どこで知り合ったんですか?

午後8時、近くの山の上のホテルで式を挙げられた二人が、その帰りに店にやってきた。二人とも当コーヒー店の常連客。彼氏は5年ほど前から、彼女は10年近く前から店に通ってくださっている。たまたまカウンターに同席したのがきっかけで、それから約2年後の今日、めでたく挙式されたのだった。閉店時間はとっくに過ぎていたが、3人で写真を撮ったり、いろいろな話題で盛り上がった。二人の話を聞いていておもしろく思ったのは、「どこで知り合ったんですか?」と尋ねられたときに、一言で答えにくくて困る、というはなし。この店が喫茶店ではなく、コーヒー豆の販売店なので、説明がややこしくなるというのだ。「コーヒー豆屋で知り合いました」と答えると、相手は首をひねる。たしかに、コーヒーを買うだけの店で運命の出会いが起こるとは考えにくい。そこでこんな説明を付け加えることになる。その店にはコーヒーのテイスティングをするためのカウンターやテーブルがあるので、喫茶店とほぼ同じシチュエーションが発生するんですよ、と。確かにややこしい。そこでぼくは二人に言った。「喫茶店で知り合った、といえばいいんじゃないの」と。まあ、それにしても今の時代、喫茶店で知り合う恋人たちなんて、いったいどれくらいいるのだろう。二人は明日ハネムーンに旅立つ。行き先はハワイだそうだ。い~な~っ

“どこで知り合ったんですか?” への8件の返信

  1. そう、ぼくもそう思いたいですから、お二人には末永く幸せでいて欲しいと、切に願っているのです(笑)
    ところで、次のような話は、案外よくあるパターンなのではないでしょうか。
    「お二人はどこで知り合ったのですか?」
    「はい、南の島の、とある図書館で。目の前の席で本を読んでいたのが彼女なんです。その、ページをめくる仕草がとても美しくて」

  2. 素敵なシチュエーションですね。
    遠くから見ていて
    「ほれ根性ださんかい!」とか
    心の中でつぶやいて応援するんでしょ?
    自分たちが主役である時代は過ぎちゃいましたね。
    もうすぐやってきます。あの日が……。

  3. 気のせいかもしれませんが、今の男たちって、あまり女性には興味がなさそうにみえます。女性側からアプローチをかける風景は時々目にするんですけど。「ほれ根性ださんかい!」と、ぼくも思わず、口に出しそうになりますが、図書館ではまずいでしょうね。
    今年もそろそろあの日がやってきます。その日、乾杯をするとき、ぼくの顔も思い出してください。ぼくもそうしますから。

  4. 私は結婚してるので恋人はつくりませんが、仲間ができて感謝してます。一期一会ですね。これかもいろいろな人との出会いを楽しみにしています。

  5. ここで知り合って仲間になったお客さんは、ずいぶん多いと思います。もちろん、ぼくもそうです。これからも、いろんな人たちが出会っていくんでしょうね。ちなみに、皇徳寺のお店も、そんな感じのようですよ。

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