花の苗を買いに行った

110926_01
雨が降っていて憂うつだった。
ポケットに1000円つっこんで、花の苗を買いに行った。
苗の店は、ぼくの住んでいる団地を上った丘の上にある。
駐車場に車を止め、雨にぬれながら歩いていった。
ぼくの欲しかった花はなかった。
それはノースポールという花。季節が違うのだろう。
近くで女性の声がした。いつ来たのか六十代の上品な夫婦が仲良く花の苗を選んでいた。ご主人に意見を伺いながら選んでいたが、意見が効力を発揮することはなかった。ぼくは84円のペチュニアを五つと380円のジャスミン一つをかごに入れた。
レジに行くと、先ほどの夫婦が前に並んでいた。
かごにはたくさんの苗が詰まっていた。どれも高価な苗だった。
ぼくは1000円出して、おつりをもらった。
駐車場に行くと、先ほどの夫婦が苗を積み、帰るところだった。
千葉ナンバーだった。引っ越してきたのかもしれない。