台風14号

台風が近づいてきた。
今度の予想コースは鹿児島市にとって、かなりアブナイ。
危険なのは左フック。
コイツを食らうと、風が強く吹く。よって、被害も大きくなる。
明日は休みだ。
台風が来るのはあさって。
このままだと明後日も休むことになるかもしれない。

流星

風が強いのは、わが家が高台のがけっぷちに立っているせいだ。
ぼくはいつものように屋上のテーブルに寝転がって星を見ていた。
逃げるように雲が流れていく。台風が近づいているから。
雲の切れ間から星が見え、思い出したように流星が飛ぶ。
ぼくは訳の分からない口笛を吹いている。
ぼくは酔っている。FourRoses.安いバーボン。

エビスから来た男

今日もI氏は、やってきた。今日は赤いシャツの友人を連れてやってきた。
「彼にココの豆を買わせようと思ってね」と、にやついた。
「今日はお客さんはどうですか?」
「来ないよ、まだだれも来ん」
「ふーん」と、眉根にシワを寄せ小首をかしげる。
心配顔を作ったつもりなんだろうが、どうみてもうれしそうだ。
彼がカウンターにいる間はお客様は少ない。来ない。
しかし、彼が帰ったあと、お客様が次々といらっしゃる。
疫病神なのか福の神なのか。

朝の演歌

午前11時を少し過ぎたころだった。走る魚屋が店の前に止まり、屋根のラッパ型スピーカーが派手に叫びだした。
「それでも~わたしは~あなたに~つい~て~ゆ~う~く~~~♪」
悪いけどぼくは朝からそういう気分にはなれない。
それにしても、どうして走る魚屋さんは演歌をかけるんだろう。
しかも、その歌詞は聞いているほうが恥ずかしくなるような内容。
いや、恥ずかしく感じるのはぼくだけかもしれない。
侠気に富む男に黙ってついていく女。美しい構図だとは思うのだけど。

5年

いよいよ8月も終わる。
店のカレンダーをめくり、9月にした。
あとひと月で、この店を始めて丸5年。
2000年の10月にオープンしたのだった。
9月に友達を呼んで、練習したんだよな。
手伝ってくれた友達の顔を思い出す。
だれしも、「やれやれ、コイツには困ったもんだな」という顔をしていた。
そう、困った友達は持ちたくないものだ。

最後の夏休み

291_1 あと2日で9月。
竹内まりやの「セプテンバー」を口ずさむまでも無く、ぼくの住む町では9月は秋に決まっている。
朝、ベッドから起き上がって窓を開けると、遠くまで青空が広がっていた。ぼくは夏にさよならをするために南に車を走らせた。
吹上浜に向かってスカイラインを走ってたのだけど途中で気が変わり、指宿に進路を変えた。国民休暇村の近くのナントカ(忘れた)ビーチに車をとめ、泳いだ。
釣り人が二人いるだけで、泳いでいる人はだれもいない。
沖で泳いでいると、次々とチョウチョが海を渡ってくる。あの小さな体で海を越えてくるのだった。
感動したぼくは、浮き輪でバチャバチャやってるヨッパライ某に指を刺して教えた。が、某はどうでもよさそうなそぶりだった。
ちなみにヨッパライ某は泳げないので浮き輪でプカプカ浮かんでいるだけだった。
前に進もうと努力している様子だったが、後ろに進んでいたので、ぼくは時々浮き輪のヒモをつかんで元の位置に引っ張ってこなければならなかった。
海から上がって時計を見ると1時になろうとしていた。2時間泳ぎ続けていたことになる。ちなみにぼくは浮き輪なしで海に浮かんで昼寝が出来る。
水着のまま近くの温泉に行った。やたら子供が多いので不審に思ったら、併設されている温水プールが目当てなのだった。子供が海にいないと思ったら、こんなところにいた。腹が減ったのでフラワーパークのレストランに行った。バイキングをやってたのでそれにした。アイスクリームがうまかったので、二つ食べた。
291_2 家に帰り、屋上のテーブルで沈みゆく夕日を見ながらビールを飲んだ。
楽しかった夏にさよなら。
 

びびる日もある。

何を書こうか。
なんだか書きづらくて、さっきからずっと筆が止まったままだ。
今日はけっこうお客様が多かった。
うちのお客様は主婦が多いのだけど、彼女たちと話していてヒヤリとさせられることがある。
それは、この日記を見ている、という声。
ごく普通の、あまりパソコンとは縁のなさそうな主婦にそう言われると、一瞬フリーズしてしまう。
今日はそういう主婦が数人いらした。
そんなわけで、びびりながら書いている。

夜空の十字架

屋上のテーブルに腰掛け、ビール片手に星空を眺めていた。
南の空では、さそり座が西に傾いている。夏も終わりだ。
ふと上空に動くものを認め、見上げると、ジェット機が白鳥座を横切るところだった。
白鳥座は別名NorthernCrossという。
南十字星(SouthernCross)がいびつな形をしているのに比べ、とても整ったかたちをしている。
夜空に輝く十字架。それは遠く静かな、まるでぼくには関係のない世界に見える。しかしそれはいつも耳元で語りかける。

多重人格

ちょっと古いけど、ダニエルキースの「24人のビリーミリガン」を読んでいる。
10年くらい前にヒットした、ビリーミリガンという実在する多重人格者をレポートしたノンフィクション。
読んでて気になったことがある。
ひょっとすると、ぼくも多重人格者なのではないか、ということだ。
なぜなら、タマに記憶の空白時間が生じることがあり、その時間に何をしていたか思い出せないからである。
もしや別の人格が起きだして、ナニかよろしくないことをしているのではあるまいか。
それとも単なるボケか。