70’暑い部屋

遠いむかしの話である。だれでもそうであるように、学生の頃、ぼくは麻薬に興味を持った。ある雑誌に麻薬の作り方が載っていたので、直ちに実行することにした。それによれば市販されているある種のサボテンには麻薬成分が含まれており、簡単に抽出できるという。さっそく近くの園芸店に行ったが、売ってなかった。その足でバスに乗り、市内の植物園に出向いてサボテンコーナーをうろつきまわった。しかし、やはりそういう名のサボテンはなかった。あったらネコババする気でいたのかもしれない。今のぼくからは想像できない話である。かもしれない。海外に出かけた時チャンスは訪れた。いわゆるグラスが手に入ったのである。タバコをほぐし、中身を入れ替えて一生懸命吸った。いつの間にか眠ってしまっていた。失敗に終わったのである。その時は粗悪品をつかまされたのだと思った。しかし、あとで聞いた話によれば、いったん吸い込んだ煙は、しばらく腹にためるのがコツなのだという。とにかく部屋が暑かった。西日の差す、クーラーの効かないボロホテルだった。


当時、村上龍が「限りなく透明に近いブルー」で文壇に登場。
マリファナに興味を持つ若者は多かった。と思う。

“70’暑い部屋” への5件の返信

  1. 私は麻薬というよりタバコに興味を惹かれた。でも初なその頃の私はタバコも一回吸えば薬中になると思って吸えなかった・・・・・ま、今でも吸ったことないんだけど。夢で何度も吸っている・・・やはり未だに憧れているのかなぁ?。

  2. ☆麦の花さん「意識が戻って良かったですね」には、ちょっとびびりました。たしかに、単に眠ったというより、意識が遠のいていった、という感じに近かったんです。
    ☆ユウさんはタバコしないんですね。ぼくもしません。これは、嗜好の問題でしょう。おいしいと思えないんです。
    ☆じつは、今日のエントリー、薬物に頼らない健全なトリップについて書くつもりだったんですが、前置きが長すぎたというか、前置きで終わってしまいました(笑)
    いつかまた書きます。

  3. ☆ナナシさん、 陽水の リバーサイドホテルって、ラブホテルなのでは?
    ぼくの場合、違ったのですが、遠くにイクならラブホがいいかもしれないですね。

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