そしてぼくは何かを悟った

おとといは月曜日で定休日であった。いつもなら車に乗ってどこか出かけるのだが、1階トイレの水タンクのフタが30年間の水垢の堆積によって鍾乳洞の壁面のようになっており、そこに退廃的な美しさを見出せる人にはなんら問題はないのだが、そうでない人たちにとっては単に見苦しいだけという状態なのだった。そこで朝9時前から陶器面にびっしりこびりついた鍾乳石を削り取る作業を開始した。(実をいうと1週間ほど前、酸やアルカリ、いろんな洗浄剤を使って溶かそうと試みたのだがビクともしなかった)予定では昼前には終了し、そのあとどこかにドライブに出かけるはずだったのだが、予想外にしぶとく、結局終了したのが3時過ぎ。約6時間、まるでインド山奥の修行僧のように黙々と陶器のフタをこすり続けていたのだった。