手の中のDora Maar

Dora_01朝起きて夜眠る。今日のぼくは、昨日のぼくの続きだ。でも、ぼくが知らないうちにぼくは変化している。年をとるのも変化かもしれないが、そういう緩やかな変化ではなく、たとえば、この前までネコだった自分が、気づいたらカラスになっていた。そういう変化だ。なぜ今さらそんなことをいうのかと言うと、いつの間にか、ぼくの絵や詩の好みが信じられないくらい変わっていてビックリしたからだ。たとえば、ピカソのDora Maar。この前までたいして気に留めなかった、変てこな顔の女性が、今こうして手の中にあって、笑顔を交わす仲。とてもとても好きなのである。絵や詩は情報だから永遠に止まっている。ぼくはシステムなので変化する。そういう定点から観測すると、自分がダイナミックに変化しつづけているのに気づく。