知恵のあるものは、自分に知恵があるとは少しも思わないだろう。謙虚がそうさせるのでない。それが知恵だからだ。自分に知恵があると思う者には知恵が無い。知恵があると思うと見えなくなるものがある。隠されてしまう。その隠されたものこそ、知恵があると思う者が切に見たいと願っているものだから。これは悲劇だ。
夢の続き
夢の続きを見ようと思って、ワクワクしながらベッドにもぐりこんだが、続きは見れなかった。
Full Moon
だれもいないときに来る人
雨の音楽会
蚊柱
苺タルト
口笛吹いて空き地へ行った
ニュートンの南瓜
店のビルの屋上は菜園になっている。先月は瑞々しいレタスが屋上一面を覆っていたが、今日、屋上に上がってみると、無駄に巨大化したパセリが菜園の大部分を占拠し、人生を謳歌していた。一方、その傍らでは、こういう場所にはふさわしくないと思える、大柄なツル性植物が四方に陣地を広げはじめていた。夕方、菜園の管理人がコーヒーを飲みに来たので、ぼくは気になったことを述べてみた。
屋上のアレ、カボチャだよね。
ああ、カボチャだ。
キュウリじゃないよね。
ああ、キュウリじゃない。
そうか、そいつは危険だな。
は?
屋上から、はみ出ていたけどね。
ほう。
はみ出たところにカボチャが生って、それが落ちたらケガ人が出る。カボチャは重いからね。
ぼくは言った。
バカバカしい。
管理人は笑った。
しかし、ぼくは心配だった。そして次のような新聞の見出しが頭に浮かんだ。
「空から降ってきたカボチャに当たり、大ケガ!」
(写真で虹のように見えるのは環天頂アークです)