久しぶりにサン・テグジュペリの「星の王子さま」を読んだ。読み始めてみると、たしかに以前読んだ記憶がある。そのときは、有名作家の書いた洒落た絵本くらいの感覚で読んだのだと思う。読んで驚いた。同じ本なのに、まるで別もののようだ。
人と人を隔てるもの。たとえば距離。この本は、いつもぼくの傍にあった。でも、離れていたのだ。
星の王子さまはぼくに言った。
やあ、やっと会えたね。ぼくはずっと待ってたんだよ。
ぼくは言った。
ぼくも会いたかったよ。
でも、君と会うには、少し時間が必要だったんだ。
“距離” への5件の返信
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そうですよね~☆
星の王子様は今や私の母校で、中学・高校の女生徒たちと楽しくお喋りをしていますよ(笑)
ぼくは、中学・高校の頃って、まだ子供だったなぁ。女の子はその辺の事情がどうなのか分からないのだけど。この本では、大人になると「大事なことが見えなくなる」と、しきりに言ってるんですよね。でも、大人にならないと、それがどういう意味なのか分からない。だから、今読むと、大事なことが何なのか分かってくる。この本、一粒で二度楽しめるアーモンドグリコみたい(笑)
本だけでなく、ヒトとの出会いも然りかもしれませんね。うまくいえないけど。
ただなんとなぁくそう思いました。
「ぼく、もう死んだようになるんだけどね、それ、ほんとうじゃないんだ……。ね、遠過ぎるんだよ。ぼく、とてもこの体、持ってけないの。重すぎるんだもの。」
ってところが、最近一番気になるところです。
☆こめこさん、まさにそうなんです。
人は距離を旅するように時間を旅して出会うし、愛し合うこともできるんですね。自分は変わらないと思い込んでいる人には、そういう旅や出会いはできないでしょう。
☆clusterさん、これ、作者との別れのシーンでしたね。毒蛇との相談の後に、このシーンがあるのが意味深です。彼は、いくつかの星を渡り歩いて地球に来ているのですが、どのような手段で移動したかは、結局説明がない。体を捨てて移動し続けてるわけではなさそうだし…。ここでは、特別な意味がありそうですね。作者の強い感情移入があるように感じられます。ぼくが、今になってこの作品に入り込めるのも、そういった作者の葛藤、ただならぬ覚悟のようなものが作品の随所に見えるからです。