A LONG VACATION 3日目

大掃除は終わったわけではなかった。屋上に積もったまま放置していた某火山の灰を撤去しなければならない。黄色い克灰袋をポケットに押し込み100円ショップで調達した小さなチリトリとほうきを手に屋上のフェンスをまたいだ。火山灰はフェンスの外に張り出したひさしに山のように積もっている。屋上は風が強かった。ひとたび突風に煽られれば枯葉のように宙を舞うこと必至である。そのときはバットマンのように滑空し、地表すれすれで一回転して着地せねば大怪我をするであろう。このまえのような肋骨の骨折ていどでは済まされない。なにせ、ここは2階建ての屋上なのだ。このような場合、重心を低く保って作業するのがコツである。つまり、しゃがんだまま灰をすくい取っていく。これはひどく過酷な作業であった。灰は予想外に多く、克灰袋が2袋でも足りなかった。131231_022013年も暮れていく