だれかに呼ばれた気がして目が覚めた。ぼくはズボンとシャツを急いで着ると声のしたほうに向かって車を走らせた。
ぼくを呼んでいたのはビンセントだった。彼は困ったような顔をして言った。どうしてもっと早く来なかったんだ。わしはもうすっかり疲れてしまって、君に何を言うんだったか忘れちまった。とにかくとても重要なメッセージだったんだが。ビンセントは長い冬を前にした年老いたクマのような目になって言った。夏が終わりかけているせいかもしれない。そう、わるいことをしたね、じゃあ、ぼくは帰るよ。車に戻ろうとすると、ビンセントはあわてて言った。待ってくれ、彼女なら知っているかも知れん。
ぼくは南に向かった。車は入道雲の湧きあがる海岸道路を走り続けた。ビンセントによれば、南の植物園に棲んでいるプラドレッドなら知っているだろう、とのこと。ヒマワリ畑は園の奥にあった。風と波の音が入り混じって渦を巻き、不思議な雰囲気をかもし出している。そこに何種類ものヒマワリが一面に咲いている。
木人の親子がいたので、プラドレッドはどこにいるか聞いてみた。しかし、彼らとはまるで言葉が通じなかった。
畑の海側のほうに、見たことのない赤いヒマワリが咲いていた。彼女がプラドレッドなのだろうか。
つづく かも
“ひまわりをめぐる冒険” への4件の返信
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パチパチパチ・・・
続いて欲しいです。
揺羅さん、おひさしぶりですね。
ぼくも続きを読みたいので、そのうち書くかもしれません。あまり期待はできませんけど。
覚えていてくださったのですね。
ありがとうございます。
辛いことがあると、スプーンさんの言葉に触れたくなります。
鎮痛剤なんです。わたしにとって。
ぼくのまわりにもいますよ、ノーシンみたいなひと。
その人と一緒にいると、いつの間にか頭痛が消えてしまうんです。
逆に頭が痛くなる人もいます。
だからそういう人には会わないように気をつけてます。