テスラな一日

昨日は月曜日で朝から休日であった。予定どおり朝一番に「整体」に行った。肩こりがあまりにもひどいようなので、勇気を出して行ってみることにしたのだった。一見、理容室風の質素なドアを開けると、直感的に、来てはいけないところに来てしまった、ような感じがした。しかし、もう遅かった。まず、電気椅子に座ることになった。電気椅子といっても、見かけは普通のリクライナーと変わらない。600Vが通電しているとのことで、周囲のものに触れると感電するという。かなりびびったが、息を潜めてじっとしていると10分くらいで無事終了した。次は、光なんとか(正式名称は忘れた)という装置に寝かされた。頭上でたくさんの光が目まぐるしく点滅し、回転している。しかもそれに合わせて宇宙的な電子音が鳴る。テスラコイルで有名な某天才科学者の実験風景を髣髴とさせる、超科学的なテクノロジーにぼくはただ圧倒されるばかりだった。電気コードがあちこちに伸びた、スイッチや電気メーターだらけの不可思議な装置が所狭しと並び、かつピコピコいいながら実動している。凡人の理解を超越した、どこか現実離れした風景である。じつに不思議な体験だった。感動も醒めやらぬまま家に帰り着き、パソコンを立ち上げようとしたらフリーズした。何度やってもだめ。結局パソコンは正常に起動しなくなり、リカバリーすることになった。ぼくはテスラーな電気人間になってしまったのだろうか。なにせ600Vである。丸一日かけてリカバリーを終え、やっと今こうしてブログに書いているところです。

月の砂漠

風呂から上がって階段を上り、屋上のベンチに座った。
乾いた風が吹いている。とても気持ちがいい。
西の空に月が上がっている。星も三つくらい見える。
遠い砂漠から飛んできた砂のせいで、かすんでいる。

浅井慎平

070525雑誌をめくってたら、電柱と曇り空の写真があった。なんの変哲もない、どこにでもありそうな平凡な風景。なのに、ぐわっ、と心をつかまれた。すごい引力。なんでやネン。わけわからん。作者を見たら、やっぱり浅井慎平。なんでやネン。わけわからん。

いつになく、ぼくは疲れていた。これが効くんだと、薬のつもりでスイカを食べ、ビールも少し飲んだ。遅い夕食を終えたころ、開けた窓からピアノの音が聞こえてきた。となりのお嬢さんがピアノの練習をされている。曲名は分からなかったが、どこか憂いを含んだ涼しげな曲。ぼくはとなりのお嬢さんを知らない。お嬢さんも、たぶんぼくを知らない。でも、ピアノの音は垣根を越え、親しい友の顔でやってきて、ぼくをなぐさめる。

LightWrite

パソコンでちょっとした文を書くのに、ナニを使ってます? Windowsなら、メモ帳、ワードパッドあたりかな。ぼくは「LightWrite」というタブ式エディタを使ってます。とにかく軽い。基本操作は起動と終了のみ、という、徹底して操作を簡略化した、ある意味マニアックなエディタ。シンプルな操作を最優先に特化されているために一般のエディタとは異なった独自の構造になってますから、特にファイルの保存については予めしっかり把握しておく必要があります。使い始めは戸惑うけど、一度使ったら手放せなくなるラブリーなエディタです。残念ながらMac用はないようです。
こちらからダウンロードできます。(フリーソフトです)

ファーブルな休日

昨日は天気も良く、絶好のドライブ日和であったが、先週に引き続き庭の植木の手入れなどをした。梅雨入りも間近なので、天気の良いうちに枯れ枝や不要な小枝を払い、風通しを良くしておこうという作戦だ。ところで、狭いながらも、わが家の庭には変な生き物がたくさん棲んでいる。おかげでぼくは、一日中庭にいても退屈することがない。その生き物たちは、なぜか女性に嫌われる姿をしている。クモ、ムカデ、ゲジゲジ、毛虫、ミミズ、蛾、カマキリ、トカゲ、アマガエル。ぼくはその神秘的な姿につい見惚れてしまい、いつまでも眺めていることがある。ほんとに彼らは信じられないほど完成されていて、まるで宝石のようだ。ぼくは草木の手入れに農薬や殺虫剤を使わない方針なので、わが家の庭における生態系ピラミッドは比較的安定しているように見える。しかしここ数年、ツバキや生垣のサザンカにチャドクガが異常発生するようになった。ぼくはこれをいちいち手作業で取り除くのだけど、けっこう骨が折れる。チャドクガが発生するようになって、オニグモがあちこちに巣をかけるようになった。今まで見かけなかったカナヘビも急に増えてきた。どうやら、わが家の庭におけるチャドクガ・シフトも完成の域に近づきつつある模様である。
下の絵は、わが家のイメージ。ん?どこかで見たような…
Musi_01

ホーム・ポジション

ボケたわけでもないのに、自分が何者なのか分からなくなることがある。自分の座標を見失ってコンパスが働かなくなるときがある。そんな時どうするか。簡単なことだ。自分を思い出せばいい。どうすれば自分を思い出すのだろう。それもまた案外簡単なことだ。自分が自分らしかった時に好きだったものを思い出し、せっせと取り込むのだ。たとえば、ぼくの場合、スイカを食べる(ちと高価だけど)。バラを部屋に飾る。香水(ムスク)を浴室に漂わせる。歌手(ちあきなおみ)のポスターを貼る。ラヴェルのボレロを聞く。海で泳ぐ(まだ寒いなー)。好きな友達の声を聞く。うまくいけば、オフになっていたスイッチが次々にオンになる。そう、いったん、自分のホームポジションに戻ってみるわけだ。

スイカの夢

070519毎年、ちょうど暑くなりだした今頃、となりの県からスイカが送ってくる。ぼくはスイカが大好きなので、とてもうれしい。うれしいのだけど、ちょっと寂しい。わが家でスイカを好んで食べるのはぼくだけだ。ぼくが食べないと、スイカはスイカのまま小さくしぼんで、おそらく何週間か後にはゴミ袋の中。スイカは家族の見守る中で真っ二つにされ、切り出す端からなくなっていくのがいい。