ある暑い日のフライマン

街の中を走っているとき、外気温は35度と表示されていた。たしかに今日は暑い。となりの女性に、クーラーを入れようか? と聞くが、いや、いい。という。窓を開けて走っているのは、ぼくらの車くらいだ。用事を済ませ、どこかで昼ご飯を食べることにした。

頭に浮かんだのは例によって海の横の食堂だった。ここで海鮮丼を食べよう、ということになった。こんな暑い日に熱いものを食べるのは変わり者である。ところが思いがけず困った問題が発生した。この店は、ご飯のお代わりができるのだが、常識的に考えて海鮮丼のお代わりができるとは思えない。ぼくは猛烈な暑さのせいで猛烈に腹が減っていたので、しかたなくお代わりのできる魚フライを注文した。運ばれてきた魚フライを半分食べたところで、ご飯のお代わりをし、やってきたお姉さんに聞いてみた。海鮮丼でお代わりはできるんですか? なんだか恥ずかしい質問だった。しかし、答えは意外にも「できますよ、ふつうのご飯か酢飯が選べます」とのことだった。