ファーブルな午後

昨日は一昨日に引き続き休日であった。珍しくショッピングセンターに買い物に出かけた。レジの近くでぼんやりしていると、突然、小さな女の子が大声で泣きだした。迷子であった。ぼくは久しぶりに本物の迷子を見た。その数分後、どこからか母親が駆け寄ってきて感動の対面があった。ちょっとしたドラマであった。家に帰って、屋上でぼんやり雲を見ていた。雲はいつまで見ていても飽きることがない。ファーブルは一日中道端にしゃがんでアリを見ていたという。ときに、老人が同じところをじっと見つめたまま動かないことがある。ぼけているのかもしれないし、案外、死んでるのかもしれない。ぼくはだいじょうぶだろうか。