春の匂い

140203_07 春のスイッチを入れるために南へ車を走らせた。どこから流れてきたのか、あやしい霧が世界を覆っていた。陸も海もミルク色の霧の底に沈み、どこまで走っても視界は霞んでいた。まるでぼくの心の風景のように140203_02 春のスイッチは冬の扉の向こうにある。冬の扉は引っ張っても叩いても、呪文を唱えても開かない。そもそも自分の心の中にある冬の扉に気づいてない人だってたくさんいる140203_01 それは眠れる森の美女を目覚めさせる王子のキスのように140203_05 甘い匂い140203_03