カーテンを開けるまでもなく、今日がすばらしい天気だということが分かった。プランク恒数をあらわした物理学者の寝室が東向きだったかは知らない。しかしどうだ、今日の朝の光は。まるでカーテンを押し退けようとしているように見える。
今日は定休日。天気は極上。風もない。用事もない。据え膳食わぬは男のハジ、と、飲んだ上司が顔を赤らめて言っていたのを思い出す。と、いうわけで、さっそく湯を沸かし、ポットにコーヒーを詰めた。放射冷却のせいで寒い朝だった。まず、指宿の例の温泉に進路を定めた。信楽焼の湯船に浸かって空を眺めると、青一色の空でトンビが円を描いていた。温泉は山すそにあるから上昇気流が発生している。たちまち彼は風に乗って黒い点になった。一応、今日の目的は決めてあった。フラワーパークで桜を見る。桜を眺めながらコーヒーを飲む。桜の名前は「伊豆の踊り子」。変な名前。桜を見て、レストランで食事をとり、帰りに千貫平PAに寄って珈琲を飲んだ。遠い山並みを飽きもせず見つめていた。ヘミングウェイの「白い象のような山並み」での二人の会話がふと浮かんだ。
靴の中の住人
朝起きると月曜の朝だった。カーテンを開けると空は雲で覆われていた。雲の正体をご存知だろうか。もちろんワタアメではないが、勇んで「水蒸気!」などと答えると子供に笑われる。あれは水や氷の粒の集まりである。ついでに言うと湯気も水滴の集まりだ。というわけで、温泉に出かけた。月曜の昼だというのに混んでいる。八つある貸切風呂のうち、二つしか空いてない。やれやれ。平日の昼間はマジメに仕事をしていただきたいものである。ヒノキの湯船の部屋と、ツボみたいな湯船が2個並んだ部屋が空いていたので、迷わずヒノキにした。写真のキュートな足はぼくの足。長年使ってるので、ややくたびれている。足には口がないからしゃべれないが、うれしそうに見える。でしょ?
雨のMonday
太陽がいっぱい
曇り空が何日も続くと、カラータイマーが赤になったウルトラマンのような気分になる。ウルトラマンは気ままにM78星雲に戻るが、ぼくらは地上の人なので待つしかない。午後から晴れるという、ハズレてばかりの天気予報を信じて南薩へ出かけた。ふいに指宿スカイライン沿線上にある「記念すべき場所」へ行ってみよう、ということになり、有料道路に入った。記念すべき場所とは、千貫平PAのことである。なにが記念なのかというと、10年前、ぼくはここのがけを上っていて、つかんだ岩もろとも高所から落下したのである。家族とソーメン流しに行く途中だった。家人たちには「かすり傷だ」と言って、そのままソーメン流しに行ったのだが、指が動かず、ソーメンがつかめない。変だな、と思いつつ、帰路につこうとしたら、車のクラッチが踏めない。おかしいなと思いつつ帰宅し、ケガをしたところにオロナインを塗りこんで就寝。翌朝、手と足が痛くて目が覚めた。しかたなく行きつけの整形外科へ行くと、いきなり院長に「おまえはバカか」といわれた。手の指と足を骨折していたのだ。即入院。40日間不自由な生活を強いられるハメになったのだった。友人たちは大いに喜び、ラジオに「こんなバカがいます」と投稿、それが採用されて放送局から黄色いTシャツが送られてきた。なべて友人とはこういうものである。話がそれてしまったが、天気予報もたまには当たる。午後から気持ちよく晴れてきた。フラワーパークも、きっと人出が多いだろうと心配したが、行ってみると大変少なかった。園内の陽だまりでポットに詰めたコーヒーをのんびり飲んだ。太陽が暖かかった。ぼくの太陽電池はどんどん充電されていった。ぼくにとって、お日様がどれだけ大切なものか、今日は身に沁みてよくわかった。感謝。
写真は今日の夕日です。
おいしいミカン
外は寒い。
ならば家の中が暖かいかというと、そうでもない。灯油をケチって、あまりストーブを焚かない。今日は休みだから、家でじっとしていても、だれからも文句は出ない。しかし寒い。寒いと温泉に行きたくなるのが人情である。かもしれない。
またか、と思われても気にしない。指宿の野の香温泉にでかけた。(またか)
今日は雅の湯という、ヒノキ風呂を選んでみた。ぼくはいつも思う。この湯船が欲しい。わが家には屋上があるので、そこに置いて、いつまでも湯に浸かっていたいな、と思う。ちなみに、ここ野の香温泉は1時間1500円。3時までなら1300円。500円で30分追加できる。長いこと湯に浸かってたら、のぼせてしまった。土曜の夜に飲みすぎたワインも影響しているようだ。今日は以前グリーンピアがあったところを経由して、池田湖に出た。ここに氷が張ったらアイススケートができるのに、と思ったが、こういうことは最近人に言わないようにしている。腹が減ったので頴娃町の龍太郎寿司に行ったら準備中だった。枕崎のうどん屋にもふられた。しかたなく、津貫でミカンを買って帰ることにした。津貫といえば麦の花さんのお寺がある。ちょっと寄ってみることにした。道をキョロキョロしながら走っていると、どこかで見たような女性が歩いてくる。麦の花さんだった。きょうは、そわかちゃんの誕生日なんだそうで、餅を配って回るところだったらしい。やさしい目をしたご主人とも会うことができた。ミカンも山ほどもらった。餅もいただいた。へんな形のカボチャもいただいた。(あ、麦の花さん、ミカン、猛烈にうまいです、あっという間に30個くらい食べてしまいました。本当にありがとうございました。あのカボチャはズッキーニと同じように料理してみます。グラン・ブルー、エンゾ風スパゲティー、とか)
今日はいい日だったなぁ。
ちなみに、わが家も娘が誕生日で、ぼくは見よう見まねで「ナシゴレン」を作った。
だれもいない海
コーヒーをポットに詰めて南に走った。指宿に入った頃、突然、池田湖のソフトクリームを食べたくなって右折。正午過ぎだというのに、太陽が低いせいで、湖面が銀色に輝いている。ソフトクリームをなめながら駐車場を見回すと、うろついてるのは年寄りばかり。イッシー君もボロボロ。せつない。天気がいいので、どこまでも走れる気分。車は枕崎に向かって走り出した。選んだBGMは井上陽水の「GoldenBest」。雲ひとつない真っ青な空に渇いた陽水の声がマッチしていた。ぼくの目的地はいつものように吹上浜。砂丘を越えて海に出る。風が強かった。だれ一人いない。こんなに広い砂浜にだれもいない。長い時間、風に吹かれていたら、ハナが垂れてきた。
ブルータートルの夢
今日は定休日。
いつものようにコーヒーをポットに詰めてドライブ。
行きたかったのは、笠沙の亀ヶ丘。
東シナ海を臨む断崖絶壁に小さな東屋が建っている。
台風が来たら吹き飛びそうだけど、なかなか飛ばない。
午後から晴れるということだったけど、曇っていた。
東屋で、しばらく風にあたっていた。
車の中で聞いた音楽の歌詞が、いつまでも心に引っかかって、気分はブルーだった。
上の写真の白い矢印が東屋。
写真下は、東屋から臨む東シナ海。
コバルトの季節の中で
朝、窓を開けると恐ろしく晴れていた。今日は休み。どこに行こうか。
そういえば昨夜、掲示板に「○○高原に行ったよ~ん」と、だれか書き込んでたなー。
考えるのがめんど臭かったので、コスモスで有名なそこに行くことにした。
ずいぶん昔、一度だけ行ったことがある。そのときぼくは「二度とここに来ることはないだろう」と思った。
そして今日、また来てしまった。300円払ってゲートをくぐる。やっぱり…あの時と同じだ。
とりあえずコスモスの横に座り、持参した珈琲を飲んだ。滞在時間10分。ぼくは狐につままれたような気分だった。不思議でならない。何でここに人が集まるのか。ただの広場じゃないか。
ぼくらはそそくさと次の目的地に移動した。
高千穂岳のふもとにひっそりと佇む御池。その神秘的な色を湛えた湖面にぼくはボートを漕ぎ出した。
二人乗り手漕ぎボートでのタイムトライアル。対岸まで約800m、何分で渡れるか。昨年10月にトライアルしたときは12分45秒だった。
タイムは…
13分40秒。ガ~~ン!
潮騒
どうやら、鹿児島にも秋が訪れたようだ。
空が高い。空気もさらりとしてべとつかない。いつもより丁寧にコーヒーを点ててポットに詰め、ドライブに出かけた。指宿スカイラインは薩摩半島を縦走する有料道路。その名のとおり、山の稜線沿いに指宿方面へとウネウネ続いている。わが家を出て少し下ったところに、この道路のICがある。指宿スカイラインを走ること小1時間、数年前まで「椿の郷」と呼ばれていたPAに到着。
涼しく、気持ちよい風が吹いている。展望所に着くと、さっそく熱いコーヒーをカップに注いだ。
だれもいない。とても静かだ。聞こえるのは虫の声と耳鳴り。
昼飯は某お客さんに教えていただいた枕崎港の漁協で食べることにした。
いったん川辺ICに引き返し、250円払って国道に合流、一路枕崎へ。
本日チョイスしたBGMは山口百恵。失礼ながら、ひなびた町並みによく似合う。
漁協に到着。しかし、食堂は2時までとのこと。時計は2時半を指していた。残念。
吹上浜に向かった。
シーズンオフの砂浜はやはり寂しかった。さびしそうにトボトボ歩いた。
波の音があたりを満たしていた。注意して聞き分けようとしたが、耳鳴りと潮騒の区別はつかなかった。
台風一週間目
今日は定休日。空は青空、いい天気。
ドライブに出かけようと思ったけど、先週の台風でベランダに落ち葉が積もっている。ぼくはホウキとチリトリを持って掃除を始めた。
すると、すぐにネコが寄ってきて邪魔をはじめた。
このまえ、ぼくから下駄で足を踏まれ、ギャッと叫んでどこかにすっ飛んでいったのに、もう忘れてる。記憶力ゼロ。でも、考えてみれば、そのほうが幸せかもしれない。掃除が終わって腹が減ったので、東市来の蓬莱館に行くことにした。最近、魚料理は笠沙に出かけて食べてたので、ここは久しぶり。あいかわらず高年齢の客が多く、順番待ちだった。お味のほうは少々?マークが付いた。多かったせいかな。魚売り場で、捕れたてのヒゲナガエビとコウイカのゲソを買った。今夜の晩飯はエビのペペロンチーノに決めた。
うまそうに見えないけど、写真はぼくが作ったエビのペペロンチーノ。
これはうまい。一皿1,200円也、で飛ぶように売れる!と、確信できるデリシャスな味だった。