わが家の電化製品はナショナル製が多い。今回買い替えた冷蔵庫もナショナル製。今はパナソニックという変な名前になっているが。ナショナルの製品を選ぶ理由の一つが松下幸之助その人にある。ぼくがホンダ車をひいきにする所以が本田宗一郎にあるのと同じだ。松下幸之助のものの見方、考え方のユニークさにずいぶん惹かれていた時期があった。たとえば、「雨が降ったら傘をさす」。初めてこの言葉に触れたときの衝撃は今も忘れない。
夜、冷蔵庫を買いに行く
どこか遠くでオーケストラが演奏している。ヴァイオリンソロがそれを引き継ぎ、特色のある旋律を奏で始めた。パガニーニのヴァイオリン協奏曲1番。それにしてもどうしてこんなに暗いのだろう。ぼくは目を開いた。ヴァイオリンを鳴らしていたのは壁際の目覚ましラジオだった。ベッドから起き上がり、よろめきつつズボンをはいていると、よく知っている気がする女性が現れ、抑揚のない声で「れいぞうこがこわれた」と言った。なんだって? よく解らない。でも何か深刻な問題が発生したらしい。ブートストラップ中の思考能力はミミズにも劣る。つまり、ぼくは朝がヨワイ。顔を洗い、屋上に出て朝の空気を吸ってノーミソのギヤをローに入れ、階段を降りた。ただの箱になった冷蔵庫は心なしか悲しげだった。冷凍室に常備してあるアイスモナカを取り出し、ガブリと噛みつく。が、薄茶色の躯体は力なくひしゃげ、液化した中身がドロリと抜け落ちた。この冷蔵庫、何年使ったのだろう。”冷蔵庫”でブログを検索したところ、2005年5月18日に新しい冷蔵庫を買った、とある。約13年間、昼夜休みなく働き続けたのだ。お疲れさん。というわけで、仕事が終わった後、電気店に行って新しい冷蔵庫を物色。店員を呼んで、コレ、というと、すみません、水害のせいで、どれも納期が遅くなってまして・・・これは一ヶ月待ちになります。なんちー! 冷蔵庫のない生活を一ヶ月? そんなの想像力豊かなぼくにも想像できない。というわけで、すぐに配達できる冷蔵庫の中から再度選ぶことになった。結局、予算の二倍の冷蔵庫を買うことになってしまった。
19000
店の階段の照明の電球が切れた。電球には取り付けた日付が記してある。2012年2月15日。約6年6か月前。寿命を計算したら、約19,000時間。予想したより長寿命だった。
p.s.
もしかして、この電球を取り付けたときのことを記事にしてないかと思って2012年2月15日の記事を見たら、しっかりその翌日に書いていた。予備電球を収納している棚に空箱が大事に保管してあったので不思議に思っていたのだけど、これを読んで理由が分かった。すぐ切れたら返品するつもりでいたのだ
おいしい時間
夜も更けてきた。
早く寝なくちゃ。
でも、起きている。
溶けかかったソフトクリームみたいに
そして、秋
こんな夜
夏が暑かったせいか、なんだかとても疲れている。
さきほど、大西順子のアルバム、ビレッジバンガード2をiTunesストアからダウンロード。
ネヴァーレットミーゴー
こんな夜は、こういう演奏を一人で聞くのがいいね
ヒマ人の発想
午前の仕事が一段落ついたので、お借りしていた村上春樹さんと小澤征爾さんの対談本を読みはじめた。すると、いつもと何かが違うことに気付いた。対談本だから、そこには生の会話が記録されている。その紙上での村上氏の話し方がいつもと違うのだ。おそらく、先日、ラジオ番組で村上氏の声を1時間近く聞いたせい。ぼくはそれまで村上氏の声を聞いたことがなかった。そういうわけで、本の中の村上氏の仮想の声が突如、本物に置き換わってしまったのだ。これはおもしろい、と思い、ネットで小澤征爾さんの対談動画を探しだし、そのおしゃべりをしばらく聞き続けた。結果、紙の上での対談が映画の3Dみたいにリアルになるんじゃないか、と思って。でも、本に戻ろうとしたとき、急に仕事が忙しくなって、その成果を確認することはできなかった。