某ソバ屋に行く。
これが大体8時ころ。

赤とんぼ

あさってからお盆。
盆には物故者が帰ってくる。
赤とんぼに化けて帰ってくるという。
ほのぼのとしたいい話だ。
でも本当だったら困る。

男の世界

お盆が近づいてきた。
お盆にはお店の大掃除をする。
珈琲を焙煎する機械も分解し、ススを落とす。
プロ用の機械というのは、とても頑丈に作ってあるので重い。
それを、ヒイヒイ言いながら分解し、スクレーバーとブラシで掃除する。
数年前までは、機械の分解掃除と煙突掃除を一日で済ませていた。
しかし、去年から機械の分解掃除は先にやっている。
暇な時間に、部分ごとに少しずつ分解、掃除、組み立てを終わらせていくのだ。
煙突掃除は服が汚れるので一気に行う。
ねじ回しや、スパナといった工具を使うのだが、なかなか楽しい作業だ。
たぶん、女性には分からない世界だと思う。

みんなのうた

録画してあった、映画「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」を観た。
登場プレイヤーたちの中心年齢は90歳くらい。
すげぇ年寄りばっかりだ。しかし、へたすると、ぼくより若いかも。
同タイトルのCDはお店でも時々聞いているのだが、スペイン語なのでさっぱりわからなかった。
映画では曲が流れると日本語字幕が出る。とてもいい詩ばかりで、目からウロコが落ちる思いだった。
それはとても身近で具体的な内容。それをあの世が近くなった老人がのびのびと歌う。
彼らにとって大事なのはモノではなく、異性、友達、街、国、そして音楽。
思ったことをそのまま声に出して歌う。ただそれだけ。わざとらしさのない、風のような音楽だった。

老人と海

今日は朝から休み。久しぶりのカンペキな休みである。丸一日好きなように使える。
と、いうわけで南に向かって車を走らせた。
国民休暇村の階段状になった防波堤でぼんやり時を過ごす。
老人のように海を見つめていると、ずいぶん昔ここで花火をしたことを思い出した。
海に老人は付き物だが、花火と老人は結びつかない。あたりまえだが、あの時はもう帰って来ない。
昼ごはんは知覧の「そば道楽」で食べた。ぼくはなぜか「そば道場」と記憶していた。
251_1 帰り、ナフコでカキ氷機を購入。590円。
夕食後、小豆と練乳でさっそくかき氷を作った。
息子には「これは5,900円もしたんだから壊すなよ」と注意した。
すると「2,980円ぐらいじゃないの」と、正しそうな意見を言ったので、「ほう、よくわかったな」と褒めてやったらうれしそうだった。
ヨッパライ某にも「あんたは酒を飲んで炊事をするから、コレを洗うときは気をつけるように」
と、中のステンレスの刃を見せて注意した。

日曜日の朝

昨夜飲んだワインのせいで、なかなか起きれない。
8時前だというのにまだベッドの中。ぼくはまだ寝ていたい。
寝室のドアを開けると朝日が差し込む。
そう設計したので、天気のいい朝はそうなる。
ぼくより先に起きた人がドアを開け閉めするたびに、部屋が真昼のようになる。
開いたドアの方で人の声がした。「8時だよ」
ぼく専用の目覚ましは、人の声である。
そういうふうに人生を設計したつもりなので、そうなる。

海日和

午前中は忙しかったが、午後からは猛烈にヒマだった。
あのひと、このひと、そのひと、某新聞社の取材、ポツリ、ポツリ、ポツリ…
数えることができるくらいの人数であった。
外はとってもいいお天気なのだった。ぼくが休みだったら吹上浜で泳いでいるだろう。
つまり、健全な老若男女達はカーステレオにチューブのCDを突っ込んで海に出かけたのである。

スローなブギにしてくれ

もうすぐお盆だ。
夏も終わりが近い。
ぼくの中では始まったばかりの夏なのに。
なんでこんなに時が過ぎるのが早いのだろう。
もう少しスピードを落としてくれないだろうか。

トリップ

家に帰り、屋上に上がって杏仁豆腐にウォッカを入れて食っていた。
変だ。何かがおかしい。不安だ。
日はとっくに落ちて、暗い空をちぎれ雲が流れている。
いつもなら西から東に流れる雲が今日は逆に流れているのだった。
不安の原因はそれだった。
ビデオを逆回しに見ているような感じ。
時間が逆に流れ出したと思った。