夜の金魚鉢

130703_01
店の玄関に金魚鉢が置いてある。そこにはメダカが棲んでいる。金魚鉢は、ほうっておくと、なぜか汚れてくる。メダカは自分で掃除したりしないから、ぼくが掃除をする。掃除は店が終わってからする。洗面器に金魚鉢の中身をぶちまけ、空になった金魚鉢をスポンジでゴシゴシ洗う。そこに水を張り、きれいに洗った水草を入れる。メダカは一晩、洗面器の中で過ごす。明日の朝、透き通った金魚鉢にメダカを戻す。いまだかつてメダカに感謝されたことはないが、愛とはそういうものだ。