long vacation 二日目

090814_001

明け方、足がつって目が覚めた。おそらく昨日のハードな作業で普段あまり使わない筋肉を使ったせいだろう。時々頭が痛くなるのも同じ原理である。きょうはヨッパライ某の発案で、家族全員で指宿にある某喫茶店に行こう、ということになった。10年振りだ。ぼくが脱サラし、妙な仕事を始め、休日を月曜日に設定したせいで、同じく月曜を定休日とするこの喫茶店に行けなくなってしまったのだ。しかし今日は金曜日なので某店は営業している。ぼくはこの喫茶店に20年以上前から通っていた。

090814_003

ぼくらはこの店のハンバーグ定食とシーフードカレーが麻薬的に好きなのだった。
店に到着し、ドアを開ける。振り向いたマスターは、一瞬、あっ、という顔をし、そして微笑んだ。
覚えてますか?というと、もちろんですよ、という返事。
ぼくは笑いながら、コイツがあの時の子供ですよ、と、娘を指差した。
あれは20年前のある晩、ぼくとヨッパライ某はこの店で食事をとり、勘定を済ませて外に出た。車に乗ろうとしていると、店のドアが勢いよく開き、マスターが血相を変えて飛び出してきた。
「忘れ物ですよ」
ぼくらはベビーキャリーに入れた幼い娘を店に忘れて帰ろうとしていたのだった。

090814_002